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【デュエプレ】4cメンチ斬ルゾウ【2期連続最終2位】

こんにちは。ばんちきです。
デュエプレをメインにプレイしている方ははじめましての方も多いかと思います。

まずはガロウズゴクドラゴンカップ、お疲れ様でした。

終盤の1週間に飛び入りのような形でランキングレースにお邪魔させていただき、ND最高レート1765,最終2位という結果でした。悔しい。
デュエプレのラダーを走るのは初めてだったので、新しいタイプのヒリつきを体感できて非常に楽しかったです。
最高レート1800超えてる人たちは間違いなく変態です。

そんなわけで今回は、ラダーで使用した【4cメンチ】についてです。

期間中は全試合【4cメンチ】のみ使い続けたので、理解度はある程度仕上がっていると思います。

それでは本題に移ります。


※03/16

18弾環境、お疲れ様でした。
思いのほかデュエプレが面白かったため後期もラダーを走りましたが、目標としていた最終1位もレート1800も達成できず、18弾環境は前期と後期の2回どちらも最終2位という結果でした。

2つの目標を達成するべく、紙のデュエマがオフシーズンの際は積極的にデュエプレをやろうと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。


※03/09 追記更新(約5000字)

18弾環境の煮詰まりに伴い、デッキリストや考え方などがより深まったため、記事に追記する形で解説いたします。

目次:03/09 更新 以降から追記しますので、前半部分を既に読んでいて飛ばしたいという方は目次機能をご活用ください。

デッキリスト

主にこの記事で解説されているリストを参考にしています。
知見を得るために、解説記事内で紹介されている記事も読み込みました。

記事のリストを基盤としつつ、回していくなかで扱いやすいように微調整を行い、次のリストを1つの仕上げの形としました。

珍しい部分で言えば、《フェアリーホール》と《ババン》が合計3枠分採用されているところかと思います。
ここについては採用カード解説の項で掘り下げます。

基本的には《大番長》が場にいる状態での《ホワグリ》+《5コストホール》による《メンチ》覚醒を狙って立ち回るため、ブーストの目標地点は9マナです。


不採用カード解説

・《声援》《ウルコス》

9枚目以降のブースト兼色補完として採用されるカードです。

《声援》はトリガー持ちであるため、各種速攻の刻みに対して踏ませることができるとテンポリードを得られます。

《ウルコス》はパワーが高く、《ブレイズクロー》や《ザビクロー》などの1000ラインを上から踏めるため、各種速攻に対して複数回の殴り返しが期待できます。

ただしこれらは、初動としての役割を果たすために火もしくは光のマナを追加で要します。
初動を通すために《リュウセイホール》や《ヨーデル》を埋めることになってしまう展開が珍しくなく、そうなってしまっては本末転倒です。

デュエプレの性質上、多色カードをマナチャージしても文明は使用可能になるため、たとえマナに火文明がない状態でも《リュウセイホール》をキープした方が良いシーンはよくあります。
例えば、マナに光はあるものの火がない状態で、「《ジオブロンズ》+《ヨーデル》+《リュウセイホール》」のようなハンドの場合がこれに当てはまります。
仮に《ジオブロンズ》が《声援》だとすると《リュウセイホール》を埋める展開になりやすいため、《ヨーデル》以外のハンドが強くないと中盤でコケます。

このように、本来ギリギリまでキープできたはずのキーカードを埋めざるを得なくなる状況を極力避けたかったため、今回は不採用としています。


・《悠久》

《メンチ》から射出して《ヘブンズゲート》などを完封したり、踏み倒しメタとしてシンプルに召喚してターンを稼げるカードです。

特に【ルドルフ天門】に対して強力で、早期着地するとそのまま殴り続けてゲームセットという展開も起こり得ます。

【4cメンチ】のミラーマッチでも有効であったりと環境への通りが良いため、《鬼丸覇》を1枚削って採用していたこともあります。

このカードの不採用理由については後述します。


デッキコンセプト

デッキリストの項でも記載したように、「《大番長》が場にいる状態での《ホワグリ》+《5コストホール》による《メンチ》覚醒」を目指すため、9マナまで伸ばすのがこのデッキにおける明確な目標です。

