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Perfume 9th Tour 2022"PLASMA"全曲感想。

Perfume 9th Tour 2022 ”PLASMA”の感想です。

はじめに

ツアー日程&自分の参戦歴

今回は、全国9都市を巡る18公演。
↓会場ごとの日程はこんな感じでした。

8/20(土)、21(日)東京:有明アリーナ
8/31(水)、9/1(木)愛知:日本ガイシホール
9/6(火)、7(水)大阪:大阪城ホール
9/17(土)、18(日)広島:広島グリーンアリーナ
9/24(土)、25(日)福岡:マリンメッセ福岡A館
10/1(土)、2(日)長野:長野市多目的スポーツアリーナ ビッグハット
10/7(金)、8(土)宮城:宮城セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)
10/29(土)、30(日)埼玉:さいたまスーパーアリーナ
11/5(土)、6(日)北海道:北海きたえーる

このうち、自分が行った公演をTwitterのbioに書く感じで表現すると

東京①②福岡①②長野①②宮城①②埼玉①②北海道②

って感じ。6都市11公演に行きました。
一般的に見たら、かなりはっちゃけさせてもらった方だなと思います。

ステージ構成

今回はアリーナの中央にステージがあり、その周りを囲むように客席が広がっていました。「COSMIC EXPLORER」のライブを思い出させるセットです。
センサーステージは、真上からぐるっと囲むように白い垂れ幕がなされており、中がどうなっているかは見えませんでした。垂れ幕を下げている機構にはモニターもついており、開演前は「PLASMA」のCMや、メンバーが出演していたTechnicsのイヤホンのCMなどが流れていました。
そして、センターステージの左右から、少しカーブがかった通路が伸びていました。左右の通路それぞれの途中にサブステージがあり、なんだか途中でメンバーが誰かしら来てくれそうな予感がしました。

開演直前。
今か今かと開演を待ちわびる観客の拍手に呼応するかのように、「本日は~」と口火を切り出す影ナレ。ライブにおける諸注意をひととおり話し終えた後、「間もなく開演します!」とワントーン上げて告げてきました。なんだか、影ナレの中の人もこのライブを楽しみにして来ているみたい。
そこからさらに拍手は大きくなり、場内の照明も徐々に落とされていきます。さらに、BGMも流れ始めます。緑色のレーザーによって描かれる面が、場内に焚かれたスモークを照らし出す。なんだか、オーロラみたいでした。
そして、聞こえ始める3人の呼吸。自然な呼吸というよりは、肩を揺らして必死になっているような感じ。その呼吸に呼応するかのように、センターステージ内部が光っているのが見えます。まるで、これから何かが孵化する繭のよう。
「ハッ」と3人が息を切ったところで照明が落ち、いよいよ「PLASMA」の世界へと誘われるのだなと実感しました。

セットリスト

○オープニング(Plasma)

アルバム「PLASMA」でも1曲目を飾ったインスト曲。3人が登場するのを待ち構える曲になったわけですが、ライブで聴くとその力強い音色が明瞭に分かるなぁと思いました。
3人の登場は…なんと空からゆっくりと舞い降りるように、でした。セット最上部から降りてくるゴンドラに乗っていました。白いドレスのような衣装で、客席には一瞥もくれず遠くを見ているさまがまさに『天からの使者』というイメージを与えました。

①Flow

この曲で始まったのはちょっと意外でした。というのも、アルバムでも中盤に置かれており、ライブでも同様に盛り上がり過ぎた雰囲気をクールダウンするための役割を果たすと思っていたから。
でも、歌詞の中に出てくる「僕はまだ信じていたくて」「あの日から心は変わらない」といったフレーズが、2.26の東京ドーム公演中止などの困難を乗り越えた先にある、このライブの始まりを象徴している、といった解釈を見かけて納得してしました。サビ前の手拍子も、Future Popツアーで、ライブの始まりを飾る「Future Pop」でもこんなことやったよな、なんてことも思い出せて懐かしかったです。

