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『ことばへの旅』サンジョるデイズ★3★


こんにちは、藍澤誠です。
今日書見台に置いたのは、こちらの本です。

ボロボロですね・・・18歳のときに買ってから、ずっと読んでいます。

ヨブ記、ドストエフスキー、フランシス・ベーコン、パスカル、国木田独歩、マックス・ピカート、マルチン・ハイデッガー、老子、蕪村、アーノルド・トインビー、ドン・フアン、チェーホフ、ノーバート・ウィーナー、ジャワハルラール・ネルー、エミイル・ファゲ

彼らの15の名言が収録されていて、自分が読書にはまった入り口の本です。今やこの本自体が古本みたいな風貌になってしまいましたが、当時は初めて買ったばかりの文庫本でした。ていうか汚すぎますね。どうやったら本がこんなに汚れるんだ(笑)

1年間の長い受験勉強が終わって、これからは好きな本が自由に読める! と解放されたときに、こちらの本が良いガイドブックになりました。大学の図書館や吉祥寺の古本屋に行っては、聞いたことがあるけれど読んだことのない本を手あたり次第借りていました。そしてそんな自分に対し「本を性急に読むな!」と忠告してくれたのもこの本です。

今、読み返していて、自分の価値観に大きな影響を与えた本だったんだな、とはっきりわかります。いつか物を書く人になれたら、哲郎先生に会いに行こう。そして感謝の想いを伝えよう、と思っていた森本哲郎さんには「ありがとうございます」を言えずじまいでした。

195ページから引用します。

けれど、たとえそうであっても、もし自分が書物に何かを求めるのでなかったなら、つまり、自分の生き方にかかわるたいせつな問題を書物の中に発見したいという切実な気持がないのだったら、偶然も逃げてしまうでしょうし、運も開けてこないでしょう。この意味で、読書とは、やはり自発的な、主体的な、そして努力を要する行為というべきです。そのようして一冊の本に出会うかは、その人の切実な希求、人生をよりよく生きたいという希求にかかっているからです。

「できるだけ多くではなく、できるだけ少なく読みたまえ」(ヘンリー・ミラー)

引用部の書物・本の部分は、「noteで出会った言葉」「noteで読んだ記事」「noteを通して得た情報」「noteで見た一枚の写真」「noteで見かけた一枚のイラスト」などと読み替えても成り立つと思います。とにかく本も人も物も絵も、情報も――その出会いに感謝し、その関係性をていねいに育んでいくことを大切にしたいです。

会いたい人にはためらわずに会いに行こう。表現をしたいと感じた対象には、強く自発的に、主体的に、切実にアプローチしよう

森本先生、ありがとうございます。先生の本に20年以上経った今でも励まされています。先生もおそらく、できるだけ少なく読めといいつつ、どこか遠くでまだ読書をされていることでしょう。天に届きますように。

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