とある病気に罹患した時の話【1】

【前編はこちら】
とある病気に罹患した時の話【序章】

貴方の心は壊れていますというのは分かった。その直後、心だけじゃなくて何もかもが壊れてしまうというのを直感的に感じた。理屈じゃなくて直感だ。何だか分からないけどこのままでは終わってしまう。そう直感的に感じた事は今でも覚えている。

この状況に歯止めを掛けるためには行動するしかない。病院に行く事をお勧めとあったので精神医療をやっている病院に行く事だ。早速近くの病院をいくつかピックアップした。病院のホームページを見るとどれもこれも初診の人は電話予約が必要と書いてある。なるほど。病院に行くには電話しなきゃいけないんだね。

はい積んだ。あのですね。会社に電話するのも相当な力を振り絞ってやったのよ?そんな状態で病院に何件も電話する?無理無理。

余所に電話するなんて事、これを読んでいる皆さんも1度はやった事がありますよね。生きているうちにこうした事はよくある事。そんなよくある事も実行する事が出来ない。電話するのが嫌だとか億劫だとかそういう次元じゃない。行動を起こせない。

とはいうものの、ここで行動を起こさないと自分の人生が閉じられてしまうかもしれない。とこれまた気合を入れて、一番自宅から近かった病院に電話を掛けた。電話に出た事務の人に現状を話せるだけ話した。ところがだ。初診予約がいっぱいで次の受付は2週間後とか言われるのよ。

もうね。参った。こちとら死ぬ気で電話掛けてんのに。いや病院にも都合があるのは分かる。基本的にああいった所は予約診療で時間枠がみっちり埋まっていると飛び込みで入る隙間もない。分かる。分かるんだ。分かるんだけどその時の自分にとって受け入れられないという事実=絶望でしかない。

1件目が断られ、2件目3件目とまた電話を掛けて行くんだけど言われる事は全く同じ。絶望感は増すばかり。神は死んだ。俺もそのうち。そんな事まで思い始めていていよいよだなって中で掛けた1本の電話。今の主治医がいる病院だ。またダメだろうと思いつつも話をして行くと意外な?答えが返って来た。

今日の夕方なら空いてます。来られそうですか?

神はいた。

続く。

とある病気に罹患した時の話【2】

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