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30代にして初めてフジロックに行ってみた。

ロッキンやラブシャ、サマソニといった色々な夏フェスに行く中で、ひとつだけ「これに行くのは30歳を過ぎてからにしよう」と、なんとなく決めていたフェスがありました。
それが、フジロックフェスティバル
『比較的コアな音楽の趣味を持つ方々が集うフェス』というイメージをなんとなく持っていて、音楽に乗ってはしゃぐ以外の楽しみ方ができるのではないか、なんて期待も抱いていました。会場が山あいということで過酷そうな環境だと感じましたが、むしろその点含めて魅力的だと感じました。

ということで行って参りました。
自分が行ったのは7月29日。名前を知っていて、観ようと思っていたアーティストとしてはELLEGARDENや羊文学がいましたが、Chilli BeansやSaucy Dog、Vaundyといったアーティストも通りすがりで聴いて知れて良かったです。
あとは、メインであるGREEN STAGEのラストを飾っていたFOO FIGHTERS。自分は今回初めて名前を聞いたのですが、その日このステージに出ていたアーティストの中では一番の盛り上がりで、ステージ前の芝生がほとんど埋まっていた光景が圧巻でした。海外のロックバンドだったのですが、海外の音楽シーンももっと知りたいことがたくさんあるなと感じました。

そして、このフジロックが他の夏フェスと圧倒的に異なったのは、深夜もやっているステージがあるということ。
コロナ禍の影響でここ数年は自粛していたそうなのですが、今年は深夜まで一部のステージを開けるということで、他のフェスと異なる楽しさを感じたいなという気持ちで観ていくことにしました。(直前に参加を決めたがゆえに宿がとれず行く先が無かったから、という理由もありますが)
自分が深夜のステージの中で一番心に残ったのは、大道芸のステージでした。飲食物のテントが並ぶフィールドの一角で大道芸人の方々がパフォーマンスをしているブースがあったので、足を止めて観ていくことに。実はこの大道芸、学生時代にフジロックに行っていた友人がTwitterにその様子を投稿していたのを覚えていまして、その頃から「フジロック=深夜の大道芸」というイメージが自分の中で強く在りました。
自分が観たのは、「芸人まこと」さんのファイヤーショー。火の点いた松明を使ってのジャグリングを披露したり、口に燃料を含んで大きな炎や煙の輪っかを作ったり。あれだけ大きな炎を操るのって怖いんだろうなと傍から見ていても思えてしまうだけに、一つひとつのパフォーマンスが成功するたびに思わず歓声をあげていました。今回、この大道芸のステージには芸人まことさんが引き連れてきた十数組のパフォーマーの方々が出演されていたそうなのですが、後輩の大道芸人の方にパフォーマンスする時間を分けてあげたりしていて、リーダーとしての頼もしさや優しさが感じられる一幕もあり、やけにグッときてしまいました。

そんなこんなで朝5時まで過ごして、帰りはシャトルバスと新幹線を使って帰ってきましたとさ~、というところで自分のフジロック参戦記としては以上になります。
いつもだったら、お目当てのアーティストが明確にいて、楽曲の感想を一曲一曲書いたり、過去に観たライブと紐づけたりした感想を書いたりするのですが、今回はそうではありません。自分が今回感じたのは、そうした「音楽を聴く楽しさ」よりもむしろ、「音楽を聴かない楽しさ」だったのかもしれないと思っています。
なんだかすごく誤解を与えかねないことを言っていると我ながら感じていますが、自分が言いたいのは、お目当てのアーティストが登場せず、空白ができてしまう時間のことです。これまでだったら、どこかのステージは観ようと思って予定を詰め詰めにしがちでした。
しかし、今回はそういう気持ちはあまり無くて、川辺に座ってフェス飯を堪能したり、ステージ間の近道になっている森林内の遊歩道を散歩したり、することが何も無ければそこら辺の芝生に座り込んでボーっとしたりしていました。なんと言うか、『音楽フェスに来ているけど、音楽を聴く以外のことをしていても誰にも何も言われない!』のがすごく楽でした。普通のワンマンライブだったら、スマホいじっていたり寝ていたりする人を見かけるとちょっとムッとしてしまいますが、言われてみればフェスだと別にそんなことないわというのが、今回改めて感じられたことです。
そうやって行動する中で、常に何かしらをインプットすべきという自縛からある程度は解放されたかなとも思えました。もう少し若かった頃は、新しい音楽を知らなきゃと思ってテレビや有線、ストリーミングサイトなどあちこちにアンテナを張っていましたが、最近は『自分が自然に生きる中で知れたものだけ知れればいい』ぐらいに考えつつあります。今回でいうとChilli BeansやVaundyがまさにそうで、自分が場内をうろうろしていたら耳に入ってきて「良いな」と思えた人たちでした。

そんな風に過ごした、このフジロックフェスティバル。
30代になって最初の1年という、ある意味自分にとって節目となるタイミングで行ってみて良かったなと感じています。この日のように、もっと肩の力を抜いて、自然体で過ごせばいいと教えられたような気がしました。
けどまあ、なんでこんな楽しみ方ができたのだろうね…。歳をとって感性が変わったから!というよりも、単に疲れてきただけという気もしてしまう…。う~む、この問いに答えを出そうとするのはこのへんで止めておくことにします(笑)

追伸
この記事も当初は、観たアーティストの感想を一組ずつ丁寧に書いたり、あとは持っていった物リストも作成したりして、今後参加する方々への参考になればと思っていたのですが、どうにも自分が感じたことを描き上げられる気がしなくて、いま公開しているスタイルの文章に変わりました。「note」の書き方ももう少し、自分の自然体寄りにしてもいいってことっすかねぇ。

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