②ポリゴンウェイヴ(Original Mix)

「Flow」終わりの一瞬の暗転時に衣装チェンジした3人。紫の衣装に着替えてこの曲が始まりました。『うわ、3人ともめちゃ素肌白くない!?』とか思っちゃいました。紫の色味が引き立てるんでしょうかね…
「[polygon Wave 2021]」では、映像や人力で動かすセットを融合させて、演出で魅せる内容だったのに、今回はただ踊り歌う3人がいるだけ。途中であ~ちゃんが手拍子して観客を煽ってくれたりもして、シンプルに楽しめるこの感じもこの曲に合うなと思いました。

③再生

P Cubed、[polygon wave]でも披露されていた楽曲。とある会場でこの楽曲を観ているときに、ふとMVの“あるシーン”が頭に浮かんだことがありました。どのシーンかというと、過去のMVの一部がフラッシュバックするところ。なんかその時に、過去の思い出も一挙に思い出されて、思わす感極まりそうになりました。今回のツアー会場の多くが、自分の中でも結構思い出深い「Future Pop」ツアーと同じだったり、あと自分が初めてPerfumeを観たさいたまスーパーアリーナも含まれていたりすることも一因だったかなと。

○MC

3人合わせて「「「Perfumeです!!!」」」の自己紹介→ご当地にちなんだトークなど。
今でも印象に残っているのは、宮城公演の初日。声出し解禁ライブの日ですね。涙ながらにこの日に臨んだ経緯だったり、気持ちだったりを語っていた3人のことが忘れられないです。
そして、グループ分けや、「男子ー!」「女子ー!」のジェスチャーの説明もこのタイミングで。
グループ分けの言葉は、自分が行った公演ではわりと毎回カオスだった記憶があります(笑) 長野②なんて「クイー」「ンリー」「フトー」って感じで、どこをどう切り取っても意味のある言葉になっていなくて、発しているあ~ちゃん自身が「何か言われたら拍手してね(笑)」と困っていたほど。けどそれも、リラックスしてライブに臨めるようになったことの顕れだとも思えます。
そんなフリースタイルでやってきたグループ分けの言葉が、北海道②の千秋楽で「プ」「ラ」「ズ」「マ」になったのは、このツアーの集大成だと思えてちょっと感動しました。
ジェスチャーの説明では、今回のツアーグッズのひとつである「マイメンTシャツ」は手厚くレクチャー。どこぞのラッパーよろしく「ヒィーエ!」と言いながら両手を前に突き出すジェスチャーでしたが、個人的にはバイク川崎バイクさんが頭をよぎったので、ずっと「バイクだけにぃ!ブンブン!!」のジェスチャーをしていました。マイメンTの説明も毎回同じようにしていたのですが、毎回笑いが起こるのが3人のトーク力が為せる業だよな、と妙に感心していました。

④Drive’n The Rain

個人的な印象としては“令和版「Take me Take me」”。センターステージに現れた椅子に座った3人が、雨の降るなか車を運転しているようなダンスがメイン。ただ、途中の間奏でソロパートのダンスもあるのですが、それが結構艶やか。アルバムで楽曲を聴いたときは、どちらかというと静かな曲だと感じたのですが、
終盤椅子ごとステージ下に引っ込んで姿を消す3人。