5マナのタイミングで《ヨーデル》+《大番長》を通した場合、その後のマナカーブは5→7→9となり、《大番長》の開始時ブースト込みでぴったり9マナに到達します。

つまり、7→9となるタイミングで《大番長》のブーストもしくはマナチャージが濁ると、《メンチ》覚醒によるキルターンがそのまま1ターンずれ込みます。

これが非常に致命的で、先攻の利点をそっくりそのまま失うことになります。
例えばミラーマッチで相手も後攻4ターン目に《ヨーデル》+《大番長》などで追いかけてきている場合、7→9のタイミングで濁って渡したターンの致死率はかなり高いものになります。
仮にそのターン中すぐには負けないとしても、豊富なマナから除去を連打して《大番長》が処理され、こちらの勝利が遠のく展開がほとんどです。

この展開を避けるため、【4cメンチ】における多色の枚数は必要最低限まで落とした方が良いと考え、《声援》や《ウルコス》といった多色の初動や《悠久》を不採用としています。

7マナのタイミングで一発ブーストを挟むことで7→9の濁りを回避することもできますが、本来そのターンは《吸い込む》でのコンボパーツ回収や《リュウセイホール》+《パンツァー》,《N》でのリソース回復など他にやりたい動きが多いため、わざわざブーストを打つためにターンを使いたくありません。
加えて、次のターンに勝つための《ホワグリ》などのコンボパーツも追加で引いておく必要があるため、ハンドの要求値も相応に高いです。

7マナ時にきっちりリソース回復やパーツ回収を遂行するためにも、7→9のアンタップインを強く意識した構築にしています。


採用カード解説

・《ライフ》《ジャスミン》《ジオブロンズ》

2コストのブーストは特に言うことなしです。
当たり前かもしれませんが、《母なる大地》ケアのために極力《ジャスミン》はマナに置かないように意識します。
【Nエクス】や【ババンディメンジョン】などの《母なる大地》を採用しているデッキに対してほとんどの場合《永遠》が有効で、マナに《N》や《ヨーデル》といった強めのクリーチャーしか落ちていない状況を作ることで、《永遠》に《母なる大地》を撃ちづらくなります。

ブーストの9,10枚目は、個人的には《ジオブロンズ》と《青銅》の2択が最有力だと考えています。
これらは単色である点がなによりも強力で、先述した《大番長》のブーストを踏まえると、序盤から終盤まで影響する重要な部分です。
《ジオブロンズ》はだいたい二分の一でドロー,《青銅》は先攻時のアグロに対する殴り返しが魅力です。

ブーストの11枚目を採用すると「序盤動けずに負け」という展開こそ多少減りますが、総合的に山札の質が下がることによって中終盤に出す《N》のバリューが下がり、芋づる式に《ババン》や《鬼丸覇》のバリューも下がってしまうため、デッキパワーを重視して10枚に抑えています。


・《吸い込む》

基本的には他のデッキと同様の使い方をしますが、このデッキにおいては山札の下に送られたカードの順番を極力覚えておいた方が、このカードのバリューをより引き出せます。

結局《N》で混ざることになって徒労に終わることも当然ありますが、《ババン》でメガブーストを行う展開がよくあるデッキなので、《吸い込む》によって固定されたボトムまで山札を掘り進めることも少なくないです。

ボトムの《N》の位置を把握しておくことで取れるゲームプランの選択肢が一気に広がったり、ボトム固定によって《ビクトリーラッシュ鬼丸ヘッド》のガチンコ値を調整することができたりと、ボトム把握はゲーム終盤に大きな影響を及ぼします。
影響が出るのがゲーム終盤である以上、毎度毎度ログからボトムを確認していては思考時間が削られてしまうため、可能であれば記憶しておくのが理想です。


・《リュウセイホール》

《紅蓮の怒》を出すだけなら誰でもできますが、既に《大番長》が着地した後の拮抗した中盤における、ドローorブースト,《パンツァー》or《リュウセイ》の択がかなり難解です。

