見出し画像

L'Arc~en~Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND 感想。

今回のツアーコンセプトはタイトルにもある「UNDERGROUND」。これまであまりライブで披露してこなかった楽曲を掘り起こし、スポットを当てる貴重な内容になる予定だ。

L'Arc-en-Cielが4都市巡るアリーナツアー、コンセプトは“UNDERGROUND” - 音楽ナタリー

ラルクのライブ開催告知なんてそれだけでも嬉しいのに、こんな風に告知されたものだから、胸の底から熱い気持ちがこみ上げてきました。
ラルクのライブには過去にも何度か行ったことがあり、結構たくさんの曲を生で観てこれたと思っていますが、まだ聴いたことのない名曲もまだまだたくさんあると感じていました。
そうした楽曲が観れる可能性があるなんて素敵すぎる…!ただ、そんな想いとは裏腹にチケットのほうはなかなか取れませんでした。最初のチケット抽選では、最も倍率が高かったであろう東京公演を単願で応募していたので、まあ無理もなかったです。
今回、めちゃくちゃ行きたいけどご縁が無いのかなと諦めかけたところで、追加公演のお知らせがありました。チケット抽選に応募して、2公演ぶんのチケットを手にすることができました。
加えて、3月の東京公演に行けなくなったと言う友人から、チケットを譲っていただきました。そんなわけで、最終的には3都市3公演観に行くことができました。

今回のライブ日程について

自分が観に行った公演は太字で書いておきます。

24/02/08(木)東京・国立代々木競技場第一体育館 ※FC会員限定公演
24/02/10(土)東京・国立代々木競技場第一体育館
24/02/11(日)東京・国立代々木競技場第一体育館
24/02/28(水)大阪・大阪城ホール
24/02/29(木)大阪・大阪城ホール
24/03/06(水)東京・国立代々木競技場第一体育館
24/03/07(木)東京・国立代々木競技場第一体育館
24/03/16(土)福岡・マリンメッセ福岡A館
24/03/23(土)愛知県 ポートメッセなごや 第1展示館
24/03/24(日)愛知県 ポートメッセなごや 第1展示館

追加公演

24/03/17(日)福岡・マリンメッセ福岡A館
24/04/06(土)埼玉・さいたまスーパーアリーナ

24/04/07(日)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
24/04/13(土)神奈川・横浜アリーナ ※FC会員限定公演
24/04/14(日)神奈川・横浜アリーナ ※FC会員限定公演

当初は4都市10公演の予定が、追加公演も含めると6都市15公演の規模になりました。
そして、追加公演の予定も出たところで改めて、ライブ会場を見たときに”あること”を思い出しました。
この会場のラインナップ、ちょっと前に見たような…。

ちょうど4年前、2020年に開催されたアリーナツアー「MMXX」。

そのときと同じ会場が多いのです。
まあ、こちらも同じくアリーナ規模でのツアーだったので、似通った会場が選ばれるのは当然だとも思うのですが…。
それでも思ったのは、今回のツアーには「MMXX」のリベンジといった意味合いも込められているのではないか、ということ。
というのも、「MMXX」が開催された2020年は新型コロナウイルスの蔓延により、人々の生活様式が変わってしまった頃。
音楽ライブも軒並み中止を余儀なくされ、「MMXX」も2,3日後に横浜アリーナでのファンクラブ会員限定公演を控えていたところで、中止が決まる憂き目を見ました。
現地に行けなくなったファンの間で、ハッシュタグ「#エアMMXX」をつけて、あたかもライブ会場に居るかのようなツイートする動きもありました。

そんなわけで、「MMXX」が中止になった横アリと代々木第一体育館が今回のツアーでも会場として選ばれており、かつ横アリではファンクラブ会員限定公演を行う点も「MMXX」と同じであることから、「MMXX」で不完全燃焼になっていたことを払拭することも「UNDERGROUND」の裏テーマにあるように感じました。
ライブの演目からも、「MMXX」含め、コロナ禍当時にラルクがやり切れなかった想いを払拭したいという気持ちを感じ取りましたが、それはもう少し後で話そうと思います。


