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Interview with Tim Follin (1990)

Original Text: Interview of the Month from Lethal News Issue 6 (1990), Bonzai
by Kwon/Bonzai

新規出発した『Lethal News』第1号では、著名なミュージシャンTim Follinのインタヴューをお届けする。

このインタヴューはKwon/Bonzaiによっておこなわれた。
手伝ってくれたXerox/Amnesiaに感謝。

K = Kwon.
T = Tim Follin.

K: やあ、Tim。(どうにかして話を始めなきゃいけなかったんだ!!!)
T: やあやあ!
K: 自己紹介をお願いできるかな。生まれた年や年齢、君の知ってる何やかんやについて!
T: 生まれは1970年だね……。
K: ていうことは今19歳?
T: いや20歳だよ!
K: そうだったんだ!
T: 兄弟はふたりいて、ひとりはMike Follinといって僕と一緒に働いているプログラマ。彼はSpectrumで何作がゲームを作ってるよ。たぶん、君の聞いたことのあるものはないんじゃないかな。
K: お兄さんと一緒に仕事を始めたの?
T: いや、彼が僕をこの七面倒くさい世界に引きずりこんだんだ。君も知ってるだろうけれど、何ていったか、Superior Strikerみたいな名前のゲーム[正しくはSubterranean Stryker]の楽曲を作るよう彼が頼んできたことがって、僕はその作品の音楽をやるよう言われたんだ。
K: Mikeって、C64のミュージック・ルーチンをプログラムした人?
T: いや、それをやったのはSteven Rudd[Stephen Ruddy]って人だ。
K: ほかの兄弟について教えてくれる?
T: ほかのって?
K: ふたりいるって君が言ったじゃない。忘れたの?
(両者笑)
T: 失敬、僕としたことが、何かほかのことと勘違いしてた。いいや、もうひとりはコンピュータ業界にはいないよ。
K: [デモシーンの]グループに今までいたことはある?
T: いや、興味を持ったことも、参加しようと気を起こしたことも一度もないね。言うまでもないけど、僕は音楽をやってる時が楽しいんだ!
K: そりゃそうだ。64のゲームだと何の音楽を作ってきたの?
T: うーん! かなりあって、全部の名前は言えないよ。でも15作程度じゃないかな。一番新しいやつは君も知ってるだろう――Ghouls 'n' Ghosts[大魔界村]だ。
K: うん、知ってるよ。タイトルテーマはとっても不気味で。
T: あれ……聞いたことあるの?!
K: うん。大好きだよ。
T: ありがとう。
K: どういたしまして!! ところでその曲を作るのにどれくらいかかったの?
T: どれくらいかなあ……よくはわからないけど、2、3日じゃないかな。その曲に関してはかなり夢中になって作っていたらから、結構はやくやれたと思う。
K: どの曲が一番好き?
T: うーん……そうだなあ……個人的に言うなら……えーと……考えておくよ。
K: 君が以前に作った曲をいくつか聞いたことがあるんだけど。リードがトランペットそっくりに聞こえるやつ。大好きなんだ。
T: ああ、僕の音楽でそんな音を使ってたこともあるね。
K: ねえ! Bionic Commandoの音楽は君がやったの?
T: そうだよ!!! 気に入ってもらえたかな?
K: 素敵な曲だね、ぐいぐい前に進んでく感じで。僕は好きだよ。
T: 実をいうとその曲はアーケードの移植(Arcade Conversion)なんだ……。つまりね、言ってみればそれはアーケードの移植をする風にして始まったんだ! 何が起こったかというと、タイトル曲を移植してたんだけど、ちょっとそれが発展して、自分の手が滑って自分が当初思い描いていたものとはかなり違うものになってしまったという。やれやれ!
K: 曲を作るときは、どんな機材を使ってるの?
T: そうだなあ……キーボードとか? いや。僕はメモリに直接曲をタイプしてるだけなんだ!
K: 64以外のマシンでは曲を作ってるの?
T: 作ってるよ。SpectrumやAmigaでもね。Atari STも試しに使ってみたけど、自分には合わなかったな。64が一番良い音がすると思ってるよ!
K: そうだよね、僕も好きさ! コモドール最高!! 実際の音楽はどうなの?
Y: あるバンドではキーボードを演奏してる。ギターの弾き方も知ってるよ。そのバンドでは、僕たちは主にむちゃくちゃうるさいロックを演ってる。
K: どんな音楽を聴いてる?
T: Deep Purpleは大好きだね!
K: Zeppelinはどう?
T: ああもちろん好きだよ。そんな感じの昔のバンドはみんな僕のお気に入りに入ってる。
    XXXXXXXXってバンド(聞き取りできず――編者)は知ってる?
K: いや全然!!!
T: そのバンドの曲の入ったテープを何本か送るよ!
K: 良いね!!! それじゃ僕はその時はデンマークのロックミュージックの入ったテープを何本か送るね!
T: 素晴らしい!
K: 最近だと、どのバンドが一番良い感じ?
T: 少しもいないよ!!! Guns N' Roses、いや少なくとも連中の演ってる音楽の一部ってとこだ。
K: それじゃあ最悪なバンドは? (辛辣だこと!――編者)
T: 参ったなあ、リストを作ることができるだろうね!!!
K: コンピュータ・ミュージックの話に戻ろう。今は具体的にどんな作品の曲を作ってるところなんだろう?
T: 64版のGauntlet 3の音楽を作っている最中だよ。Spectrum版とAmiga版も多分やることになるんじゃないかと思う。
K: 進み具合はどんな感じ? 風の噂に聞くところでは25%だっていうけれど。
T: 本当かい? どこでそんな噂を耳にしたの?
K: VibrantsJCHが25%くらいじゃないかってぼそって言ってたんだ。
T: (笑)。25%どころじゃないよ。でもまあいい感じになるんじゃないかな! 正確にはどれくらい進んでるかわからないけど、あんまり出来てはいないね。
K: これから先の計画は何かある?
T: よくわからない。だって僕は時代に逆行してる感じがしてるんだ。このマシンに留まりはしないだろうね……。
K: うん。人は選択しなきゃいけないものさ!!!
T: そうだね、すぐにでも飛び立って行かなくちゃ!
K: Amigaについてはどう思う?
T: 特には。ここしばらくの間はAmigaにつきっきりになるだろうね。
K: コンピュータとともに費やした時間を今まで後悔したことはある? 何か得たり失ったりした?
T: いや、自分のしたことを後悔したことは一切ないよ。少なくとも何も失っちゃいない。それどころか音楽の演奏という点では、たくさんのものを僕は得てきたんだ!
K: もし全てのことをもう一度やり直せるとしたら、代わりに何をしたい? もしTim Follinじゃなかったら誰になりたい? シュワルツネッガー、サッチャー、それともサダム・フセイン?
T: フセインも悪くないね……いやマジにいうと、もしもう一度何もかもやり直せるなら、自由(the freedom)を持ったひとりの人間になりたいね……そうだな……山脈のなかに身を落ち着けているような!!!
K: ゲーッ、僕なら勘弁願いたいね!
T: 雑誌[本誌『Lethal News』 第6号を指す]を僕に送ってもらえる? そうしたら君が僕について嘘八百書いてるか確かめられるから!
K: もちろんそのつもりだよ!(くだらないことを書かなきゃね!――編者)    そろそろやめにした方がいいんじゃないかな。かなり長くなってしまったし。インタヴューを受けてくれてどうもありがとう。
T: どうも!

このインタヴューはTim Follinとの約1時間の会話を要約したもので、これ以外にもたくさんのことを僕たちは話した。

Translation: Takashi Kawano

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