そこに至るまでの相手のマナチャージやプレイしたカード,自分の盤面や手札の状況によってすべて正着が異なるレベルなので、正直言語化が難しいカードです。

正着である可能性が高い択が見いだせずに迷走した場合は、「リソースを伸ばす択」を選んでおくのが無難です。
おおよそはブーストorドロー+《パンツァー》で、この2択であれば判断材料はブーストorドローのみです。

大規模な調整チームに所属している方などは、このカードの正着を複数人で考察する時間などを設けても面白いと思います。


・《フェアリーホール》

9マナ時の《ホワグリ》+《5コストホール》というコンボを目指す関係上、マナゾーンに1枚はホール呪文をあらかじめ置いておくのが理想です。

しかし、《リュウセイホール》は手札からシンプルに唱えたい状況もよくあるため、マナにホール呪文を置けない展開も当然起こり得ます。

「マナにも置きたいし手札からも使いたい」という要望を4枚の《リュウセイホール》のみで解決するのはやや難しく感じたため、《5コストホール》のカサ増しとして《フェアリーホール》を1枚採用しています。

終盤の《メンチ》覚醒の安定性が増すほか、単純に序盤の《大番長》にアクセスできる確率も上がるため、再現性を高めるためにも個人的に1枚は採用しておいた方が無難だと思います。


・《ババン》

このデッキの「9マナまで伸ばす」という目標と相性が良く、「《ホワグリ》+《5コストホール》による《メンチ》覚醒」or「《ババン》によるブーストからの展開」という2つの軸でゲームを組み立てることができます。

これは特に《ファンク》や《スーパーヒーロー》による超次元メタを多く採用しているデッキに対して有効で、《メンチ》をケアすると《ババン》が通り、《ババン》をケアして先に展開すると《メンチ》+《唯我独尊》による盤面処理が通るという2択を押し付けられます。

このカードについては、1枚目は確定枠,2枚目は自由枠という考え方をしています。

1枚を確定枠としているのは、《ファンク》と《スーパーヒーロー》の存在が大きいためです。
超次元メタに対するメタカードとして《エターナルサンクチュアリ》などがありますが、メタに対するメタを採用する行為は基本的にデッキパワーを下げてしまう場合がほとんどで、デッキの目指す本筋から離れてしまいます。

そのため、超次元メタに対しては『勝手にやっててください』という姿勢であまり付き合わず、《ババン》によるメガブーストから一気に倒しきるプランを取るのが有力だという考え方から、マナ爆誕も踏まえて1枚は採用しておく方が無難だという認識です。

今回は【ルドルフ天門】などのコントロールに対する勝率を上げるべく、このカードをよりプレイアブルにしたかったため、多めの2枚採用としています。


・《鬼丸覇》

このデッキは《鬼丸覇》で勝つことを目標にしている他のデッキと比較するとガチンコジャッジがそこまで強くないため、最優先で展開するフィニッシャーというよりは、不利な状況を捲ったり、スパークをケアするために出すことが多いです。

特に《ババン》や《N》と相性が良く、どんなに不利な状況でも、《ババン》登場直後の16マナから《N》+《鬼丸覇》という逆転要素が残っています。

その際、ガチンコ値で勝ってもう一回自分のターンが来た場合は、無理に突っ込まずに《ババン》と《N》によるリソースを元手にして再度コントロールを行うプランも考えられます。
「手札5枚とアンタップマナ16を生み出すクソデカ《エクス》」としての運用方法は【ルドルフ天門】対面などでそれなりに起こり得ます。

フィニッシャーとして勝ち確を生み出すほどの決定力があるわけでもないのにこのカードを2枚採用しているのは、逆転性能を高く評価しているためです。
《鬼丸覇》でしか捲れない盤面は往々にして存在するため、「いかにしてこのカードを引き込むか」という状況に陥った際にアクセスできる確率を上げるために、《悠久》と散らす択を捨てて2枚採用としました。


