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農ある暮らしにはお金で測れない豊さがある【味菜便り】

こんにちは。味菜自然村です。
先日、恥ずかしながら十年来更新できていなかった味菜自然村のHPをリニューアルしたことで、これまでアナログ1本できた味菜自然村へもついにハイテクの波が押し寄せています。メール配信システムを導入しての会員登録やら、Googleフォームの利用やら、電子決済やら!何か、やったことのない作業にいちいち四苦八苦の時間が費やされ、テンヤワンヤの毎日です。このnoteを始めたことも、実はHP上のお知らせ機能の埋込みとしてHP制作会社さんからのご提案でした。
それで、これまで、味菜自然豚共同購入の個人会員さん(登録はこちら)へ2ヶ月おきの受注のタイミングにお送りしていたWord仕込みの味菜便りも、こちらのnoteで投稿して読んでもらうことにしました。
これまでの形に慣れ親しんでくれていた会員さんはどんな風に感じられるだろう。。。まぁ、会員さんの反応を見つつ、味菜自然村も試行錯誤しながらちょっとずつ現代の波に乗れるよう進化していこうと思います。

ということで、今回の「味菜便り」 始まります。

※味菜便りとは
 この2ヶ月の間に味菜自然村に起こったことや、感じたこと、子供のことなど、味菜自然豚共同購入の会員さんへ向けて綴ったお便りです。

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味菜便り                                  2022年9月20日
 
九月に入り、朝、晩が多少涼しくなりましたが、まだまだ残暑が厳しい毎日です。周りを見ると彼岸花が咲いたり、どんぐりの実が大きくなってきていたり、少しずつ秋に近づいているように思えます。これから寒暖の差が激しくなったり、台風シーズンに突入したりと体調面はもちろん、環境の変化に注意しないといけない季節ですね。
体調といえば、この夏、とうとうコロナウイルスが我が家にやってきました。保育園で増えてきだしたので3日間休園しますという通達を受け取った直後、妻が熱をだし、次の日に息子が熱を出しました。ここまでなら娘も私も元気ですし、まだ息子もおっぱいを飲んでいるということもあり、風邪がうつったかなくらいであまり気にしていませんでしたが、息子が熱を出して、翌日の夕方に娘が熱を出し、ちょっとヤバいかもと思い始め、その日、私は味菜自然村の農場に泊ったのですが、時すでに遅し。翌日には私も熱をだしてしまいました。病院で検査をしてもらうと、陽性反応がでて、10日間の自宅謹慎。といいましても私はぶーちゃんの餌やりがありますので、自宅と農場の往復は認められて、餌つくりや餌やりなどは毎日こなしました。40度の高熱に加えて、毎日の真夏の暑さ、1週間ほど食欲も出ずに初日、二日目は何も食べれず、三日目くらいからバナナ一本を無理やり食べるという毎日でした。熱を出して倒れるみたいなシーンはドラマや漫画の世界かと思っていましたが、実際にあり得るということを実感しました。この10日間で数キロ痩せましたし、普段は断食とかしようとも思わないので、デトックスできたし、抗体もできたかなと思えば私の健康的によかったと思います。
あと、この10日間はブーちゃんのえさとなる食品残渣を病院などから集めて回れませんでしたので、この10日間はそちらで処理をお願いしますと電話して、10日後に回収を始めると、一人の栄養士さんが「毎日残飯を回収してくれる林さんのありがたさを改めて実感した」と言ってくださり、私のやっていることが環境のためや豚のため、人間の健康のため以外にも地域のためにも役立っているのかなと思うとすごく嬉しかったです。トータルするとコロナに感染して結果オーライかな。

 
今年の夏は梅雨が無く、7月から灼熱のような毎日で、8月になると雨の日が続き、蒸し暑い毎日となり、仕事をするにもかなり辛い夏でした。雨が多いせいで草刈りをしてもしても追いつかず、土地を守るのも大変だなと改めて実感しました。味菜自然村のある集落もまた限界集落でお年寄りの方が多いのですが、地域の草刈りに参加して、皆さんの話を聞いていると、皆さんだんだんと自分の土地を守っていくのも難しくなっているようで、お米を作る面積もだんだん少なくしていっているようです。
熊、鹿、猪、猿などいろんな動物が都市部に出現してニュースになっていますが、中山間地を守る人たちがどんどんいなくなったり、できなくなったりしているからじゃないかなぁなんて思います。土地を守れず、荒れていけば、動物の住みかとなります。このお便りを書いている前の日のこと。いつものように草刈りをしていると、前の草の茂みの中からオオスズメバチが大量にでてきて、慌てて逃げだしました。いつもはそんなところに巣を作るはずもないのですが、しばらく草刈りをしていなかったからかもしれません。放置をすれば、草が生い茂り、虫たちが寄って来て、小鳥や小動物が寄って来て住処を作り、こうやって土地は自然に還っていくのかもしれませんね。
田舎暮らしといえばテレビの「人生の楽園」みたいのを想像すると思いますが、あんな楽しい世界だけではなく、現実には土地を守る大変さがあります。農業は作物を育てて収穫するだけが仕事ではないですし、儲からないし、大変というイメージが強すぎますが、私の場合は豚ですが、動物を飼い、農作業をし、自然を肌で感じ取る生活はやってみないとわからない楽しさや達成感があると思います。
もちろん、収入も必要ですが、それでは計れない心の豊かさがあるように思えます。
そういうことを伝えていけるような場所をつくっていけないか真剣にいま考えています。
みんなで味菜自然村を守っていける形が何かできないかなぁ…。

最後に恒例の子供の話です。
娘は6月頃からピアノを習い始めました。私の勝手な女の子のイメージでピアノを習わせたいと娘が赤ちゃんの時は思っていましたが、娘は体を動かすのが好きで、ピアノには縁がないかなと思っていました。しかし、家の近くにピアノ教室があり、妻が「ピアノ教室行きたい?」と聞くと即答で「行きたい!」と返事したようで、それから毎週土曜日はピアノを習いに行っています。そしてなんと12月にはもう発表会があるとのこと。ピアノ教室のところでやるのかなと思っていましたが、なんとアルカス佐世保という大きなイベントホールで。どんな発表会だろうとドキドキです。大きなイベントホールですが、施設の使用料とかあるのかないのか。ある日突然、発表会を開催するのにこれだけ必要ですと請求されたら…とかそんなドキドキも。「発表会にはかっこいい服で来てね」という娘で、恥ずかしがり屋の本人が発表会に前向きなのはとてもいいこと。いい経験になってくれればいいのかな。
息子の壱信は何をするにも全力です。いいことなのですが、私が仕事から帰ると「パパが帰ってきた!」と大喜び。それはとても嬉しいのですが、声のボリュームが…。最近は私が帰るのは9時前後とちょっと遅いのですが、その時間にテンションマックスになってあんな大声出さないで欲しいなぁ。毎日そう伝えていますが、なかなかなおらず。嬉しいけどね。
棒を拾って、剣みたいにするのが好きで、毎日帰ると玄関に数本の棒が置いてあります。散歩をすれば、すぐに棒を拾い、ズボンにさしたりして、これは娘にはなかったことだねと妻と話をしたり、二人の似ている部分や違う部分を話すのも楽しく、幸せだなと感じます。
                      味菜自然村 林拓生

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