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7/3

4:54起床。

天気は曇り。
毒気を抜かれた空気が、辺りに満ちている。

いつも、
夢に悩まされている。

以前好きだった人が、夢に出てきた。

それだけなら、今までもあった。
でも、今回は話が違った。
公衆の面前で、僕が好きだと告白した。

勘弁してくれ、と思った。

僕は、その人にフラれている。
まあまあ仲がよかったし、
思わせぶりなことも、たくさんいわれたけど、
結局、フラれてしまった。

今でもたまに顔を合わせるけど、
(もちろん、2人きりではなく)
その人は、事あるごとに声をかけてくる。

元気ですか?
仕事は決まりましたか?
まだですか……。
でも、〇〇さんのこと応援していますから。

やめてくれ。

フッてしまったことに罪悪感があるのか、
元職場の先輩後輩の関係ゆえなのか、
どっちでもいいけど、
必要以上に話しかけないでくれ……。

元とはいえ先輩だから、
そんなことは、いえないけどさ。

あれだけ、思わせぶりなことをいってきて、
まだ、思わせぶりなことをいうつもりなの?

あれから、もう何ヶ月も経っているんだよ?
あなたの人生では、
僕はまだ「あなたを想っている人」かもしれないけど、
僕の人生では、
僕は「パートナーを想っている人」なんだよ?
それぞれ違う人生を歩いていることに気付いてよ。
もう……。

そして、今朝の夢。
何で出てきたの……。
いや、それはあなたの意志じゃないけどさ。

ほとんどの人がそうだと思うけど、
たとえそれが、
夢の中で起こっていることだとしても、
現実で起こっていることなのだと、誤認してしまう。

今回の夢もそうだった。
先輩が心変わりしたのかと、本気で思った。
しかも、人前で。
おまけに、顔触れは前の職場の人たちで。
よくこれだけ、断りにくい状況をつくったものだ。

けれど、
1組のカップルが成立する瞬間を、
そこにいるだれもが心待ちにしている中、
僕は、その期待を裏切った。

先輩。
たしかに僕は、先輩が好きでしたよ。
でも、勘違いしないでくださいね。
今は、もう違うんですから。
僕には、大切な人がいるんですから。

その後どうなったのかは……よく覚えていない。
場面が切り替わって、全然違う話になった気がする。

ふん。
現実に戻ってきた僕は、鼻を鳴らした。

そうら、見たことか。
夢だろうが現だろうが、
いくら口説かれようが、
あなたには、絶対なびかないよ。
だって僕には――。

ぱかっとLINEを開く。
昨日の夜、
パートナーから「おすし食べよう!」とお誘いが来た。
僕が大切なのは、このかわいい人だ。
僕が大切にしたいのは、1人だけだ。

だから先輩。
もう、化けて出てこないでくださいね。
……先輩、死んでないけどね。

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