おわりに

今回は初のデュエプレの解説記事となりましたが、いかがだったでしょうか。

非常にデッキパワーが高い上に選択肢が多くフィニッシュもパワフルなため、紙のデュエマプレイヤーにもぜひ使ってみてほしいデッキです。
ワンミスや分岐ミスでまぁまぁ負けるので、かなり味します。汁も出ます。

ここから勝ったときえぐい汁出た

真剣にデュエプレに取り組んだのは初期の《ダイヤモンドブリザード》以来ですが、プレイヤーが当時よりもかなり増えているため、SNSでの発信も含めてかなり面白いゲームだなと感じました。

しばらくは紙のデュエマとワンピースカードゲームに戻りますが、今回の結果が正直かなり悔しいので、またどこかでラダーを走ることになりそうです。
今度は一ヵ月フルで参戦しようと思いますので、対戦よろしくお願いします(^^)v


宣伝

3/4(土)、紙のデュエマの全国大会〈最強位決定戦〉が開催されます。

突然デュエプレのラダーに現れたのもこれがきっかけで、参加者と同じくらいの熱量で全国大会に臨みたかったためです。
DMPランキングも条件が合って機会があれば走ってみたい……

僕は参加者ではありませんが、一人のプレイヤーとして、アツいゲームを文字にして皆さんにお届けしますので、是非ともよろしくお願いいたします!

公式で生放送もあるので、デュエプレのプレイヤーの皆さんもぜひ一度観戦にきていただければ幸いです!

それでは。


03/09 更新

デッキリスト

 本記事公開以降も【4cメンチ】を使用していくなかで、様々なカードの試験採用や配分調整を行いました。

 その結果、環境の変遷に合わせて構築のどこを変えれば良いか、という部分が自分の中ではっきりとしたものになり、次の45枚を【4cメンチ】における個人的なおおよその確定枠としました。

確定枠

 この45枚がこのデッキの根幹を成す部分で、いたずらに配分をいじると目に見えてデッキパワーが下がってしまうと考えています。

 大きく認識が変わったのは《ババン》の2枚目で、以前は2枚目を自由枠と考えていましたが、現在は2枚目もほぼ確定に近い枠だと考えています。

 試験的に採用枚数を1枚にして回していた時期もありますが、明らかにデッキパワーが落ちていると感じる場面に何度か遭遇しました。

 《ババン》はマナ爆誕を持っているため、マナに置いてある状態でもゲームプランに組み込むことができます。
 少し大げさに言うと、《ババン》をマナに置くだけで「常に手札が1枚多い状態」でプレイすることができ、選択肢が広くなります。

 《ババン》の枚数を削ってしまうと、この「常に手札が1枚多い状態」を作りづらくなるため、タイトなハンドキープを求められたり、《ファンク》や《スーパーヒーロー》を乗り越えるためのハンドの要求値が上がります。

 アグロまみれの環境であれば採用枚数を削ることも考えられますが、情報の共有によって【4cメンチ】や【ババン系統】と対戦する機会が多くなっているため、個人的には2枚採用しておきたいカードです。

 上記のリストで自由枠と呼べる部分はメインデッキ2枠+超次元1枠と僅かなものですが、確定枠の45枚だけでも環境デッキに対して十分に対応できるため、「自由枠が少ない」というのはほとんど気になりません。

 今回は残った自由枠で環境全体を見るべく、流行しているデッキを基に環境を大きく2つに分けて、それぞれ次の2つのリストにまとめました。

 構築についての解説は、次の項「構築の意図」で行います。

リスト1

自由枠内訳:《ホワイトフレア》1,《永遠》1,《流星》1

リスト2

自由枠内訳:《DNA》1,《悠久》1,《パンツァー》1


構築の意図

 前提として、リスト1とリスト2のどちらも「多色11枚以下,火水光各11枚以上」という配分にしています。

 多色の枚数を絞る意図は以前解説した通りで、7→9のマナカーブを安定させるのが大きな狙いです。
 基本的には、多色の枚数が少なければ少ないほどデッキを動かしやすくなります。

