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『今も昔も野球チップス』 教材アート★3★

こんにちは! 藍澤誠です。

プロ野球チップスって知ってますか? 私がこのチップスにはまったのは1980年代半ばでした。テレビのゴールデンタイムに必ず野球が中継され、ファミコンの『ファミスタ』や『燃えろプロ野球』が流行っていた頃です。

あれから三十数年経過。塾の先生となった私は、生徒のモチベーションアップになるものを選んでいました

えっと・・・そうだなぁ。

探索の手がかりとして、過去の自分の感覚を思い返す。自分が好きだったものって何だっけ? そんな脳内サーチ中に、当時30円の野球チップスの存在をいきなり思い出しました。調べてみるとなんといまだに健在、聞いてみると塾の子も集めているとか。

さっそく箱買い。野球チップスを箱買いするなんて、大人になったものだ。自分の人生にこんな日が訪れるとは思わなかったです。

さっそく塾の通貨であるカメ20ポイントで交換できるアイテムに追加しました。

★懐かしい! 今は1つ約100円。カードは2枚ついてくる。


効果は絶大でした。

やる気を出した生徒は、翌週、チップス欲しさに勉強をがんばるという決意を表明した手紙を書いてくれました。

国語ができない、漢字を覚えない理由として、手紙や文章を書く機会がないというのが大きいと思います。そういう意味で、こういう手紙を書くきっかけになっただけでも良かったです。

しばらくすると野球カードの輪は広がり、他校同士の交流が生まれ、トレードも開始。巡り巡って、大切な大谷選手(上記写真)が惜しげもない感じで私のところへ回ってきました

感謝を形にする。自分のスキと絡める。プレゼントをする。頑張りを循環させる。

そして――

つい先日、野球カードで阪神の鳥谷敬選手が出たのですが、鳥谷選手ファンも阪神タイガースファンも塾にいない。どうしようかな、とぶつぶつ言っていたら、以前塾に通っていた子が鳥谷選手の大ファンということが判明。さっそくその子に手紙を書き、今通っている塾の子経由でプレゼントしました。その子は高校受験生だったので、ちょっとしたエールをつづった手紙つきで。ないはずの接点が生まれる。スキをたどると関係性や次の一手が見えてくる。

前回も書きましたが、野球好きの小学生(大谷選手をくれた子)を受験に送り出すとき、その子の写真をベースとした野球チップス風のカードを作ってあげました。その子にプレゼントしてしまったので、写真も現物もないのですが、裏面の文面はこんな感じです。

磨き上げた「時間内に問題を解き終えるテクニック」は他の追随を許さない。「問題の条件にきっちりと合わせるミート力」も持ち味の一つだ。昨シーズンまでの課題だった「小数点の桁間違い」や「文字の汚さ」は大幅に改善され、弱点は見当たらない。理科や算数に対するポテンシャルはもともと高かったところに、日々の日記で培った文章作成能力が加わり、文系・理系の二刀流として活躍が期待されている。

受験へ臨むときのアドバイスをトレーディングカードの解説調でまとめました。「小数点の桁間違いに気をつけてね」と言うのではなく、「大幅に改善され、弱点は見当たらない」と言い切って自信を与える、という編集方針です。

少ないお小遣いで買っていた野球チップス。
ドキドキしながら引いていたカード。
野球チップスを食べながら『ズッコケ三人組』や『少年ジャンプ』を読んでいたあの頃。
コンソメまみれの指でプレイした『ファミスタ』や『ドラクエ』。

自分のワクワクの経験をこうしうて次世代にリレーする営みは、もはやアートと言っても過言ではないし、大人として果たさなくてはいけない使命でしょう。

いや、過言ですし使命とか大げさですね(笑)。
小学生時代にあった、ささやかな楽しみ。ドキドキできてしかもおいしい。そんな野球チップスは、今はコンソメ味ではなく塩味でした。

教材アート目次
★1★『iPad返してもらえるかもしれない券』 
★2★『目標は掲示板に載ること』

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