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DJあかい、ムーミンパークへ行く

このタイトルで笑ってしまった人は5年10年の古参フォロワーなので同窓会費として5000円サポートしてください。嘘です。
さて、なぜムーミンパークに行くことになったかと言うと子供が休み中にムーミンに行くとお友達に宣言してしまったために、雨が降ろうが槍が降ろうが、「ムーミンには過去の因縁が…」と言おうが、行かなくてはならなくなってしまったのである。川を背にして兵糧を捨てて臨ませるような、まさに背水の陣、きっと我が子は楚漢戦争期に転生したとしても名将としてその名を残したに違いない。


さて、ムーミンパークは埼玉県飯能市というムーミンパークを訪れる以外に立ち入ることのない僻地にある。東京都内からは西武鉄道という座席のシートが乗客によって切り取られてしまう無法地帯を走る電車に乗ってアクセスすることができる。都心から離れていくにしたがってだんだん畑や森や擁壁が目立つようになり、「埼玉は平地という印象が強いが、平地に人口が密集しただけであり、擁壁や高低差のある地域は人が集まらず廃れていったのだ。擁壁や高低差のある地域に好んで住む神奈川県民とは違うし、本来横須賀市であるべきエリアや大和市であるべきエリアにも横浜市の冠を与えた横浜市民とも違う」ということに気づく。窓の外は適格証明が必要な土地ばかりになり、二度と東京には戻れないくらい都心から離れ、疎開した人たちもこういう気持ちだったのだろうかと想いを馳せる。8月だし。もうすぐ飯能に着こうかとする頃、なぜか広い敷地に1基だけ立っているお墓が左手に見えた。ドラクエであれば高名な王や英雄の墓でイベントが発生するところだが、今日はムーミンイベントでお腹いっぱいなのでそのイベントはドラクエ好きの誰かに譲ることにした。

飯能駅に着くとスタバがあった。うちの地元にはないのに…飯能のくせに生意気だぞ!と何かムカつくことが起きるたびあのスネ夫が弾ける〜🎶と星野源SUNを口ずさみながら飯能駅の長い駅ビルを抜けて1番乗り場からメッツァ行きのバスに乗り、ムーミンパークへと向かう。飯能は駅徒歩1分に開発の兆しがない更地が点在する限界都市だが、その駅からさらに山に向かうこと10分ほど、セガサターンのテーマパークで作ったようなだだっ広い駐車場へとたどり着く。めちゃめちゃ暑く、セミの声ばかりが響く、さながらセーミンパークの如く、であるが、入口のパラソルのゲートなんかは安上がりながらも素敵な感じがした。

パラソルを抜けると眼前に広がる宮沢湖。そう、ここはメッツァである。セミが鳴く北欧である。イェーイ、メッツァホリデイ!ウキウキな夏希望!メッツァはムーミンパークより先行してできた北欧体験!みたいなよくわからん小物屋やアスレチックやカフェがあるよくわからんエリアである。田舎にある朽ちていくだけのアスレチックセンター、少子化を僕らに教えてくれる施設、そんなものたちもできた当初はこんなに明るく新しかったのか、両親の若い頃の写真を見たような気持ちになるエモ施設、それがメッツァである。

さて、メッツァを歩くこと数分、やっとムーミンパークへたどり着いた。ムーミンパークの特徴はなんといってもパスポートではなく入場料+各アトラクションの従量課金方式であることだ。21世紀の、いや令和のこの時代にアトラクション課金制とかどこの昭和だよ!10年前に行った東武動物公園かと思った。入場券アトラクション周りは全部スマートフォンでできるというアンバランスさ。昭和と令和の融合や!

公式もツイ廃推奨。

パンケーキは美味しい。(しかしいいお値段)
なぜかパンケーキを食べただけで諭吉がいなくなるのかは解せないが、気を取り直して先へ進む。
ムーミンパークの地図⬇︎

ショーの時間なので劇場に向かうと、高温なので演者の健康を考えて挨拶だけの短縮版に変更とのこと。つらい。ひらパーみたいなことになってはいけないのはわかる。わかるけども、僕らも暑い中飯能のさらに奥のメッツァのさらに奥まで来たのだ。そこのとこ考えて欲しい。パンとサーカスを取り上げられたローマ人のようなものだ。そりゃ観衆は剣闘士を煽るわ。スパルタクスも反乱起こすわ。人類は2000年経っても変わらんのやなと実感する。

次は予約した海のオーケストラ号のアトラクションに向かう。時間指定で予約が入れられるので基本的に待ちがなく快適。(客が入っていない可能性もある)海のオーケストラ号は、ムーミンパパが若い頃にスナフキンのお父さんたちとパーティーを組んで冒険した話。ダイの大冒険で言うところのアバン先生のハドラー討伐みたいな前世代の冒険譚。ハリーポッターに対するファンタスティックビーストみたいな。天涯孤独のムーミンパパが仲間たちとの冒険譚を経て、今では自分の家族を持って幸せに暮らしてるってとこにジーンときた。ムーミンパパをパパ視点で見てしまう。割と水が散ったりして子供も楽しんでた。(暗いのでビビってたけど)

その後はリトルミイのプレイスポット。ミイがムーミン谷に住みついた経緯を上映するんだけど、子供たちと行くと笑ってしまう面白い仕掛けがあるので是非行って欲しい。

ムーミンの家を媒介をもらい、瑕疵担保免責ですね、樹木越境の覚書取ってきますねと確認する。

(建物は取り壊し前提で土地で売るか…)

暑すぎるので適宜ドリンクを飲みながらもう外は無理!と結論してKOKEMUS(博物館)に向かう。中は涼しく、ムーミン誕生以前や各作品の紹介やキャラクター展示やでっかいムーミン谷のジオラマなどなど来たからには行って欲しいコーナーにはなっていた。が、最後のキッズコーナーでうなだれてる他所のお父さんを見て「わかる、わかるよ」と連帯感を感じた。

フィンテックグローバルが6億で西武から土地を買い、多分それ以上のお金をかけて造成した気合いは感じるので是非行って欲しい。2回目は各人の判断に委ねたい。しかし当初の予定では立川に作る予定だったと聞くからそれ考えると飯能でよかったのかなとは思う。(立川だと車混みそうだしこじんまりしそう)
全般的に感じるのは建物のドアや扉の開き方がなんかおかしい。法適合しか考えない設計士が図面引いた建売みたいになっている。(多分行けばわかる)
あとはお土産のラインナップは練られている。たぶんオリエンタルランドとか競合をよく研究してる。ポップコーンバケットがディズニーと同じ価格なのには卒倒したが。
一度は話の種に行ってみたらどうやろか。子供大きいなら一緒に宮沢湖を横断してもええやろし。

そんなこんなで割と楽しくは過ごしました。ではまた!


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