⑤ハテナビト

「Drive’n The Rain」で降り注いだ雨が止んで、陽が射し始めたような照明の中再び登場した3人。センターステージからはあ~ちゃん、サブステージからはかしゆかとのっちがせり上がるように現れます。姿が見えたとき、『また会えた…!』となぜか感極まって泣きそうになってたのは自分くらいでしょうか。
この楽曲で一番印象的なのは、サビの盛り上がり方。サビ前の「I will I will いっぱい~」のあたりから手を振り上げ始める方がちらほらいて、2番に入るまでの間奏で爆踊り。よく聴いてみると確かに、のせられやすい音色とリズムだな…。サブステージ前に観ていたとおぼしき方の感想で、メンバーと“ダンスバトル”した、なんてものもいくつか見かけました。
ツアー最初の東京2日間でこの曲を観たときに、この曲は神聖な気持ちを持って観るべきもの、というイメージを刷り込まれただけに、この曲がこういう盛り上がり方になったことが意外で、楽しかったです。
あと、繰り返しになっちゃいますが、「Drive’n The Rain」で降り注いだ雨が止んで、この曲で陽が射し始める演出を考えた方、ほんとに天才だと思います。確かに、あの雨を止ませられるのはこの曲だけではないかと。

⑥ナチュラルに恋して

アルバム「JPN」収録曲。ここまでずっと、「PLASMA」の収録曲だけが披露されてきただけに不意打ち喰らいました。センターステージだけに留まらず、通路を渡ってサブステージまで、縦横無尽に左右へと渡り歩く3人。ステージに立つアーティストとしてのPerfumeというよりは、素の3人を見ているようでした。

⑦Time Warp(v1.1)

楽曲の感想じゃなくて申し訳ないのですが…。
自分が「おっ」と思ったのが、この楽曲の最中で、センターステージ真上から何本かワイヤーが降りてきたところです。次の「∞ループ」で使う幕を引き上げるためのものです。ライブは絶え間なく進んでいって、裏方の人たちは常に一歩先を見ているんだな、ライブってこうやって進行していくんだななんて感銘を受けました。

⑧∞ループ

いったん3人は舞台上から退場し、映像だけで魅せるこの楽曲。
自分は毎公演座って観ていました。なんか、「Reframe」の演目っぽいなと思ったので、“ひとりReframe”に興じていました。Future Popツアーの「FUSION」でもこの見方をしていたなぁとも思い出しつつ。
そして、P Cubedツアーの「edge」などでも思ったけど、大画面でこそ映える3人のお顔のビジュアルが強すぎる…。
終盤でステージ上に再登場する3人。「Spinning World」のMVでも着ていた、赤いドレスのような衣装にチェンジしていました。

⑨Spinning World

アルバム「PLASMA」でのリード曲。いつぞやの公演でのっちさんが言っていた、このアルバムの“チルさ”が最大限に顕れている曲。
なんと言うか、心の中では確実にノリノリになっているのに、それを歓声(出せないけど)や動きで発散しようとあまり思わなかったのが不思議で新鮮でした。ちょっとゆるく手拍子しながら、身体を動かしておくぐらいで十分楽しい感じ。“楽しさ”という観点だと、個人的にはこの曲と、前後の「∞ループ」~「アンドロイド&」がピークでした。
終盤、ぜんまい人形みたいにカタカタカタ…とステージ前方に向かう3人。途中で照明が落ちると人影さえ見えなくなって、何をやっているのかよく分からない。ここまで深い闇をつくり込めるのも凄いなと感嘆してしまいました。

⑩アンドロイド&

スポットライトが当たり、緑の衣装に着替えた3人が再登場。
この楽曲を観るにあたり、[polygon wave]のライブで出てきたダンサーさん(ELEVENPLAY)がどうなるのかを気にしていました。今回も続投なのかな…と思っていると、サブステージ周辺に現れた4枚のスクリーン。そこにレーザー光で描かれていく人型。人型がダンサーさんの姿に変わり、ステージ上の3人と一緒に踊るのでした。3人が魔法をかけると動くところも忠実に再現。魔法をかけた後に、顔の横でダブルピースするかしゆかさんめっちゃ可愛かったですね。
あとは、この楽曲の最後のほうであ~ちゃんの甲高い歓声が聞こえた日がありました。自身が楽しかったのは勿論ですが、きっと我々観客を煽るためだったのかな、とも思います。[polygon wave]のライブから、演出で魅せる部分がしっかり継承されていたのでそこに注目していましたが、この楽曲ってきっと夏フェスの会場とか、3人しかいない場面でも踊って盛り上がれますよね。今後そういう場面でまた逢いたい1曲です。

