とある病気に罹患した時の話【6】

【前編はこちら】
とある病気に罹患した時の話【5】

休職中も会社からの連絡は逐一入った。連絡と言っても事務連絡だけじゃない。普通に業務の話も来たりする。まぁそりゃそうだ。休職は突然の事でいきなり仕事に穴を空けたんだ。空いた所の埋め合わせは他の人間がやんなきゃならない。でも穴を何で埋めたら良いのか分からない。穴が空いたらどうする?土を埋めればいい?コンクリートを流す?埋めちゃダメ?どうすりゃいいんだっけ?この工事を進めていたのあいつだから聞かないと分かんねぇな。っていうのは至極当然だったわけだが、習慣付いた事すらまともに出来ないのに仕事の事になんて果たして対応が出来たのか。

答えはYesだった。自分のせいで仕事に穴を空けてしまった事に対して。そしてそれを埋めてくれる人達に申し訳ない気持ちが大きかったので連絡が来た時はリアルタイムに応答するように努めた。その事が回復が遅くなった原因の1つになったって事は後で知ったんだけど、まぁ相当キツかった。今でもどんな問合せ貰ってどう応答したかなんて全く記憶にない。Yes/Noで済むような話だったとしても対応終わった後に全く動けなくなっていたので無理してたんだろうなと思う。

対応が終わってもまた次の対応が入らないとも限らない。次はどんな連絡が来るんだろうか。いつ連絡が来るんだろうか。会社からの来るかも来ないかもしれない連絡に日々神経を使っていたような気がする。考えても仕方ない事なのに。寝る事や他の事をする事で忘れる事は出来るのかもしれないがそういった事がまともに出来ない状態ではあったので逃げ道もなかった。その事が更に状況を悪化させていたのかもしれない。負のスパイラルとは正にこの事だ。

そんな状態だったので所謂趣味の世界からは一切遠ざかった。あれだけ好きだったプロレスも楽しんで観られない。VAPEもいくら吸っても味がしない。バイクを乗るなんてとんでもない。

新日本プロレスワールド(※新日本プロレスが提供する有料のインターネット放送局/試合のライブ配信等をしているサイト)に課金をしていたのだが退会してしまった。VAPEも吸う事を辞めた。バイクなんて論外。

食事に関してもそうだ。個人的に食を楽しむ事も好きだったのが某チェーン店で食事した後に全部戻してしまった。それ以降食べるという行為そのものが怖くなってしまった。

自分が病気だと自覚してしまったからこうなったのか、これまでが無理してやっていた事なのか。今ではもう分からないけど何度も言うように当時本当に地獄だった事だけはしっかり覚えている。

続く。

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