ステージセット

今回のライブではセンターステージを採用。360°、どこから見てもステージ上のメンバーが見えるスタイルですね。
4方向に花道が伸びていて、曲によってはメンバーが歩いて来てくれることもありました。花道には車線や横断歩道が描かれていて、このポップさはtetsuyaさんの意向かなぁと思ったりしました。

セットリスト

ではでは、肝心のセットリスト。
いつもはセトリを見て一曲ずつ感想を書くことが多いのですが、今回は「とりわけ印象に残った楽曲」をいくつか選んで、その感想を書こうと思います。

All Dead / THE BLACK ROSE
EXISTENCE
THE NEPENTHES
砂時計
a silent letter
Ophelia
Taste of love
-映像-
Voice
Vivid Colors
flower
-MC-
It's the end
shade of season / Cureless
Blame
叙情詩
-ラルクイズ-
GOOD LUCK MY WAY
Killing Me
自由への招待 / NEXUS 4
-MC-
Bye Bye
ミライ
Link
-MC-
MY HEART DRAWS A DREAM

①All Dead

今回のツアーの1曲目。日によっては「THE BLACK ROSE」が披露されましたが、個人的に特に印象に残ったのは「All Dead」のほうでした。
今回の1曲目は、センターステージの全方位を垂れ幕で覆ってメンバー4人の影を映し出す演出があり、メンバー全員の姿が見えないまま曲を聴いていました。
曲名を直訳すると「みんな死んでいる」。加えて、誰かへの恨みつらみが延々と描かれている歌詞。それを声だけで聴かせてくる。年齢を重ねた今のラルクだからこそ出来る表現だと思いました。
15thラニバ@東京ドームで披露した際に、ドームの観客が一斉に引いたなんてエピソードも聞いていたので、今回聴けてよかったです。

②EXISTENCE

「AWAKE」のアルバム曲。ここでセンターステージを覆っていた垂れ幕も無くなり、ステージ上の4人がお目見え。今日はみんなどんな格好してるんだ!?なんてつい目で追ってしまいます。
自分でもよく分からないのですが、この曲のイントロのギター演奏が聴こえてきて思わず涙してしまうことが多かったです。全然感動する要素とかないのに。
「AWAKE」の中ではとりわけ好きな曲なので、秘かに「いつか聴きたい」と思っていたのかもしれないです。音の持つ迫力、パワーが自分にとっては凄くて圧倒されました。「TAKE AWAY」のところも一緒に歌えて楽しかったです。

③Taste of love

今回のセトリにおける目玉曲のひとつ、と言っても過言ではないかもしれないですね。Instagramのストーリーにhydeさんが載せていた練習の様子を見た人たちの間で、この曲が披露されるのでは…!?と憶測も飛び交っていましたね。
インディーズ期のアルバム「DUNE」の楽曲で、ライブで披露されるのは数曲後の「Cureless」と同じく28年ぶり!?
当然自分も初めて観たのですが…実は、これまであまり好んで聴いてきた楽曲ではありませんでした。歌詞の妖艶で濃厚な雰囲気が、素面で聴くには合わない時が多すぎて。
でも、今回このライブで初めて観れて印象がガラリと変わりました。なんと言っても、tetsuyaさんのベースパートがひたすらカッコ良い!イントロもそうだし、スポットライトを浴びて引く姿とあいまって、ラスサビ前のソロパートも目と耳に残りました。
そしてなにより、この楽曲を歌うときのhydeさんがとてつもなく妖艶。ピンクがかった照明を浴びて、時にステージ上で仰向けになりながら歌うという…。これも、年を重ねたhydeさんだからこそ、この曲で描かれている「なかなかエグめの愛」を表現ゆえんだと思いました。

④It's the end

自分の大好きなアルバム「ray」の2曲目。
「L'ArCASINO」2日目で聴けた記憶が蘇ってきました。当時はまだ何も無く更地だった夢洲。夕暮れ時に無限に広がる荒野の中でこの曲が演奏されるのが本当に理想的な光景過ぎて。
この楽曲と、2曲後に披露された「Blame」が、「L'ArCASINO」や「LIVE at 国立競技場」の頃の記憶を蘇らせてきて凄く懐かしかったです。どちらも学生時代の多感な頃に行けて、思い出に残っているライブなので。
あとは、直前のMCからこの楽曲に入るときに、hydeさんが「まだまだライブは続きますが…」と一言挟んで曲名を言うのがすごく粋でした。It's the End(終わり)って曲名だけどまだライブは続くよ、って言ってくれていたんですよね。「Bye Bye」でも同じように一言挟んでくれていましたね。

