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AI TERADAが "SEX"を描くなら

echo ( https://echooomagazine.stores.jp )に寄稿しないか、

という話を持ちかけられた時、ディレクターShingo Fujisawa氏の開口一番の台詞はこれだった。

#エロ本 作ろうと思って。(笑)」

・・・それは思わず笑ってしまうほどsimpleかつ、なんとも奥の深い投げかけであった。

#エロ  ”とはなんだ?ーそう考えた時、思い浮かぶのはなんだ?

瞬時に #週刊誌 の袋とじや #AV 、そういったものが私の脳内をかすめ、またそれがきっと世の大半の成人の答えだと思った。きっと間違っていない。

大きなおっぱい、突き出すお尻、滴る汗、濡れて透けたシャツ、もしくは脱ぎかけて露わになった肌。王道に水着や下着、物欲しそうな表情、行為を想像させるような下から煽るようなアングル。いや、上目遣いでもいい。...と、まだまだ書けるが、いかに私がそういった”エロ”いものが大好きで見漁っているかが露呈してしまうのでこれくらいで辞めておこう。

とはいえ、もはやこれらのテンプレートがエロとイコールとなり、 #シナプス 伝達先として形成されている事自体に辟易するのだ。

エロが #形骸化 されていることに。

自分自身 #フォトグラファー としてそうした #セクシー#写真 を撮る際、上記"エロテンプレート”を指示し、ファインダーに映せば「フーゥ!!」なんて言ったりするのだけど、本当にそれに興奮しているのかというと、自分でもわからないのだ。本当にこれは”エロ”いのか?

フーゥ!!と言う度に実はどこか違和感を覚えていた。

...その違和感の正体はなんだろう?

その答えの糸口は、お仕事でお邪魔した #TENGA さんのイベントにて美人広報のお方がさらっと言いのけてらした。

「AVはファンタジーだ」と。

静止画でも動画でも、創造物・フィクションでは、それはあくまで #娯楽  で、非現実で、嘘で。インスタントで、薄っぺらい。そこにストーリーがない。

違う。

現実の日常生活に溶け込む、ハッとドギマギしちゃうような瞬間・光景は、もっとさりげなくて、再現が出来ないのだ。

高画質写真が撮影可能なスマートフォンの普及した、総人類カメラマンの時代に写真家を名乗るならば。

"真を写す"と書いて" #写真家 "を名乗るのならば。

撮るのは #フィクション ではいけないと思った。

より"真"の”エロ”を描き撮る為、私はエロの #語源 を遡り考えた。

エロスだ。エロスは #愛 だ。では"愛"を写さなければ。

目に見えないのに?形がないのに?誰しも持てる答えが違うのに?どうやって?

ーここで冒頭タイトルに帰結する。

本当に愛し合ってる者たちのSEXを撮りたい!

そういえば私は学生時代世界史の授業で、 #ゼウス#ベターハーフ 説【人間はそれぞれ昔一体であった相手(自分の片割れ)を求めるという説】が好きだった。なんだか #ロマンチック で憧れた。

惹き合って、体を一つに繋げていると、もともと一つだったんじゃないかなんて、#本能 で感知するような。体という壁を超えて心と心が熱く繋がるような。そんな感覚を探しているんじゃないかと。...それは安直な発想かもしれないし、とある男性には「SEXなんてただの粘膜の摩擦だ」と言い捨てられた。

彼の言う通りSEX=愛と考えるのは女性が陥りやすい #幻想 なのかもしれない。(それも #偏見 かもしれない。)

ただ少なくとも、誰とでも熱く抱き合ったり、ましてや #裸 を見せ合うなど、特にここ日本ではありえない。そこに至るまでのストーリーがある。

本当に愛おしいその人と体を一つにした時にだけ感じる特別な感情。温かい、熱い、胸がきゅっとするような...その部分こそ二人の関係性や互いの想いのバランス次第で十人十色、二人だけの形。

"それ"を撮り納め、被写体の方々や写真を見た人に、その時のエモーションを引き起こさせるような写真を撮りたい。表層のスケベ心にではなく、もっと各個人の私有的な体験とその感情、各々の心の深みにある柔らかいところにリーチするような写真を撮りたい。

そうして、実際に協力いただける恋人達を探しだし撮り納め寄稿したのが本作だ。

この恋人達がどんな二人かは、写真から想像して欲しい。

私がこの二方に対して驚いて感動したところも、しっかり撮り納めたのだが、写真というのはここが面白くて、受取手によって感じ方が違う。それはそれでいいかな、と思う。

この試みはまだ始まったばかり。現状2組撮影した(寄稿してるのは一組のもの)。それぞれが、作り物のそれでは見たことがない二人の形で感動した。自分が死ぬまでにできる限りこの試みを多く撮りためたい。

私は親から愛という名前をつけてもらった。

名前は、親からの最初にして最大のプレゼントであり、課題だと私は考えている。だから死ぬまでに、その課題の答えを、写真を撮り続けることで会得したい。

Echo
発売日:2018年10月15日
税込価格2,500円(別途送料500円)
装丁:ソフトカバー
ページ:64P サイズ:182mm x 240mm(B5変形サイズ)
購入方法:以下EC販売ページより、購入可能
https://echooomagazine.stores.jp/






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