8月15日『秘色』でご一緒した水咲加奈さんと、映画『怪物』を観に行った。

考えさせられる映画だった。
映像や音楽が美しかった。

事実はひとつでも、人の数だけ真実があって、その真実の先で信じたり愛したり傷ついたり憎んだりする。
誰も悪くなくて、ただ互いの真実を共有するような会話ができず、聞く耳を持てず、すれ違い続けていく。

自分の持つ真実について話ができないのは、相手の持つ真実について教えてもらえないのは、怖いと思った。

私の中には「人間らしさ」を受け入れない怪物が潜んでいることも、自覚した。
それは時に、自分自身も一緒に過ごす人も、苦しくさせてしまう可能性があると思った。

映画を観た後、喫茶店で閉店時間まで色々な話をした。

場所を移動して、恋人も合流して、そこから終電を逃して3人で4時間くらい話をした。

『秘色』の終演後にも、加奈さんと終電を逃して話をしたことを思い出した。

加奈さんは、音楽との向き合い方、素直な気持ちで相手の中に入っていく方法を、時間をかけて見つけられたのだろうと思う。
私も、私なりのそれらを見つけたい。

加奈さんとの時間は、すごく心地がよい。