ビジュアルは世界観構築に大事という話:創作のための戦訓講義56


事例概要

発端

※ドラマ改変騒動の中で出てきた話題。そういえばドラマは剛力彩芽が黒髪ショートで出てたね。

確かに

※なんか世界観かわるというか別のジャンルじゃない? となるやつ。

※少なくとも黒髪ロングくらい守れやという話でもある。

個人見解

 ライトノベルやライト文芸(それこそ『キノの旅』や『ビブリア古書堂』)は表紙イラストにキャラクターがきちんと描かれているので世界観構築の一端にキャラクターのビジュアルが作用しているケースはあるだろう。

 一方、世界観にキャラビジュアルが作用しているというより、既に構築された世界観の維持にビジュアルが作用しているのではないかとも思う。つまり『キノの旅』の世界観を構築しているのが主人公キノのビジュアルである、と考えているわけだが……。既に我々が認識する物語世界観とキノのビジュアルが連結し、「この世界観にはこのビジュアル」と思っているのではないかという因果の逆転現象が起きているかもしれない。

 上の例ならば、我々は『キノの旅』の世界観イメージを主人公の中性的なビジュアルによって構築されているとも考えているが、それはキノが最初からあのビジュアルで我々に出されているからかもしれない。それこそ屈強な長身の大人の女性がキノのビジュアルとして用意され、他の何も変わらない作品が最初に出されていたらそれこそを『キノの旅』の物語世界と認識し、中性的な少女を主人公にすることこそ「考えられない!」と思うかもしれない。

 このあたりは鶏が先か卵が先かという話ではあるのだが。ドラマ化に際しコスプレ祭りになるのもなんだかなという感じだが、黒髪ロングくらい守っとけば損しないのに……とがっかりするわけだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?