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浄化の夜

猛烈に眠すぎるし寒すぎるが日記を書きたい。

今日は昼に基本情報技術者の試験を受けた。試験時間3時間超え。早く終わらせてやると思ったが案外時間が秒で過ぎていった。最後はもう結構疲れて投げやりだった。CBTなので、試験終了ボタンをクリックした瞬間にパッと点数が表示される。合格点は超えていて安心したが、コンピュータによる採点はなんともあっけない。いや本当にあっけない。

ちなみに今回の試験は、私の短かすぎる会社員時代にお金を払って申し込んでしまっていたため仕方なく受けたもので、最低限合格出来ればOKだった。だから何のためでもなくゲーム感覚で勉強してきたつもりだったが、この試験を何かしらの保険と意識して気を張る自分もいた。真面目に勉強することで、まだ確実なレールの上を走っていた時の気持ちに戻れるような気がした。でも結果、今の自分はどこにいるのか分からない感じに襲われていた。不安定で歪な形の雲の中に居るような感じがあった。前の会社にいた頃の思い出と後悔もまた少し湧き上がっていた。

…ところがどっこい、試験終了をクリックした瞬間の秒速点数表示によって私の過去へのちょっとの未練は不思議とパーッと散ったのである。はい、終わった、もう終わり〜、そんな気分だった。

試験後、そそくさと足はライブ会場へ向かう。そう、私は賢いので試験の後にライブというスケジュールを組んでいた。自分を喜ばせる天才。

訪れたのは池袋にある自由学園明日館。私の大好きな藤原さくらと優河さん、という女性アーティスト2人組のコンサートだ。割と最近出来たユニット。私は優河さんのことはあまりよく知らなかったが、このユニットが結成されたことをきっかけに少しだけ聴いていた。聞き心地が良いなぁくらいの感覚だったが、今日の生歌を聞いたら衝撃を受けた。2人とも、なんだか人格のある楽器のようだった。2人の声の相性、そしてギターとのマッチがすごい。生の優河さんは始めて聴いたが、音源では感じ取れなかった声の響きとセンスがバシバシ届いた。また生で聴きたいと思った。

そして、2人の演奏と歌声は、総じて清らかで優しい癒しの音色なのだが、それ以上に凄まじいパワーがあった。私の中の何かが溶かされ、流されていった。終盤、「サヨナラCOLOR」という私の知らなかった曲のカバーを2人が歌ってる時には涙がポロポロ流れていた。完全に自意識過剰だが、今の自分に向けて歌われているようだった。コンサート中、たまにさくらちゃんと目が合ってるような気がして(「気」にすぎない)、胸が熱くなった。そしてアンコールが終わる頃には、新たなエネルギーが沸いてきていた。

最近私の中では、感情が停滞というか、もやもやや不安をちゃんと認識できずに自分の中に積もらせて固まらせてしまっている感覚があった。日々色々を気に病んで、気持ちがなかなか晴れないことも多かった。そんな私の中の凝り固まったものは今日の2人のハーモニーのシャワーによってほぐされ、綺麗な涙として流れたのだ。ああ浄化されてる、と自分で認識できるくらい浄化された。

素晴らしい選曲と素晴らしい生演奏。柔らかでゆったりとしっとりと、でもしっかりとした空気感。会場も落ち着く空間で相乗効果が凄かったなと思う。会場には、ぽわんとしたお月様のような可愛らしい備え付けのライトが吊るされていて、それが2人の歌う曲とも、今日の月ともマッチしていた。

会場の外は激寒だったけど、ほぼ満月のお月様と音楽の余韻のおかげで私の心は温かいままで帰路につくことができた。

というわけで、今日は終わり良しの素晴らしき1日でした。

とりあえず何気に気にかかっていた試験も終わったし、長編の創作にも向き合って取り掛かっていきたいな。自分のペースで。

おやすみなさい。

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