 メインの動きである《リュウセイホール》,《ヨーデル》のプレイに影響する火水光の枚数については、これまで紙のデュエマで使用してきた4色デッキでの経験を基に目安を決めています。

 デュエプレは多色マナチャージの仕様上やや計算が難しかったため、「Xターン目にプレイしたいカードの文明の枚数はN枚」という、紙のデュエマにおいてある程度定石化されているものに頼りました。

 デュエプレをメインにプレイしている方には伝わりづらいですが、【4cドッカンデイヤー】における火水闇の枚数調整がこれに近いかなと思います。

 この「多色11枚以下,火水光各11枚以上」という目安をクリアした上で、デッキパワーを損なわず、なおかつ環境に対応できるように自由枠のカードを選択しています。

リスト1

再掲

 自由枠に《ホワイトフレア》,《永遠》,《流星》を採用しています。

 除去と行動制限に枠を割いていることから、中終盤のコントロール性能に長けているのが特徴です。

 このリストは主に【4cメンチ】や【ババンディメンジョン】、【アナカラーババン】が流行している環境で使用しています。

 【4cメンチ】ミラーについては特に言うこと無しですが、《永遠》を3枚採用しているおかげで、【ババンディメンジョン】や【アナカラーババン】に対してビートダウンプランを取りやすくなっています。

 また、《ホワイトフレア》の3枚目を採用することによって、《ファンク》を使ってのテンポロスを狙ってくる【アナカラーババン】などに対して優位に立ち回れます。

 超次元の自由枠については、【4cメンチ】【ババンディメンジョン】【アナカラーババン】の3つに対して《リュウセイホール》から出す基準が「《大番長》>《勝利リュウセイ》>《パンツァー》」であるパターンが多く、これらの3デッキが環境に多い場合は《パンツァー》の優先度が低いと考えています。

 そのため、《永遠》を絡めたビートダウンプランの際や、【アナカラーババン】に対して時間を稼げる点を評価して《流星》を採用しました。

※03/16

【アナカラーザビミラ】の減少に伴い《流星》の価値が落ちていたため、シーズン終盤は《パンツァー》に差し替えて使用しました。

《ザビミラ》を使用したワンショットが環境から減ると【天門】が増えてくるため、相対的に《パンツァー》の価値が上がります。

リスト2

再掲

 自由枠に《DNA》,《悠久》,《パンツァー》を採用しています。

 強力なリソース補充と踏み倒しメタの存在から、【天門】に対して強く出られるのが特徴です。

 このリストは主に【赤白速攻】などのアグロ系統が多く、それに応じて【ババン】が衰退して【天門】が増えている環境で使用しています。

 スパークの枠を《ホワイトフレア》の3枚目ではなく《DNA》に割り振っているのは、多色枚数をギリギリまで削るためです。

 《ファンク》に対してのガードは下がりますが、【天門】が出す《ファンク》はその後の動きが遅い場合がほとんどなので、急いで対応せずとも《ババン》や《悠久》のプレイで勝手に形勢が良くなるという考えです。

 また、《DNA》の盾追加が各種アグロに対して有効で、「ギリギリ《永遠》の蓋が間に合わない」という状況を回避できる場合があります。
 終盤《ホワグリ》からスパークを埋めてゲームを引き伸ばす際、盤面1体分捌く必要が無くなるのは大きなアドバンテージです。

バージョン分け

 デッキリスト画像を注視していただければわかると思いますが、複数枚採用しているカードのほとんどでバージョン分けを行っています。

 これは《Nワールド》によって引き直しを行った際に、より多くの公開情報を得ることが狙いです。

 例えば、《鬼丸覇》をノーマルバージョンで2枚採用している際、手札に《鬼丸覇》が1枚ある状態で《Nワールド》による引き直しを行った場合。

 引いた5枚の中に《鬼丸覇》が含まれていたとしても、山札にもう1枚の《鬼丸覇》が残っているかどうかは不明です。

 しかし、《鬼丸覇》のバージョンをノーマルとプレミアムで分けて採用して、手札にノーマルバージョンの《鬼丸覇》が1枚ある状態で《Nワールド》による引き直しを行った場合。