⑤GOOD LUCK MY WAY

この楽曲あたりから、コアな楽曲中心ゆえのディープな雰囲気が少しずつ開けていった印象です。直前に映された幕間の映像も、オープニングで蒔いた種が芽を出して、ずっと暗くて要塞のようだった城に花が咲き始めるというもので、言うなれば"underground(地下)"から"overground(地上)"へと向かって行くことを告げているようでした。
個人的に、今回一番感動したのはこの楽曲だったかもしれないです。イントロのギターを聴いた瞬間になぜか涙してしまうという…。
自分がラルクをよく聴くようになった頃にリリースされた楽曲で、日頃あまり意識はしていませんでしたが、心のどこかにしっかりと刺さっていたのかなと思います。
hydeさん,tetsuyaさん,kenさんの3人は花道の先頭に登場。hydeさんとkenさんは、時にファンサも挟みつつ歌唱や演奏をし、真っすぐセンターステージへと戻っていきます。ただ、そんな中でtetsuyaさんだけ花道を下りて、客席と同じ高さの場所を歩いていたのが目に留まりました。
センターステージと花道の他にも、観客席の近くに小さなステージ(お立ち台ぐらいのサイズ)があるみたいで、そこにも立って演奏していました。より観客の近くに行ってあげたい、といった優しい気持ちを感じ取りましたし、ラルクのリーダーがこの人で良かった、なんてことも思いました。

⑥Killing Me

以前のアリーナツアー「MMXX」では日替わりで披露されており、自分は2公演行ったもののどちらでも観られなかった楽曲。
今回ようやくお目にかかれて嬉しかったです。AメロやBメロでは思わず裏拍でリズムをとりたくなってしまい、周りの人のこと混乱させたかな…と、気にしちゃうこともありましたが、終始アップテンポで楽しく聴けました。
あとは、結構色んな人の感想でも見かけた、曲の最後でhydeさん、tetsuyaさん、kenさんの3人が1か所に集まるフォーメーション。こんな近くで演奏することって滅多にないと自分も感じたので、良いもの見せてもらったな…って気分でした笑

⑦MY HEART DRAWS A DREAM

過去のライブではわりと中盤のほうに披露されることが多い印象ですが、今回は一番最後に披露されました。
個人的には、この楽曲が今回のライブで一番最後に披露されたことにすごく意味を感じました。冒頭でも少し触れた、「コロナ禍当時のやり切れなかった想いを払拭したい」気持ちを感じた演目とは、この楽曲のことです。
この楽曲の最後のほうで「夢を描くよ」という歌詞を観客全員で歌う箇所がありました。ただ、コロナ禍におけるライブでは声出しがNGだったので、口を閉じても歌えるハミングに取って代えられました。一人ひとりの声がか細くても、ひとつになればステージ上のメンバーに届く光景には感動しましたが、歌声を届けられていた頃と比べると、少しもの寂しい印象は否めませんでした。
そんな楽曲を一番最後に持ってくることで、「声出しができる嬉しさ・楽しさ」、ひいては「コロナ禍に我々が打ち勝ったこと」を伝えたかったのではないかと感じました。実際に自分も久々に「夢を描くよ」と歌えて楽しかったですし、最後のhydeさんの「声出せるようになって良かったね」とか、tetsuyaさんの「(黄色い声を煽りながら)声出せるのって楽しいね!」といった言葉からも、そんな想いを感じました。

