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備忘録:CL横浜2023

長い長い2022シリーズが終わり、ついに2023シリーズが始まった。
さらなるプレイヤー人口爆発によるCL及びシティリーグ等のシステムの改変を期待していたが、それらに関しては現状リザーバー応募の導入を仄めかしたこと、後は無理やり大型大会の参加枠を大幅に増やすという物理技の敢行だった。
3200人と今までの倍近くの参加枠に応募する周りの人は心躍らせていたように見えたが、蓋を開けてみれば落選落選落選の嵐。自分の周りで当選した方は数えるほどしかいなかった。
幸い自分には優先枠があったが、前回のように調整メンバー3人が全員参加という奇跡が2度連続で起きるはずもなかった。(それでも練習に付き合ってくれたいつメンの2人には感謝するばかりである)

練習方針

前回同様、3人で環境に存在するデッキを役割分担しつつ新弾「白熱のアルカナ」で強化されそうなデッキを作成することになった。その中で候補を見つけ出し個人の適正に沿うような選択を行う。
中期間現行レギュの大型大会がない上、新弾発売から日が浅い都合上、デッキ勝ちできる可能性は十分にあると踏んで臨んだ。



・環境考察



1.パルキアVstar・ギラティナVstarの優位性

現環境のTier1といえば裏工作パルキアVstar・ギラティナVstarの2デッキであることはいうまでもないだろう。
この2デッキで共通しているのは以下の通り
・メインアタッカーだけでなく非Vのアタッカーが優秀
・後手番であるメリットが存在する
・ツツジ+αの捲りプランが存在する
・メインアタッカーのダメージラインがVstarワンパン可能ラインである
そしてこれらのうち上3要素はそれぞれで相関がある。後手番を強くしているのはメッソンやウッウといった非Vの存在であり、非Vのアタッカーを有効に利用することで相手の残りサイドが3になりツツジからの動きをより強くすることができる。また、こちらの残りサイドが3になり相手のツツジを有効にさせないようにすることも容易にできる。ツツジ+αの存在は後手番の強い動きとの重ね掛けにより後手番のゲームの勝率を後押ししている。
ありていに言えば勝ち筋が多い。長いターンにかけて先行している相手に食らいついていけるため相手が事故で躓き逆転する機会を得られやすいし、こちらの勝ち筋が多ければ練度が足りない相手はその内の幾つかに気づかず(或いはケアしきれずに)ミスをしてしまう。

一見上記2デッキに有利に立ち回れるデッキはこれらの要素に抗う要素を持っているのか、再考する必要がある。

・Tier2以下のデッキの考察
Tier2以下デッキの考察において考慮する項目は以下のとおりである。
・Tier1の2デッキに有利か、或いはそれらに並ぶデッキパワーを持つか
・直近の非公認大会等でどれだけ目立っているか
・メタられやすさ
・CLで完走できると自負できるほど安定感があるか

・ヒスイゾロアークVstar
Vガードエネルギーの獲得によりV相手にワンパンされづらくなった。ギラティナと違い序盤から打点が出せるためV同士での殴り合いでは一番優秀である。セレナの存在もデッキパワーを底上げしていると感じる。現在はエネルギーの種類を軸に様々なタイプが存在するが、自由枠を安定感を上げるカードに割いた基本エネ無しのタイプと苦手な非V系統に刺さるエンペルトVを採用できる基本水エネ採用のタイプの2種が主となると考える。
どちらのタイプにしても安定感や不利対面が改善されているとはいえず、使う側としては不安と隣り合わせである。一方で対策を考える側としてはこの2種に共通して対策する方法が限られており非常にやっかいである(たとえばミルタンクやイベルタルなどのテックパーツ、レジやLTB等のデッキ単位で対策しようとすると水エネ採用のタイプの存在が邪魔である。しかし、水エネ採用のタイプは安定感にかなり懸念が残る。特にダブルターボエネルギーが減っている点は、毎ターンの手張り要求が発生し、それが前述のツツジ+αによる捲りの機会を与えてしまう。)
総じて、安定感の無さゆえに有利対面を取りこぼす可能性と不利な非V対面と当たる可能性から逃れることができないため使用デッキとするのはかなり厳しいという感想である。
なお、直近ではやたらSNSでの露出が多い点が気になる。実際のところは測りかねるが、シェアが多いにせよ少ないせよ今大会の焦点の一つには変わらないだろう。