 引いた5枚の中に《鬼丸覇》が含まれていて、なおかつそれがプレミアムバージョンであれば、山札にもう1枚の《鬼丸覇》が残っていることが判明します。

 【4cメンチ】は《Nワールド》によるリソース補充やデッキ回復を何度か行うデッキなので、それと並行して公開情報が広がるのはかなり得をしていると言えます。

 仮にリストの見た目が汚くなっても、貪欲に勝ちを追い求めたいのであれば、持っているカード資産の範囲内で無理をせずバージョンを分けることをオススメします。
 僕は復帰するのが遅かったのでチュリンの《ババン》を持っていません。悔しい。


採用候補カード

 2枠あるメインデッキの自由枠のうち、1枠は「フィニッシュを補強するカード」であることが望ましいです。

 デッキリスト1であれば《永遠》の3枚目、デッキリスト2であれば《悠久》がそれにあたります。

 これは、このデッキのガチンコ値が「強い」と言い切れるものではないため、《ビクトリーラッシュ鬼丸ヘッド》のフィニッシャーとしての能力をそこまで評価していないのが主な要因です。
 例えば【ルドルフ天門】と対戦している際、《メンチ》+《唯我独尊》+《鬼丸覇》単体で攻め込むのはやや不安が残ります。

 ここでは主にフィニッシュの補強に関連するカードを紹介する形とさせていただきます。

《フェアリーホール》

 フィニッシュの精度を上げるというよりは、《メンチ》覚醒の再現性を上げることでよりフィニッシュに向かいやすくするためのカードです。

 以前の解説で「1枚は採用しておく方が無難」と書きましたが、この考え方は変わっていません。

 環境が【4cメンチ】だらけになって《メンチ》覚醒のかけっこになっているような環境であれば、是非とも採用したい一枚です。

《アクアインテリジェンス》

つい最近紙のこのカードに蹴散らされて3位でした。

 《鬼丸覇》のガチンコジャッジを無理やり強くすることで、《鬼丸覇》にフィニッシャーとしての役割を与えるカードです。

 ドロマー系統のデッキから出される《ファンク》を強く弾けるため、【ドロマーエイリアン】が流行しているような若干いびつな環境で輝きます。

 タップ状態のクリーチャーもバウンスできるようなアッパー修正が入れば、アグロ系統に対する蓋としての役割も持てるため、個人的に期待しています。

《ウェディング》

 《ババン》を多投することによって採用を検討できるようになったカードです。

 単体で完結しているのが他を寄せ付けないアイデンティティで、《ホワグリ》を握りしめて《ババン》を着地させる展開がより強力になります。

 文明が終わっている点とシンプルに若干遅い点が弱みですが、採用候補として頭に入れておいて損はないと思います。


《リュウセイホール》の択

 まずはじめに、このデッキは基本的には「9マナ」を目指すデッキです。
 そのため、ほとんどの場合超次元から出すのはなによりも《大番長》が最優先です。

 ランクマッチに潜ったり、Twitterでアンケートなどを覗いてみると、やたら《勝利リュウセイ》を出しているシーンを目にしますが、それは【4cメンチ】でやることではないと思います。

 《勝利リュウセイ》によって稼いだ一瞬のテンポアドバンテージを利用して、打点を追加して一気に出し抜くことができる【Nエクス】などに適したプレイだという印象です。

 【4cメンチ】と【Nエクス】は性質が大きく異なるデッキなので、「まずはマナを伸ばすデッキ」という認識でプレイすると分かりやすいかもしれません。


 先ほど「ほとんどの場合《大番長》が最優先」と書きましたが、当然アグロ系統のデッキに対してはこの定石から外れます。

「分かってます。《勝利ガイアール》で2面処理でしょ?」

 と読み飛ばそうとした方にこそ、一度スクロールを止めていただきたいです。

 確かに《勝利ガイアール》を用いた2面処理は強力ですが、それが正着でないシーンは往々にして存在します。

 ここでは、「相手の打点をあえて取り切らずに《紅蓮の怒》を出す選択肢」を覚えていっていただければと思います。

 このプレイは、手札に《ホワグリ》+受け札のセットが残っている場合や、3ターン目の《ホワグリ》で既に《プリン》が場に存在し、その《プリン》が相手のクリーチャーを1体踏める状況などで真価を発揮します。

