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【Episode 4】プロジェクトチーム結成!それにしても時間がないぞ。資金集めもどーしましょ♡

#14

仕事でもプライベートでも「何をするか」はもちろん重要だが、「誰とやるか」はもっと重要だ。少なくとも、わたしにとっては。

「誰とやるか」は結果そのものに影響するだけでなく、結果にたどり着くまでのプロセスにも大きく作用する。

「こみーとあーりんと3人で写真集プロジェクト組んでく感じになりそう!」
まみーごからテンション高めの連絡がきたのは7月22日、怪獣大決戦からちょうど一週間後のことだった。

まみーごの話をまとめるとこうだ。
その日まみーごは、写真集とはまったく違う件でこみーと話す予定があった。
その中で写真集の話題になり、わたしが作った例の計画を、その場でこみーに「送りつけたった!笑笑」らしい。

それを見て、こみーのスイッチが入った。
計画に対して「そしたらここは?ここは?」と、経験に基づく細かい指摘がどんどん出てきた。その結果、一緒にプロジェクトを組むことになりそう…ということだった。

このことはわたしにとって、思ってもみない朗報だった。
こみーが冊子編集の仕事をしていることは、なんとなく知っていた。今後写真集の製作を進める中で、何らかの形で力を貸してもらうかもしれない、とは思っていた。
全面的に一緒にチームで動いてもらえるのはありがたい。

さらにこみーは、冊子関連だけでなく、クラファンの経験もあるとのこと。
どちらも経験がないわたしにとっては、頼もしい限りだ。

同じ日の夜、こみーからも「ぼくも写真集の製作に関わるかもです!」と連絡があった。

「計画すごくてビックリした!冊子作る関連、クラファン関連なら、お力になれればいいなと思っております」

なんて心強い言葉だろう。
計画屋さん冥利に尽きる思いだ。

ところでこみーとは近々会って、印刷ミスのエッセイを受け取る予定で話を進めていた。しかしその後、コロナの拡大状況を懸念し、神奈川への旅行自体を一旦取りやめると連絡を受けていた。
エッセイは郵送でと話していた矢先、写真集チームへの参加が決まったため、いつか打ち合わせの折に直接受け渡しをしよう、ということになった。

さて、まみーごによって早速3人のメッセンジャーグループが立ち上げられ、5日後の7月27日にキックオフミーティングを行うことに決まった。

こみーの当時のエレコ属性は「地水」だ。わたしと同じで、地の性質がもっとも強い。
地属性を表すキーワードには「計画的」「整理する」などがある。

ミーティングの日程が決まるとこみーは
「27日に決めたいことととか事前に調べることとかありますかー?」
と投げかけてくれた。

わたしはこみーに、印刷会社やクラファンの媒体はどこが良さそうか、情報をまとめておいてほしいとお願いした。一方、自分はプロモーションや販売方法を調査すると伝えた。

まみーごには特に何もお願いしなかった。笑
彼女のエレコ属性は「水風」、その瞬間に感じている気持ちを放出し、人を巻き込むのがこの属性の本懐だ。
「とりあえず3人で話しましょー!」とミーティングを呼びかけたことで、彼女は自分の役目を十分すぎるくらいに果たしていた。

#15

7月27日、水曜日。
3人での初めてのミーティングの日。

早速こみーが自分の経験や知識をもとに、写真集のサイズやページ数、紙質などの具体的な提案をしてくれた。

ひとえに写真集と言っても、サイズによって受け手に与える印象が随分変わる。同時に、相性の良い中身のレイアウトも異なる。
ほとんど写真のみで文字は最低限なのか。
ロングインタビューなど、文字中心のパートも作るのか。

こみーの提案を聞きながら、自分は冊子製作の経験がないばかりか、そもそも写真集というもの自体に馴染みがなかったなと今更ながら気が付いた。
そんな状況で、どうやって写真集を作ろうとしていたのだろう。
まったく無知とは恐ろしい。

続いてクラファンの話をした。
…というより、こみーの説明をひたすら聞いた。(ありがたい)

専用のプラットフォームでクラファンを立ち上げる場合、支援受付開始までの準備にかなりの労力を要する。募集開始後も、目標金額に対してどの程度集まったのか等を定期的に支援者に見せていくのがセオリーだ。そのうえで、支援いただいたお金はすぐに引き出せるわけではなく、手元に届くまで数か月を要する…とのこと。