・レジ
LTBに有利がとれる高タフネスな非Vであること、レジエレキの存在からパルキアと十分に戦えること、りゅうのひほうに加えてギフトエネルギーの獲得によりツツジに対する耐性を強めた点が魅力的である。
CLでも完走しきれるほどの安定感があるのは前大会において証明されており個人的には積極的に使用したいデッキではある。
懸念点は対策されやすさである。セイボリーや崩れたスタジアムといった採用率が低くないカードはもちろん、意識されればそれらのカードの採用率が上がるだけでなくさらにシンオウ神殿やロストシティ、コオリッポ等が採用され致命的である。直近で割と結果が出ている部類であるためどれだけ意識されてしまうかがポイントである。

・裏工作アルセウス
パルキアに対してはワンパンを避けてからのチェレンの気配りでサイドレースを有利に立てることと、裏工作とスターバースの安定感から一定数シェアのあったデッキだったが、ギラティナが登場し耐久しながら戦うことが困難になりやや減少していたデッキである。
ヒスイゾロアークの登場によりさらに厳しさを感じるが、同様にVガードエネルギーの獲得により耐久できる幅が広がった。
ヒスイゾロアークと違い、Vガードエネルギーを多く入れることも引きやすくすることも難しいため機能しづらくワンパンされてしまうとずるずる押されてしまう点とギラティナVstarのスターレクイエムはビッグパラソル等の汎用性の低いメタカードを使わないといけない点が改善しづらい点である。
総じて使用率は伸び悩みそうだと予想した。
派生形としてリファインが登場し強化されたサーナイトラインを採用したタイプも存在する。

・ミュウVmax
Vガードエネルギーで耐久力を上げ殴り合いの性能が向上したこと、ロストスイーパーの登場により妨害に強くなり、ロストシティにより一部の非V対面を詰ませることが容易になったデッキタイプ。
元々のデッキパワーが十分なこともあり下馬評もかなり高めな印象を受ける。プレイ難度も基本的には難しくないため、DAY1には一定数いるのではないかと考える。
懸念点はレジ同様にメタられやすさにある。どれだけのデッキがミュウを強く意識してドラピオンVを採用するかという点に尽きる。対策カードを積みやすくなったとはいえ雪道多投するデッキにも苦戦は強いられる。
また、フュージョンエネルギー不採用の型などの登場もある。

キュレムVmax
VstarをワンパンしやすいVmaxであり、水特有の取り巻きのカードが優秀であるが故に安定感も十分ある点が魅力。スターレクイエムに対してもウオッシュ水エネルギーで対策可能である。
懸念点は対非Vの要素がエンペルトVと輝ゲコのみという点である。どちらも警戒されやすくそれらが突破されると途端に崩れてしまう。
また技でエネをトラッシュする都合上、盤面にアタッカーを残すことが難しく雪道ツツジに対して脆くなりがちな点も気になる。
直近で結果を出しているようには見えないがポテンシャルは十二分にあると考えられる。

ディアルガVstar
器用かつ高火力も見込めるメタルブラスト、スタークロノスによる盤面制圧力が魅力的なデッキタイプである。Vstarがワンパンされない相手には有利に戦えていたが、ギラティナVstarとヒスイゾロアークVstarの台頭が非常に苦しい。
弱点の突かれにくさとスタークロノスの存在から非V系統にも五分以上あったが輝リザの登場によりLTB等の苦手な対面が増加。Vガードエネルギーで確定数が変わる点もあり環境に適していない。シェアもほとんどないように思える。

LTB
ウッウ・ヤミラミの優秀な非V2種を軸に据えた非Vデッキ。後手1から殴れる点やツツジ+ロストマインの捲り性能に加え、自由枠の選択幅の広さが魅力的である。輝ゲコ+コオリッポ+カイオーガの水採用型、輝リザ採用の炎採用型、ライコウVやゼラオラを採用した雷型等、非常に多岐に渡る。ネジキ+ヤドランのギミックを採用したものも存在する。
ロストギミックに大きく依存しているため、エンペルトV等の特性ロックが厳しい点やアクロマの実験を引くかどうかで動きが大きく変わること、レジに明確に不利な点が懸念点ではあるものの、比較的広い範囲に対応できるデッキであり、一定数のシェアがあると予想する。

・アルセウスVstar+V系統
世界大会も制したデッキタイプ。現在はギラティナVstarを相方にしたものがほとんどであり、ミュウツーVunionやピカチュウVmaxを相方にしたものが点在する状態である。
アルセウスギラティナはVstar同士の殴り合いに秀でている点と比較的多い自由枠に妨害カードを積むことで非V系統にも抗える点が優秀であるが、ヒスイゾロアークの台頭が向かい風である。また、環境のVstarが280のダメージラインを意識するため妨害カードが通らなかった際に殴り合いに勝てなくなる可能性が大きくなるためやや環境に適していない印象を受ける。
ミュウツーVunionは効率的なサイドレースを強いれることとミュウツーVunionが環境に刺さっている点が優秀だが、ミュウツーVunionの集まりづらさが何よりも懸念される点である。
ピカチュウVmaxは依然立ち位置は良さげだが、ギラティナやヒスイゾロアークの存在が非常に苦しい。