 まず、こちらの盤面に《紅蓮の怒》が立っている状態を作ることで、あえて残した相手の打点はかなり動かしづらくなります。

 返しの相手のターン、仮に横に打点を添えて殴ってきた場合、《ホワグリ》や《リュウセイホール》,《ヨーデル》から横の打点への回答を出しつつ、《紅蓮の怒》で殴り返しを行うことで一気に打点を伸ばせます。

 前のターンに《プリン》がバトルに勝って既に《カチコミ》を呼び込んでいた場合、《紅蓮の怒》の殴り返しで《大番長》を出せば《メンチ》覚醒目前です。

 打点追加+《紅蓮の怒》踏み返しの動きで基本的には5~6打点程度なら問題なく用意できる場合がほとんどなので、かなり逆リーサルを狙いやすい選択肢です。

 いいスクショを用意できず大変心苦しい限りですが、アグロに対して《紅蓮の怒》を先置きするプレイは是非とも頭の隅にでも入れておいていただければと思います。

 《紅蓮の怒》の使い方を教えてくれたドギラゴン剣アパッチウララー、いつもありがとう。


各対面の大局観

【4cメンチ】

相性:五分

 一般的な認識よりは後攻でも勝てます。
 ブーストと除去をぶつけ合うミラーマッチにおいて手札1枚の価値は非常に高く、再現性の観点を踏まえると先攻後攻交えて五分の相性だという認識です。

 先4《ヨーデル》こそ厳しいものの、そうでない展開の場合は《吸い込む》+2コストブーストのような2アクションで展開を捌くことによって、後攻にも《永遠》の先着や《鬼丸覇》による逆転といった楽しみが生まれます。

 先4《大番長》に対して単純に《吸い込む》を当てているようではマナの数に差が付きすぎて逆転が難しくなる、という点を考慮して《ヨーデル》を先着させるべき展開もあったりと、プレイの難易度が高いのは後攻側です。

【ババンディメンジョン】

相性:五分~微有利

 【ババンディメンジョン】そのものの出力にかなりブレがあるため、それに伴って勝率もブレやすくなっています。
 《リップル》を複数枚採用しつつ《鬼丸覇》まで採用されている場合は《ババン》の出力が安定するため、勝率が五分に近くなるという認識です。

 相手が《永遠》による制圧を狙ってきた際は《ババン》による切り返しが非常に有効になるので、あらかじめマナブーストや《吸い込む》で積極的に《ババン》を拾いに行く動きを意識します。

 また、この対面は《メンチ》の覚醒に限らず、《永遠》を絡めたビートダウンプランを常に頭に入れておきます。
 【ババンディメンジョン】側のトリガーがそこまで厚くないうえに、《母なる大地》はマナ置きを意識することである程度先んじてケアが可能なため、相手の《ババン》着地前に《永遠》で盾を少し詰めておくだけで大幅に行動を制限できます。

 《ババン》の早期着地が主な負け筋ですが、相手はその後のリソースを《N》に頼り切っているため、《永遠》を召喚して相手の展開を抑えることで十分に逆転可能です。

【アナカラーザビミラ】

相性:有利

 こちらが《ヨーデル》や《リュウセイホール》でマナを伸ばしているのに対し、相手は《青銅》や《クルメル》を使用しているため、マナカーブを形成するカードの出力で差がついています。

 【アナカラーザビミラ】側がこちらのテンポをズラすためには《ファンク》が要となりますが、その《ファンク》を出すための闇がデッキに7枚程度しか入っていないため、当然滅多に出ません。
 仮に上振れて綺麗に《ファンク》を出された際に詰んでしまわないよう、《吸い込む》や《ホワイトフレア》といった除去札を1枚はキープしておくのが無難なプレイです。

