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拝啓 令和ロマン様。

先日放送された「M-1グランプリ2023」。
エントリー数は史上最多の8540組という熾烈な闘いを制したのは、結成5年目ながらも『優勝候補』としての呼び声も高かった若き秀才。
飄々とした風貌で、ステージを縦横無尽に駆け巡りながらクリティカルなボケを休みなく繰り出すくるまさんとは対照的に、スタンドマイク前から不動のままいなすようにツッコんでいくケムリさん。
さながら、高校の教室の片隅で繰り広げられている『クラスで一番面白いヤツ』と『なぜ仲が良いかあまり分からないけどよくつるんでるヤツ』の掛け合いを見ているようでした。
ファーストラウンドでは、トップバッターという不利な出順ながらも最終決戦へと駒を進め、最終決戦でもトップバッター。それでも、最終的には7票中4票を獲得し、みごと19代目王者の座を射止めました。
ファーストラウンドでのトップバッターが最終決戦に進出するのは2005年の笑い飯以来、優勝するのは2001年・初代王者の中川家以来。『M-1』のみならず、近年の賞レースで根付きつつあった、『どれだけ面白いネタをぶつけてもトップでは勝てない』という風潮を払拭するかのような快挙でした。

そんな新王者、令和ロマンのお2人に対して
勝手ながら、一方通行ながら「おめでとうございます」と「ありがとうございました」を伝えたく。

自分がはじめて彼らの漫才を観たのは、2020年の『M-1』準々決勝のネタ動画にて。
確か、くるまさんが神田伯山のモノマネを要所要所でやりまくるネタだったと思います。
それまでにもこのお2人の名前は聞いており、こんな漫才をやる人たちなんだと改めて認識した記憶があります。華というか、どっしりとした風格があると感じ、そこが印象に残ったのだと思います。
その後、『ABCお笑いグランプリ』や『M-1』の予選などでネタを観るたびに『面白い人たちだな』という印象が確固たるものになっていきました。去年の『M-1』では準決勝まで進出しましたが、惜しくも敗退。ただ、敗者復活戦で披露していた『ドラえもん』のネタがすごく面白くて、これ敗者復活あるかも…!?とにわかに期待していました。
結局、敗者復活戦勝ち上がりとはなりませんでしたが、近いうちにまたチャンスを手にするだろうなと確信しました。

それからほどなくして今年の『M-1』。
松本人志さんも講評で述べていたように、『強いネタ』と『さらに強いネタ』を純粋にぶつけての粘り勝ち。
ネタの面白さに加えて、ステージに出たとたんに場の雰囲気を自分たちのものにしてしまうのが印象的で、優勝するに相応しい素質を持っていると評価されたのだと思います。
本当におめでとうございます。加えて、自分より若い人たちが優勝したのが今回はじめてで、『M-1』、ひいては世の中のありとあらゆるものが若い世代の人たちによって作られる時代になったのだと実感しました。

そして、「ありがとうございました」に関してですが。
実は自分が去年のある日、仕事が嫌になって会社をズル休みしたことがありました。
その日、重い足取りのまま訪れた神保町よしもと漫才劇場で観て、気持ちを救われたのが令和ロマンの漫才でした。
その頃には『M-1』の準決勝の結果も出ており、決勝進出が叶わなかった彼らは敗者復活戦に向けてのコンディションを整えていたであろう頃。1回戦のネタ動画でも観た『ドラえもん』のネタを披露していたのですが、さらにパワーアップして、面白くて楽しいネタに仕上がっていました。
あれから自分もなんとか働けています。1年ほど経ちましたが、当時と変わらず楽しそうに漫才するお2人を『M-1』の舞台で観られたことを、改めてうれしく思います。
今年の最終決戦で披露していた『町工場』のネタも、そのときのエッセンスを感じさせるものだったことも嬉しかったですね。くるまさんが最後の最後までボケ倒すのは、『ドラえもん』のネタの最後を意識してのものだったようです。
そんなこんなで今更ながらですが……ありがとうございました。またここからのご活躍楽しみにしています!

追伸:
今年の『M-1』の感想もそのうち書きたいと思います。去年も書こうとしたのですが、ウエストランドのネタの中に出てきた『お笑い採点するファンは痛い』ってなフレーズに萎縮してやめちゃった記憶が…笑

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