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非ビジネス本、「すいません、ほぼ日の経営。」の理想的な拡がり方。

今年、読んでよかった本の話。

というのも、電車の中で、珍しくほぼ日の本の広告を見る機会が増えた。これまで、ほぼ日の特集などで取り上げられたもの、糸井さんが帯を書いている本も含め、ほぼほぼ読んで、手元に置いてあるが、この本ほど広告露出が多いと逆に違和感を感じてしまう。おそらく出版社が日経系の別企業ということもあって、宣伝に力が入れているのだろうと思う。

ぼくは、この本も出てすぐに買って読んだのだが、とてもわかりやすく、平易な言葉で書いてある。糸井さん、ほぼ日乗組員のみなさんがこれまでじっくりと積み上げてきたこと、忘れないように、大切にしてきたことが書いてある。

読んでみて思ったのは、糸井さんの「インターネット的」のように、後年、だいぶ後になって改めて価値を認められる良書になるだろうな…という感想だった。

というのも、すぐに取り入れたり、参考にしてどうなる、こうなるという要素はほとんどなく、いわば「姿勢」の話。しかも、これまでどのような姿勢で社会と向き合ってきたか?に焦点が当たっている。今後、企業や個人がどのように互いの存在を認め合い、手を繋いで歩んでいくか?というテーマについて、「ぼくらはこうしてるよ、あくまで参考までに、ね。たぶん正解はないと思うけど、ね。」というスタンスで伝えている。

爆発的に売れない“方が”いい。

なんか営業妨害みたいでイヤなのだが、この本は先程書いたように、知る人ぞ知る名著として、じわじわと読む人が増えるといいと思う。たぶん放っておいたらそうなる。今のところそんな感じで広がっていると思うのだが、これ以上「話題の経営者による名著」的な広がり方をしてしまうと、期待値をグッと上げ、「インターネット的」の時のように、短期的なノウハウ、利益がないことで、かえってがっかりさせてしまう結果になりかねないんじゃないかと。本当に本当の「老婆心ながら」に思っている。ビジネス書や参考書的な認知のされ方をしないで、まずは株主の人(じぶん含めファンが多い)、ほぼ日のユーザー、ほぼ日を取り巻くコアな人たちから少しずつ手に取られるような一冊になるといいなと願っている。

何事も、文脈やストーリーとして対象をとらえているかどうか、が大事。一般的に広告などで知るには、人には時間がなさすぎるのだ。

大好きな一冊に対する、完全に余計なお世話をかましてしまったが、真心から言おう。

この本は「いい本」だ、と。

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(追記 12/31)

上記の内容、糸井さんがツイッターで拾っていただいたので、下記に置いておきます。


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