⑪マワルカガミ

センターステージの中央から、3つほど球体のオブジェが引き上げられるような形で登場。3人は、センターステージから飛び出すように出ていた出島にて歌っていました。頭上からレーザーが出ていたのですが、まるで3人が三角錐の中に入って歌っているようで、光の演出って面白いなと思いました。
この楽曲のサビ、個人的には「心のスポーツ」を思い出すテンポでした。ということで“ぐるぐるぐるトントン”をやりながら聴いていました。広まったら嬉しいなとか秘かに思ったけど、周囲でやっているのは自分だけでしたね。

○P.T.A.のコーナー

ステージ端に座り込んで休憩する3人の姿が見える中、聴こえてきた4つ打ちに身を任せて手拍子。ふと周りを見渡してみると、客席を照らすようにいくつかスポットライトの明かりが動いているのが見えました。そして、よく見ているとその中にいくつか、今回の「PLASMA」ツアーのロゴがある…。
つつがなく、というか、いつもとお決まりの流れで進行していきましたが、自分が特に印象に残っているのは…
(1)「だいじょばない」のTikTokダンス
この曲がTikTokで流行っていることを受けてか、TikTokの中でのダンスをみんなと一緒にやってみることに。「×」「おとぼけ」「しあわせ」「ハート」の4つのフリを順繰りにやっていくのですが、意外と間違えやすく…。良い脳トレでした。最後、あ~ちゃんに「これでみんなもTikTokerになれるよ~!」と言われて満更でもない気がするのは何故だろう。そして、TikTokで自分たちを見つけてくれた若年層に寄り添う気概みたいなものも少し感じました。

(2)「栗拾い」で拾った栗を…。
「ぐるんぐるん」の時にもあった「栗拾い」の振り付け。北海道で、客席の人たちが拾った栗を手元のカゴに入れる真似をせずに、ステージ上に投げるふりをしたところ、メンバーがそれに気づいて投げられた栗を全部受け止めるノリが勃発。加えて、最後にあ~ちゃんが拾った栗を全部投げ捨てるフリも追加に。
「栗拾い」の振り付けって結構前からあった認識だったんですが、こうやってまた新しいノリが生まれていくのって凄いし楽しいなーと思いました。ちょっと感心してしまったので特筆しておきます。

ひととおりやることやって、場内の一体感が最高潮に達したところであ~ちゃんの曲フリ。次の楽曲の「Party Maker」へ。

⑫Party Maker

毎回、Perfumeライブの終盤戦にむけての盛り上がりをつくってくれる楽曲。センターステージとサブステージそれぞれにメンバーが1人ずつ立って踊る感じでした。
わりと見慣れている楽曲だったけど、今回ファンサービスが多く感じられたのが新鮮でした。ステージ近くのアリーナ席の人に指ハートを送ったりするだけじゃなく、スタンド席の遠方の人も見やって手を振ったり。指差された!とか、手を振ってもらえた!!という方も結構いたのではないでしょうか。

