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「日向坂46の斎藤京子」にはもう会えない。

2024年4月5日 金曜日。
この日は午後から休暇を取りまして、とあるライブを観に行っていました。

日向坂46・斎藤京子卒業コンサート。
会場は横浜スタジアム。ここに来るのは、去年の「4回目のひな誕祭」を観に行って以来。
この場所に来る=日向坂を観に来るという図式が、自分の中で出来上がりつつあります。
周りに日向坂好きの友人が多いことから、チケットは取っていないけど終演後にみんなに会いたいからライブ会場だけは来る、そんな時もありました。

ただ、今回は友人とは来ずに、自分ひとりでチケットを取って観に来ました。
そもそも、斎藤京子さんが日向坂を卒業することを、このライブチケットの一般販売が始まってから知ったほどには情報へのアンテナが低く、最後を見届けるこの場に自分が出向いてもいいのかとも思いましたが、やっぱり何か観てみたい気持ちがあってこの場に来たのだと思います。

チケットに書かれている座席は、50何通路のどこそこ、みたいな席。
ハマスタの構造もよく分からないまま場内を歩き回り、ようやく見つけたその通路への入口をくぐると、スタンド席のほぼ最上段に辿り着きました。
アリーナに設置されているステージセット等々の全貌を、これでもかと言うほどに見ることができます。

開演の18時になると、影ナレが聞こえてきてそこからライブスタート。
白いドレスに身を包んだ斎藤京子さんが、ステージに備え付けられた階段状のセットの最上段に登場し、ソロでの歌唱が始まりました。
そういえば、日向坂の楽曲を聴くのも去年の「4回目のひな誕祭」以来でした。予習もあまりしてきませんでした。楽曲が分からない状況も含めて楽しもう!と思っていたからでした。
そんな感じだったので、自分は初めて聴く楽曲だけど、周囲の人たちがどよめいている状況が何度もありました。後で調べたところ、初期の頃の楽曲やユニット(日向坂では「シンメ」とも言うらしい…)曲が多く披露されていたとのこと。
斎藤京子さんと、自分が一番推している加藤史帆さんとのシンメ曲を観られたのは貴重だったな、と今にして感じています。

その後は「キュン」とか「アザトカワイイ」といった、日向坂を代表する曲を披露。個人的に「キュン」は改めて良い曲だと思いました。コールが楽しいし、曲も好き。
そんな風に思っていたら、特別ゲストのヒコロヒーとのユニット「キョコロヒー」での歌唱もあったりして、今回は日向坂のライブである以前に、斎藤京子さんにスポットを当てたライブなのだということも実感しました。

個人的に気持ちが動いたのは「NO WAR in the future 2020」という楽曲。
これ、去年の「4回目のひな誕祭」でも聴いて良い曲だと感じたことを思い出しました。
そんな風に当時の思い出も引っ張り出しながら観ていたのですが、最後のほうでメンバーのひとりが堪えきれずに涙していたのが見えました。自分はまだ名前を知らなかったので、後で調べてみたら濱岸ひよりさんという方だったようです。
そのことが、このライブが終盤に差し掛かっていることを証明しているように思えました。

その後、ステージ上のメンバーが一旦去って、とあるムービーが流されました。シングルやアルバムがリリースされるたびに行われる、センターを務める人の発表がなされる瞬間のダイジェスト。
斎藤京子さんもずっとセンターを務めたい、一番最後に名前を呼ばれたいと思いながらも、あと一歩のところでその機会を逃してきたことが多かったようです。
それでも、ついにその時が訪れました。一番最後に名前を呼ばれて、見事センターの座を射止めました。傍らにいた佐々木久美さんが涙している様子が映っていたのも印象的でした。なんか、こうしたグループってお互いがライバルみたいなところがあるから、他メンバーの栄光を泣きながら喜べるって凄いなって思いました。時代とともに、本来のアイドル像も、自分が長年抱いていたものから移り変わっていっていたようです。
そんな背景も見せつつ披露された「月と星が踊るMidnight」。素敵でした。

その後はアンコール。再び純白のドレスに身を包んだ斎藤京子さんが登場し、この8年間の活動で出逢った人たちへの感謝のお手紙を読み上げました。
その後は、同期である1期生とともに「ひらがなけやき」を披露。デビュー初期からある楽曲のようで、当時の映像もモニターで流しつつ、ステージ上のメンバーともシンクロさせる演出がこのグループの歴史を感じさせました。
その後は「JOYFUL LOVE」を披露…ですが、終盤でサプライズが。斎藤京子さんの前に花を一輪ずつ持って立ち並ぶメンバーたち。「これは台本に無かったです」とご本人も驚きを隠せない様子。
4期生→3期生→2期生→1期生の順で、感謝の言葉とともに花を渡していくメンバーたち。2期生までは代表メンバー1人が言葉を贈り、1期生は全員が言葉を贈る。
ここは自分も涙を禁じ得ない瞬間が多々ありました。先輩としても、同期としても斎藤京子さんが凄く愛されていたんだなと伝わってきました。

自分にとって、日向坂46は『がっつり活動を追っているアイドル』ではないのかもしれません。
ただ、『時折何しているかが気になって観に行きたくなるアイドル』ではあるなぁと思います。
そして、斎藤京子さんも個人的には日向坂の中で推している人だったので、今回こうして卒業してしまうのがすごく寂しいです。

自分もこれまでに、こうしたアイドルユニットから卒業する人の話を小耳には挟んできました。
AKB48の前田敦子さん。もう12年も昔の話になりますが、卒業コンサートはテレビでも生中継されて、自分もリアルタイムで視聴していたことを覚えています。
他にも、最近だと乃木坂46の齋藤飛鳥さんも卒業コンサートを東京ドームで行っていたことは知っていました。日向坂46からも、影山優佳さんや潮紗理菜さんが卒業しており、一番推していた友人さんたちが残念がっていたことを覚えています。
今回、こうして自分が推している人の卒業公演に行って、実際にその場に立ち会って感じたことは、「このユニットで活動する姿をもう見られない」ことがどれだけ寂しいかということ。
斎藤京子さん自体はこれからも活躍されていくことと思っていますが、「日向坂46の斎藤京子さん」にはもう二度と会うことができない。
アイドルその人自体に加えて、その人がアイドルユニットの看板を背負ってくれていることに、自分も支えられていた側面があったのだなと感じました。

今回、この卒業コンサートは、日向坂の最新曲という「僕に続け」で幕を下ろしました。
コンサートが始まったときは最上段から下ってきた階段を、最後には再び上り、斎藤京子さんは虹の向こうへと去っていきました。
あの先にある彼女の未来が幸多きものであることを祈るばかりです。
8年間、本当にお疲れ様でした。

追伸
ORICON NEWSのほうで、もっと良い記事が出ていたのでシェアします。


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