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7/21

5:04起床。

天気は曇り。
微細な粒子が、空気に根を張っている。

今日はもう、帰ろうか。
何か大きなものに、呑み込まれてしまう前に。

青。
蒼。
碧。

……おっと、うっかり5分くらい眠ってしまった。
どうやら、今時分の僕はうんと頭が回らないらしい。

だって、まだ眠いんだもの。
それに、気持ちいいんだもの。
この、青い空気の中にいるのは。

ナイフで宙を一太刀――そうして空気に傷を付ければ、
その傷痕から、だくだくと青が流れ出るような空気は。

ああ、
こうしてPCを叩いている間にも、青は薄れていく。

空気も、呼吸をする。
人間は空気を吸って呼吸をするが、
空気は粒子を吸って呼吸をする。

粒子とは?
それは、朝の光、昼の熱、夜の闇……。
粒子は、そこら中でちかちかと瞬いている。
粒子は、僕らが常に感じ取っているものだ。
だから、粒子なのだ。
普段は、気付くことは(気付こうとすることは)無いのだから。

まだ6時にもなっていないというのに、もうずいぶん明るい。
しいんと、こそこそと姿をくらませていた湿気が、
ここぞとばかりに、頭をふらふらともたげて現れる。
体を綿毛でじわじわと締め付けられているみたいだ。

「OK,Google.今日の天気は?」
『冴えない空模様です。
 今日のさいたま市の予想最高気温は27°、最低気温は22°です』
……何で、さいたま市?

「……OK,Google.今日の天気は?」
『曇りです。
 今日の○○の予想最高気温は30°、最低気温は26°です』
……わあお、さいたま市よりひどいじゃないか。
さっきのミスは、Googleアシスタント(Android版Siri)なりの慰め?

「ありがとう、慰めてくれて」
『なにがあったかわかりませんが、”今”を乗り越えられれば、
 きっと素敵な未来が待っていると思います』
……いや、うんそうだね。ありがとう。

何があったか、ねえ。
前々から「面接してきました!」っていっていた会社、不採用でした。

通知が来たのは昨日だけど、面接からかれこれ2週間経ってたからねえ。
遅くても〇〇日までには連絡します! という約束はさらっと裏切られて。
こちらこそ願い下げだバカヤロー、ということでもう立ち直っています。

まあ、その〇〇日は精神的に大荒れしたんだけど、
病院にかかるなり、職業訓練でお世話になった先生に連絡するなり、
専門家に相談する、というより話を聴いてもらうことで落ち着いたけど。

だから、その件についてはもういいのだ。
昨日の内に、次のアクションは起こしたのだし。
……なんだか打っている内に、日記の内容が段々現実的になってきたな。
まあ、そんな日もある。

青の残り香を吸い込んで、
今日も僕は、それなりに息をする。

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