⑬ワンルーム・ディスコ/エレクトロ・ワールド/ポリリズム

今回のツアーの大きな変化点、それは「公演日ごとにセットリストが異なる」こと。
ツアー途中で楽曲の追加変更があることは度々あったけど、初めからセットリストを変えることが前提だったのって結構久々な気がしました…。それこそ、「ぐるんぐるん」のツアーで、アンコールの楽曲が公演日ごとに異なっていた、あの感じを思い出しました。
ワンルーム・ディスコ。自分は東京①②で観たけど、確かそのときは「ナチュラルに恋して」と近い曲順だったので、ファンになりたてだった2009~2010年頃の気持ちを思い出せて懐かしかったです。
エレクトロ・ワールド。声出しできないのもどかしいなーと思っていたけど、宮城①でできたことが本当に嬉しかったです。曲順は知っていたのに、イントロが聴こえた瞬間に「おぉー!!」と言ってしまいました(笑)
もとい、声出しができない状況下で披露することが前提でセトリに組み込まれていたとは思いますが。それでも、この楽曲で盛り上がってくれるだろうという、3人から我々へのある種“信頼”も感じました。
ポリリズム。3人の故郷である広島での公演で初披露されたことに、意味があると感じてしまいました。PCubedツアーで披露されたときは、バックスクリーンに過去の映像が映されたりする演出なども見どころだった記憶がありますが、今回はステージ上で歌い踊る3人がいるだけの、至極シンプルなステージ。個人的には、この楽曲で「紅白歌合戦」に初出場した時のことを思い出しながら観ていました。

⑭Puppy love

「P.T.A.のコーナー」で「上下上上」の振り付けを練習したけど、この楽曲が披露されないことが度々あったので、個人的には、ついに満を持しての披露か…!という気持ちでした。ライブ前に、公式Twitterでセンターマイクの写真などもアップロードされていたので、この楽曲を予想して待ち望んでいた方も多かった気がします。
この楽曲と、直前に披露される「ポリリズム」は、「GAME」というアルバムでそれぞれ最後と最初を飾る楽曲なのですが、「GAME」からPerfumeを知った自分としては、その曲順でライブを観られることにすごく意味を感じてしまいました。何でもそうですが、自分にとっての「きっかけ」だったモノっていつまでも外しがたいですよね。
あとは、サブステージにメンバーが来た際の3人のファンサも良かったです。あ~ちゃんは純然としたアイドル、かしゆかはちょっと落ち着いたお姉さん、のっちは我々と同じ“ファン”みたいに楽しんでいるなぁと。

⑮STAR TRAIN(Album-mix)

センターステージを囲むように、LEDを繋いだカーテンのようなものが出現。電線が張り巡らされている感じが蔦(つた)のようでした。LEDが点くと、まるで星空の中で3人が歌っているような光景が現れました。
個人的に、この楽曲は「P10」の頃の印象が強かったので、歌詞に顕れている気持ちや決意もあくまで当時のものだと感じながら観ていました。ただ、ツアーが終わったいま改めて振り返ると、当時から思っていることは変わらないことを示しているのかな、とも思います。「いつだって今が常にスタートライン」とかまさしく…。「Flow」の「あの日から心は変わらない」とも少しリンクしているのかな、とか。
あとは、今年放映されていた「ファイトソング」でこの楽曲が使われていたことも少し踏まえているのかなと感じました。最近知ってくれた人にも向けているものがあるのかなと。

○MC

最後1曲を残して、ここでMC。ライブを通しての感想を1人ずつ言っていきます。
公演日ごとに色んなことを喋っていたけど、個人的なハイライトは↓こんな感じです。

・福岡①で、あ~ちゃんがのっちに話を振る際に優しく髪を撫でたところ
…会場全体が声にならない感嘆の声で満ち溢れていた気がします。自分もそうでした。

・宮城①でのっちが涙を堪えて言った「皆さんの声が聞こえなくても寂しいと感じたことは一度もなかった」

・埼玉①のかしゆか「本当に楽しかったー!」
…普段わりと冷静に話しているイメージなので、ふと放たれた天真爛漫な感想が印象的でした。

・北海道②で、かしゆかとのっちが話し終えた後2人に「花丸っ!!」をあげていたあ~ちゃんが、話し終えた後でかしゆかとのっちから「花丸っ!!」を貰っていて泣いていたこと
…この3人は、世界中のどんなお偉方よりも、お互いに認められることが何よりも嬉しいのかなと感じました。だから、この3人が一緒に居る限りはきっと、どんな逆境でも乗り越えられるだろうなとも感じました。