JCS環境で一定シェアを占めたアルセウスジュラルドン、裏工作インテ、ハピナスのような「パルキアに対して打点を抑え耐久しながら殴り勝てるよう設計されたデッキ」がギラティナの台頭で一気に数を減らした。さらにVガードエネルギーの登場によりヒスイゾロアークVstarが強化されコントロールチックなデッキはさらに立ち位置が悪くなる。耐久デッキが隅に追いやられたことでレジやミュウ等のデッキが立ち位置を良くしている。パルキアは相変わらず全デッキに意識されてはいるが、パルキアに有利なデッキが減少傾向であるため変わらずトップシェアを維持しているだろう。

Tier予想
1…パルキア裏工作、ギラティナ
1.5…ミュウ、レジ、アルセウスギラティナ
2…LTB、裏工作アルセ、キュレム、ヒスイゾロアーク
3…その他

ヒスイゾロアークのシェアが全く予想出来ないうえ、参加者がヒスイゾロアークをどのように評価するか測りかねているため、このTier予想はかなり自信がない。デッキパワーが高く立ち位置の良いミュウ・レジとやることがシンプルで扱いやすいアルセウスギラティナは他に比べ一段と数多くいると予想した。
ヒスイゾロアークは前述の通り、懸念点が多く検討はするものの採用に至る参加者はそこまで多くないと予想した。

使用デッキに求める条件
・先後の差が小さい
・ツツジ+αの存在
・ツツジ+αに対する耐性
・DAY1抜けられる程度の安定感
・プレイ難度が高すぎない
・あまりメタられてない・メタに対するある程度の耐性

現環境で安定して結果を残すための選択肢として、上3要素の存在を特に強く意識した。後手番取ったり多少事故っても捲って勝てる選択肢が欲しい。
こう言ってはなんだが3200人いる中で優先権持ちは250人。自身のプレイングに特段自信がある訳ではないが、相手がミスする場面が増えるような選択をしてもいいんじゃないだろうかと考えた。

候補に上がったデッキは以下の4つ
・パルキア
・レジ
・裏工作アルセ(アルセサナ)
・連撃ウーラ

パルキアは言わずもがな、安定感やツツジ雪道の粘り強さ、メタに応じた器用なリスト変更も可能な王道。個人的な懸念としてはプレイング難度である(前回PJCS記事でも言ってた)が、調整メンバーから「別にプレイング終わって無さそうだし」という心強い(?)お言葉を頂いたのでDAY1はパルキアを選択。

レジは立ち位置の良さに加えてギフトエネルギーによるツツジ耐性の高さを評価していたが、ロストシティとコオリッポの存在がちらつく。

裏工作アルセはVガードエネルギーで強化はされており、序盤の雪道マリィ、中盤のチェレンの気配り、終盤の雪道ツツジと多少の遅れなら巻き返せる場面が多いため候補のうちの一つだった。後手番での強い動きがほとんど無く、なんだかんだでギラティナやヒスイゾロアークに押し負けることもあると考えるとパルキアの方が使いたいデッキだった。

連撃ウーラオスは当初ターボチックなものを考えており、マナフィを無理やり倒してキョダイランゲキすることで多方面に勝ち筋があること、一度に大量にサイドを取れるためツツジを有効に使わせないことと何よりクチートが採用できるということで候補筆頭であったが、パルキアに全く勝てず泣く泣くお流れとなった。

色々なデッキの可能性を考え、諦めてを繰り返してパルキアを使おうと決めたのは大会がある週の月曜日。元々使い続けているわけではなく練度には不安しかなかったが、無理やりパルキアを練習して当日を迎えることが最善だとこれまでの時間を踏まえて結論づけた。


使用デッキ

CL横浜ak使用構築

どっかで見たことがある方は多いかもしれません。ほぼ同じです。

一枚だけ変えたのはマリィで、元々入っていたカードが扱いづらいカードだと考えたことと初動となるカードを増やしたいと考えた。手札をためるデッキが環境に多く、ツツジが打てないタイミングでも手札干渉を行いたい為マリィを採用。

崩れたスタジアム+クロバットVのパッケージを採用したパルキアを元々は使っており、どうにかしていいとこ取りをしようと考えたがうまく纏まるビジョンが浮かばなかった。

常から思っていることだが、自分は与えられたリストを最大限上手く回そうとするあまりリストに手を加えることを躊躇する嫌いがある。今回は時間もなく練度を上げた方が良いという判断で深くは考えなかったが、次回以降は構築力を上げる努力ができたらなと思う。


