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紹介状を携えて…な話②

(前回の記事)


なんだかいまいち気は晴れないけど、とりあえず30分ほど外で時間を潰した僕はそろそろ病院の中で呼ばれるのを待つことにしました。 

担当医と対面

一応診察室の番号は決まっていてその近くで待つように言われていたため、なるべく呼ばれてすぐ分かる場所で目を閉じて待っていました。
おそらく呼ばれるであろう診察室は割と分厚めの扉で仕切られているけど、それでも中からは何やら笑い声まで聞こえてて少し緊張がほぐれたような気がしました。

『たいさーん』

ついに呼ばれました。しかも名前で!(笑)
何を言われるんだろう…?と思いつつ、僕は案内された診察室に入りました。

扉を閉めて『はじめまして!』と声をかけてくれたのは、先日のドクターではありませんでした…。
「誰???」と言わんばかりの表情をした僕に気づいたのか、

『〇〇(先日のドクター)から話は聞いてます。HIVは進行を止めれるし、飲みやすい薬もできてます。一緒に頑張りましょう!』

と言いながらニコっとすると、すごく気さくな感じで話し始めました。パソコンに表示されたカルテで名前や問診で書いたことを確認しながら

『たいさんはこれからちょっと頑張って治療をしていかなきゃいけなくなります。もにろん僕たちも頑張るし、看護師さんたちも。それから治療を始める前には障がい者手帳の申請や福祉制度を使うためにケースワーカーの人たちもめちゃくちゃ頑張ってもらうことになります。困ったことがあったら何でも話して欲しいし、たくさんの患者さんを診てきてるから言えることもたくさんあります。頑張ってHIVを抑えるように治療を進めていきましょう!』

年の頃で言えば僕と同じくらいか、少し若いくらいに見えました。でもどこか自信に溢れていて本当にどうにかなるんだと言ってるように聞こえます。それから過去に初期症状と思われる何かがなかったか?とか、大きな病気やケガで病院にかかったことがあったか?、服用してる薬はないか?なんかを聞かれました。

薬をちゃんと飲んでくれそう?

色々話をしてると、別の診察室に繋がってるであろうカーテンの奥から先日のドクターが出てきました。

『こんにちは。よく来てくれましたね!』

そう言うと診察用のベッドに腰掛けて、担当医に話を続けるように促しました。

『僕たちはドクター、ナース、ケースワーカーも含めてチームで患者さんの治療にあたってるんで、診察日によってドクターが違うことはあるけどいつ来てもらっても大丈夫です。もし不安に思うことがあったら必ず誰かに相談してください。まぁ…たいさんは陽性って分かってからすぐ来てくれたし、初対面でこんなこと言うのもおかしいかもしれないけど薬もちゃんと飲んでくれそうですね(笑)』

ベッドに座って話を聞いていた先日のドクターも、後ろで話を聞いていた看護師さん2人も、なぜかうんうんとうなずきました。なぜ??
それが何を意味するのかはあまりよく分からないけど、絶望に打ちひしがれてないし治療に対して前向きそうだってことなのかな…?と思いました。

『とりあえず今日は血液検査をして、今のたいさんの体の状態を調べます。現状が分からないと診断できないし、治療にも進めないし、手続きもできないんで。それから尿検査、心電図とレントゲン。この辺は形式的なものなんで何もないと思いますが、とりあえず受けてもらいますね』

「分かりました」と返事をすると、次回の診察日を決めました。それから『何か聞いておきたいことはありますか?』と言われ「あの、コロナワクチンの3回目がまだなんですが、受けても大丈夫ですか?」と聞きました。
ドクターは『絶対受けた方がいいです!』と言っていました。僕は医師でも医療従事者でもないので全然理由は分かりませんでしたが、どうやらこれも診察室内で満場一致の意見でした(笑)

血液検査の量が…項目もめちゃくちゃ多い

診察が終わり、看護師さんから受診票と各場所の説明を一通り受け、僕は一連の形式的な検査を受けました。

レントゲンや心電図は本当にすぐ終わりましたが、血液検査だけは一筋縄ではいかず…受けたことがある方は分かると思いますが、多分だいたい容器3〜5本くらいの採取で終わることが多いと思います。しかし検査項目が多いせいか容器7本分の採血でした。人生で献血の次に血を抜かれたかもしれない…。

何のことかはまったく分からないけど項目が多いなぁ

こうしてHIV患者として診察を受け、治療を進めていくことになりました。いずれはヒト免疫不全ウイルス感染症による免疫機能障害と認定され、障害者手帳を交付され、テンプレ通りの投薬治療を受けることになりそうです。でもそれはまだ先の話なんだろう…とりあえず血液検査で(HIV陽性だということも含め)何もないことを祈りつつ、次回の診察日を待つことにします。期待はしてませんけど…(笑)

次回は、まだ受けてないけど2回目の診察のことを書く予定です。その前に思ってることがまとまったら、別の記事を書けたらいいな。

※前回、今回の前後半に分けて書いた記事は気が向いたら再編集してまとめる可能性があります。

僕はお気持ちだけでも十分嬉しいのです。読んでくださってありがとうございます🥰