○MCについて

楽曲の合間で何度か挟まれたMC。
メンバー全員ががっつり話すのは後半のほうでしたが、今までと違うのは「AIによる自動英訳機能」が導入されていたこと。各メンバーが喋ると同時に音声認識して、日本語の字幕化→英訳して字幕化をして映していました。
それを使って遊ぶメンバーの姿もまた微笑ましかったです。代々木でのライブを観に行ったときに、kenさんが「俺の棒を左右に振ったら根元があかぎれした」なんていうひどい言葉を英訳させようとしていたこともありましたが(笑)
あと、さいたまスーパーアリーナでの公演から会話機能が追加されました。質問を投げかけると回答が返ってくるのですが、読み上げ機能もついているので、まるでAIと会話しているよう。ただ、精度は今後に期待といった感じで、質問内容が上手く受け取られなくて暴走するAIの声を振り払うようにしていたkenさんの姿も印象的です。
それでも、tetsuyaさんが「ラルクのMCで盛り上がる内容を教えて」と聞くと「hydeのユーモアなキャラクター、tetsuyaのコール&レスポンスなどで観客を巻き込むやり取り、kenの奇想天外な話題、yukihiroがたまにする冷静なコメントは、多くの人に特別な体験をもたらします。」と返ってきて観客一同騒然としていました。
まあそんなことがあったMCパートだったのですが、こうして色んな技術を取り入れてみる姿勢が良いな、と改めて思いました。それでいて、「これちょっと面白そうだから取り入れてみようか」なんて軽いノリで取り入れたような余裕が感じ取れるのもラルクらしさですよね。特に、AIと会話して成立するMCなんて日本初か、はたまた世界初か…。少なくとも自分は初めて見ました。

あと、アリーナ席でライブを観た際に、花道を歩きながら喋るhydeさんがその裏でお尻をポリポリ掻いているのが見えたことも印象的でした(笑)

さいごに

そんな感じで、無事に全日程終了した今回のツアー。
当初の触れ込み通り、「あまりライブで披露してこなかった楽曲」にスポットが当たっており、自分が過去に観てきたどのライブとも違う味わいのするものでした。
HONEY,READY STEADY GO,Driver's High,REVELATION…このあたりのライブ定番曲がセットリストに入っていないのに、こんなに多幸感があるし、ちゃんと「ラルクのライブに来た」実感も得られました。

そして、今回このコンセプトのライブが実現した背景に、tetsuyaさんが行っているプロジェクト「Like~an~Angel」の存在があるように思いました。
ラルクのコピーバンドというコンセプトで、去年より発足。実は自分も一度ライブを観に行ったのですが、かなりレア曲揃いのセットリストでした。改めてセトリを見返してみても、今回の「UNDERGROUND」ツアーのセトリと結構似ているような印象を受けます。
Like~an~Angelのライブで楽曲を披露されたtetsuyaさんが手応えを感じて、本家であるL'Arc~en~Cielのライブに逆輸入した。
そんなことがあったんじゃないかな、と妄想しました。

そしてそして…
2012年にリリースされた「BUTTERFLY」を最後に、ラルクさんってもう12年ほどアルバムリリースしていないんですよね。
シングルはいくつかリリースされていますが、まとまっての新曲追加はずっと無い状態です。
そんな中でも、なんだかんだで年イチぐらいのペースでライブをしているし、毎回ちゃんと違ったテイストになるのが凄いなと。それほどまでにラルクの歴史が深くて、作られてきた楽曲も色とりどりなんだなと改めて感じられました。
(先月オンエアされた「関ジャム」のラルク特集内で、hydeさんが「そろそろアルバム作りたい」と言ってくれていたので、ぼちぼち何か動きが無いかな…とも思っていますが)

今回のコンセプトのライブがとても良かったので、ぜひまた「UNDERGROUND 2」みたいなライブもやってほしいですね!!
個人的に聴きたい楽曲はこんな感じ。何曲かやってくれるかな…

・Floods of Tears
・Inner Core
・Still I'm with You
・The Rain Leaves a Scar
・LORELEY
・Promised land
・賽は投げられた
・Peeping Tom
・The silver shining
・Lover Boy
・Coming Closer
・AS ONE
・なんなら「GRAND CROSS」の再現ライブ(!?)

追伸

実は、30th L'Anniversary Liveで、自分の中で1,2を争うくらいに聴きたいと長年思い続けていた「Sell my Soul」が聴けて(しかも、姉妹曲である「いばらの涙」ともセットで!)、少しだけ燃え尽きてしまったような感覚がありました。
ただ、今回のツアーでこんな昔の楽曲もやってくれるんだという希望のようなものも改めて抱けました。次聴きたい楽曲を載せたのもそうした気持ちがあるからですが、また期待しちゃってもいいのかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?