⑯さよならプラスティックワールド

MC終わり間際、あ~ちゃんの曲フリから入るこの楽曲。
曲名からして、この楽曲がライブの最後にくることはなんとなく予想できていました。もとはEテレの「みんなのうた」に提供していた楽曲で、「PLASMA」のアルバムを聴いていてもどことなくそのイメージが抜けなかったのですが、このツアーで披露されることで“Perfumeの楽曲”として定着した気がします。楽曲途中でのっちさんが喋る「素敵な未来でまた会えますように!」のところで毎回、言葉尻が少し上がっていたのが印象的。きゃいらしいのぅ!と、自分の心の中の金属バット友保さんも言っていました。あとは、2番に入る前に3人がそれぞれ指ハートを送り合うところも仲睦ましくて…よかったです(突然の語彙力消失)。

○エンディング

全楽曲を披露しきった3人のもとに、オープニングで3人を地上に降ろしたゴンドラが再び。
オープニングと同じく「Plasma」が流れる中、今度は3人を空へと連れて帰ります。内側を向き、空を見上げる3人。我々観客のほうを全く見ていなくて、さっきまでは一緒にライブを楽しんでいたのに、もう意思疎通する術が絶たれてしまったのかなと一抹の寂しさも感じました。そんな3人に拍手を送るばかりの我々。
センターステージを覆い隠すように幕が降りてくると、ライブ中の映像がハイライトとして投影されます。「Plasma」が流れ終わると同時に再び幕が落ちてセンターステージが現れるけど、そこにはもう3人の姿はなく…。「See you at the next stage.」という声が聞こえるばかりです。ステージ上を3つのスポットライトが照らしていて、まるで3人の意思はまだそこに残っていると示しているようでした。

おわりに

今回のツアーですが、率直に言うと過去のライブに比べて「余韻に悶え苦しむ」ことが少なかったです。
東京①②で初めてこのライブを観た時。初見時のガツンとくるような衝撃が、過去に観た「Future Pop」のツアーや、[polygon wave]のライブほどではなかったかな…と思いました。
あとは、北海道の千秋楽を観終えたあと。もうこのライブが観られない…といった寂しさというか、後ろ髪引かれるような余韻がそこまでなく、わりとサッパリした気持ちだったことを覚えています。
『なんか文句でもあるのか』と言われそうですが(笑)、きっとこれまでよりも“自然体で観られる”というか、“日常でふと近くに寄り添ってくれる”ようなユルさ、3人の表現を借りれば“チルさ”があったからだと思います。こんな風にフラットな気持ちで観られるライブも良いなぁと思いました。

また、最後のMCの話に戻るのですが、ここであ~ちゃんが毎回「PLASMA」における「第4形態」のことを話していました。
東京①②とか、ツアーの序盤では「第4形態?なにそれ分からん??」なんてチョけてひと笑い取っていたのですが、ツアーが進むにつれて「第4形態とは、人の手が感じられる有機的な温かさだった」と、ひとつの答えに辿り着いたことが印象的でした。
きっと、発信する側が“こうだと思う”といって発信しても、受ける側がその意図を掴み切れなかったら成り立たないのかなと思います。逆も然りで、発信する側が何を発信しようか固めきれていなくても、受ける側が“こう感じた”といえば、それがひとつの答えになりうる。
今回はまさしくそんな感じで、3人と観客との相互作用でつくり上げていったライブだったのかなと思います。声が出せないなりにも拍手や身振り手振りで想いを伝えようとしたことも“有機的な温かさ”に繋がった一要素だと思います。きっと、観客の方々が“演出を観よう”なんて黙って魅入っていたら、また違う「第4形態」の解釈が生まれていたのだと思います。声で想いを伝えることが難しいこの時代に、こうして伝え合えるものがあってライブという“作品”をつくり上げられたことが少し不思議ですよね。いつかこのライブが映像化されて、傍から観たときに自分が何を感じるのか楽しみです。

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