見出し画像

記憶術:人の顔を覚えるトレーニング『サイサイくんは隠れロッカー』

おはようございます。藍澤誠です。

東京に住んでいる人より、地方から東京に出てきた人の方が、東京で活動している有名人に遭遇する確率が高い、という話を聞いたことがあります。

上京してきた人の方がより強く「有名人に会わないかな」という期待を持ちながら歩いているから、というのがその根拠らしいです。

ここのところ、私は「人の顔を覚えるトレーニング」をしながら歩いています。道ですれ違う人を全員インプットするつもりで歩行しているので、当たり前ですが、知っている人がいた場合、まず見落としません。

先日の水曜日、仕事場に向かう時、塾の卒業生であるサイサイくん(18歳男子)が下を向きながらトボトボ歩いているのを発見しました。彼のビジュアルは以前とは一変していて、専門学校に通うようになって、つやつやの黒髪から、バリバリの金髪になっていたのですが、私にはすぐにサイサイ君だと判りました。

金髪だから目立った――というのもあります。ただ、彼にばったり会う前に、私はサイサイ君のLINEの短いコメント欄(ステータスメッセージ?)に

「やっと染めた」

とあったのを読んでいたのです。染めただけだと髪の毛とは言い切れないのですが、きっと髪を染めたんだろうな。しかも思いっきり派手に――と予想していました。というのも、半年くらい前、サイサイくんが高校3年生だったころ、「今一番やりたいことは何?」と私が聞いた時、サイサイくんはちょっと考えたあと、不敵な笑顔で

「タトゥーを入れたいですね」

となかなかの仰天発言をかましてくれたからです。

サイサイくんは、周りからみるとすごく大人しそうに見えるのですが、実は思いっきりロックなんだね。2カ月ぶりに会いたいな、と思っていましたし、実際、近いうちに会いたいね、と私から彼にLINEしたばかりでした。

そんな隠れロックな彼の変化を、いきなり道端で目の当たりにでき「その髪の色、めっちゃ似合ってるね!」と直接声をかけられただけでも、人の顔を覚えるトレーニングをしていて良かったな、と思えるのでした。

「ありがとうございます!」

すごく嬉しそうに、隠れロッカーであるサイサイくんは、金髪がよく映える色白の顔をほころばせました。以前、私が紹介した美容室で染めたそうです。その美容室はめちゃくちゃ和風なのですが、あの落ち着いた美容室で、こんなカブいた髪型が生まれるそのギャップも、面白かったです。

20年前、この街に引っ越してきたときに、知り合いがほとんどいない快適さみたいなのがありましたが、今では知り合いだらけになってしまいました。たしかに気楽ではなくなりましたが、これはこれですごく幸せなことのように思えます。そんなことを思いながら、顔識別トレーニングの初心者である私は、せっせと通行人のインプットに励むのでした。

読後📗あなたにプチミラクルが起きますように🙏 定額マガジンの読者も募集中です🚩