わたしはというと、「クラファン」イコール「こんなことを実現したいので支援してください!と呼びかけること」程度の認識しかなかった。
まったく無知とは恐ろしい。(2回目)

そしてもうひとつ、こみーは重要な議題を提示してくれた。
今後3人でプロジェクトを進めるにあたっての業務提携の仕組みと、それに伴う金銭のやり取りに関することだ。

3人の間で、誰が誰のどんな業務に対し、いくらの対価を支払うのか。
販売収益が出た場合は分配するのかどうか。
分配するなら、どういう割合か。
そうした部分を最初に決めて業務提携契約書を締結し、その後スムーズに動ける状態にしようと、こみーは口火を切って提案してくれた。

この写真集自体が思いつきに端を発しているということと、わたし自身、個人として業務委託の経験がなかったことから、まみーごとこのあたりの話をしていなかった。

わたしは例のごとく「業務委託契約書 ひな形」と検索し、使えそうなテンプレートを探した。それをもとに必要な部分を加筆修正し、後日3人で内容を確認することになった。

いやあ、恐ろしい。なんとも恐ろしい。
本当にわたしは、何も知らずに計画を立てるだけ立てて、一体どうやって写真集を作る気でいたのだろう。

そう思わずにいられない反面、「無責任にも計画を立てたから、こみーのような経験者が力を貸してくれることになった」のもまた事実だ。

なんにしても、本格的に動き出した。
以前よりもぐっと、写真集の完成が見えてきた。

しかし、そうは言っても課題は山積みだ。
写真集のサイズに様々な選択肢があると分かったところで、果たしてどれを選択するのか。
それに、写真集のリリース予定日は10月10日。
時間が限られている中、どうやって資金を集めるのか。

これらを決める重要なカギは、写真集の方向性だ。
今回の写真集のコンセプトは何なのか。
それから写真集のターゲット、言い換えれば「誰のための写真集なのか」。

まみーごに話を聞いてみると、「自分のための写真集」以上のものが現段階では出てこない、もう少し考えてみるとのことだった。

資金に関しては、Facebook上などで寄付を募る、いわば簡易クラファンのような方法で集めるのはどうかとこみーから提案された。

「そんな感じでどうかな、まみーご?」とこみーが言いかけた瞬間、
まみーごが突然ZOOMの画面からいなくなった。

#16

「ごめんタイムリミットだったぁぁ!時間つくってくれてありがとう!!」

すぐさままみーごからメッセージが届いた。
もともと職場の昼休みの時間を利用してミーティングに参加しており、どうやらそのタイミングで昼休みが終わったらしい。

残されたこみーとわたしは、「さすがまみーご」と言わんばかりに、画面越しに顔を見合わせた。

この時点でミーティングをお開きにしてもよかったのだが、2人とも次の予定がなかったこともあり、もう少し話を続けることにした。
ミーティング中のまみーごの発言をもとに、どんなコンセプトが浮かび上がってくるか、また、それを表現するのに最適な冊子のサイズやページ数、写真の内容などを話し合った。

その日のミーティング議事録の末尾に、
「こみーとあーりんから、まみーごへの提案」
という項目を作り、2人で話した内容をまとめた。
それをベースにまみーごが再考し、8月2日に行われる2回目のミーティングで詳細を詰めることになった。

振り返ってみると、このときの提案内容を出発点として、写真集の方向性を少しずつ見つけ出してきたように思う。

こみーとわたしからの提案や問いに対し、まみーごが自分自身と向き合って答えを探る。
その過程で、まみーごの中に新たに出てきた想いを3人でまた共有し、それに対してこみーとわたしがまた別の視点から問いを投げかけ、彼女の言葉を引き出す。これを繰り返してきた。

その全貌は、写真集そのものの内容に深く関わってくるため、わたしの口から明かすことは控えることにする。

今回の写真集製作プロセスの後半、こみーがまみーごに密着取材を敢行した。その際に、彼女の口から語られた内容が「ライター」こみーの視点から書かれたインタビューパートがある。

そこにはきっと、それまで経てきた製作プロセスであったり、このメンバーでチームを組んできたからこその彼女の想いが存分に表現されていることだと思う。

写真集を手に取ってくださる方においては、このあたりも見どころとして楽しみにしていただければ幸いである。

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