マッチング

予選1 ミュウ先○
予選2 キュレム先○
予選3 水入りヒスイゾロアーク先○
予選4 アルセウスギラティナ後○
予選5 ハピナスミルタンク後×
予選6 レジ後○
予選7 アルセウスギラティナ先○
予選8 アルセウスギラティナ先○
予選9 ロトム後×

7-2 Bグループ36位通過

なんか勝ってしまった。

序盤3試合に関してはじゃんけん勝ってマリガンもらってそこからさらにvipパスきたり相手がクロバットスタートだったりとなんかめちゃくちゃな上振れ来てたため逆に怖かった。
そこからはそんな上振れはこなかったが相手が事故るパターンがちょこちょこあり、全体的に運がいいなあと思いながら試合していた。
負けた相手はどちらもかなり不利だったため残りの試合を勝てて本当に良かったの一言に尽きる。
day2のデッキも考えてないわけではなかったが全然まとまってなかったため色々考えたが、台風のの影響でやらないといけないことが多すぎて「デッキそのままで寝た方が良い!」という結論になり、60枚そのままでday2に臨むことにした。

本戦1 白馬パルキア裏工作先○
本戦2 レジ先×
本戦3 ドガス入フュージョン後×
本戦4 フュージョン先○
本戦5 超炎LTB(サトシさん)先○

3-2、通算10-4 95位

負けた試合は事故気味のところから復帰したがあと一歩届かずといった感じの試合で惜しかったがやりきったと感じるday2だった。

対戦した方々が皆さんとても良い方達で、初めて参加された方々、世界経験のある猛者、様々な方々と対戦したがどのゲームも本当に面白かった。

特に最終戦は同じ福岡勢でありポケカを始めてから尊敬していた方であったため、あのような場で対戦できることが本当に感慨深かった。次はより高い場所で手合わせできるよう精進したいと思った。


反省

色々なデッキを試し候補から消えていく中で、「この環境は練度重視だったか」と後悔しながら特大ビハインドを抱えたパルキアで臨んだが、蓋を開けてみれば相変わらずパルキアは多いものの目新しいデッキも多く「デッキ勝ちができる環境」だったことが浮き彫りになった。

前回と言ってることが変わらないが、「デッキ構築力が足りない」に尽きる。

それだけだと反省もクソもないので頑張って言語化するが、振り返ると「ツツジを打ち捲れること」と「ツツジを打たれても捲られないこと」への意識、加えて調整メンバーの適性や思考の偏りから「耐久に重きを置いたデッキ」ばかりに注力してしまい視野が狭くなってたのではないかと考えている。

LTBを早々に見切りをつけてしまったこと、調整メンバーの1人がロストバレット+カイオーガの調整を続けており何度か勧められたが、自分の考察とややずれた位置にあるデッキなことと単純に扱いきれなかったため使用は見送ってしまったのは少し頭が硬くなってしまったかなと感じる。

一方で良かった点も一応ある。
一つは前回より個人でデッキを触る範囲が増えたこと。これは時間が前回よりあっただけだし自分のみが大会に出る環境だったので当然ではあるが出来たことが大事だと思う。

二つ目はデッキ選択の焦点が悪くはなかったこと。これに関してはパルキアでギリ良かったってことであり他の候補を選択した際はどうなってたかはあまり考えたくない。ただ、消去法でパルキアに至るという過程は間違ってなかったとは思う。結果的に活躍したLTBやロトムは自分が使用デッキに求めてた要素を十分に満たしていた。

三つ目はパルキアをちゃんと使えることが分かったことである。今でも分からんこと多すぎるし今大会も大小さまざまなプレイミスをしたが、それでもここまで勝てる程度にはしっかりとしたプレイができていたし、相手からプレイングを褒められることもあり非常に自信になった。もう少し自分を信用してもいいかもしれない。

他にもあるだろうがそれは調整メンバーと話して深掘りしていきたい。

あと何より反省するべきは計画性のなさかもしれない。ちゃんとした旅行日程を考えていればday2にロストカイオーガやアルセサナを使えてたかもしれないし、今こうして追加で二泊するカプセルホテルの中で反省文を書くこともなかっただろう。実生活に影響が出ない時期で本当に良かった。

まとめ

アクシデントが多い中だが、楽しく大会に参加できた。練習に付き合ってくれた方々、応援してくださった方々に感謝を。
また旧友にも会うことができたり旅としても非常に有意義だったと感じている。延泊することになったが観光を楽しむ予定である。
ありがたいことに次回の優先権も確定したため次回の京都ではより良い成績を残してJCS優先権やwcs権利を手に入れたいと思う。

それでは。

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