 主な負け筋は先攻の246《N》から《ババン》に繋げられる展開ですが、もちろん要求値は高い上に、そのパターンもこちらが先攻の場合はほとんど無問題です。
 ブーストを引けない事故ハンド以外は勝率を出しやすい対面だと思います。

【ルドルフ天門】

相性:有利

 乱暴なマナブーストは避けて手札を大事にしながら《大番長》を着地させ、《N》や《パンツァー》によって手札を維持するゲームを心がけます。
 先攻であれば事故ハンドの5t《ヨーデル》スタートも許容できます。

 相手の《ヘブンズゲート》からの展開より先に《メンチ》覚醒+《唯我独尊》+《永遠》の盤面になればおおむね勝ちです。
 仮に《ヘブンズゲート》からの展開を先着されたとしても、《ヨーデル》を添えながら《唯我独尊》で盤面を踏み荒らすことで、《ルドルフ》から引き当てるナイト呪文に高い要求値を求めることができます。

 ハンデスに対しては《N》や《永遠》,《ファンク》や《ガガアルカ》に対しては《ババン》や《鬼丸覇》といったように、相手の妨害に対して抜け道を用意しやすいため、早々に制圧されて負けてしまうような展開は少ないです。

 山下の《N》や《ホワグリ》の位置を把握しておくことで《ババン》の出力が大きく変わるため、少なくともその2種類は覚えられるようにしておくと良いと思います。

 こちらの盤面に《大番長》がなく、なおかつマナが伸びていない状態での《ヘブンズゲート》による展開が主な負け筋です。

【各種アグロ】

相性:不利

 先攻であればブーストさえ引ければ勝ちやすいものの、後攻はブーストに加えて盾に1枚くらいはトリガーが欲しいため、要求値が高いです。
 ただし、ランクマッチでは正直なところプレイミスによる勝ちを拾いやすいため、勝率自体は微不利程度に収まります。
 アグロ側が正しいプレイを続ければ後攻ははっきり不利だと思います。

 《ホワグリ》+《プリン》や《リュウセイホール》+《勝利ガイアール》といった王道のパターンだけでなく、《リュウセイホール》から《紅蓮の怒》を先置きする選択肢を取り入れることも重要です。

 【4cメンチ】における不利対面はここだけだと考えているため、寄せるためにトリガーを増やして他の対面の勝率を落とすような行為は避け、後攻時の負けはほとんど割り切っています。
 しかし、ラダーの最終日は最終ランキング入り狙いの方が急にアグロを使い始める傾向にあるため、先攻時の勝率を少し向上させる狙いで最終日のみ3コストブースト枠を《青銅》にしていました。

【その他】

 【野菜】,【ドロマーエイリアン】,【Nエクス】,【MRC】などおおよそ五分~微有利以上の対面がほとんどです。

ランクマッチ100戦分のデータ

 ライオネルカップにて、3/18の段階でプラチナからNDレート1600まで上げた際の対戦データです。

 全体勝率が69%と、レートを大きく盛るにあたっては若干心許ない数値となっています。

 これは、五分対面である【4cメンチ】と対戦する機会が以前よりもかなり増えているのが大きな要因だと思います。

 18弾前期・後期では共に全体勝率がざっくり72%前後だったため、使い続ければおおよそその辺りの勝率が期待できるデッキだと思います。

 ただし、今回のこのデータはプラチナ帯やレート1500帯での対戦も含むため、対戦相手のプレイが100%正しいものであるとは言い切れないのも事実です。

 実際の各対面の勝率についてはもう少し低く見積もった方が良いとは思いますが、それを踏まえても上で記載した相性通りになっていることが伝わればと思います。


おわりに

 最後まで読んでいただいてありがとうございます。
 いかがだったでしょうか。

 なんやかんや今期もデュエプレを楽しくプレイさせていただいています。
 来期は紙のGPがあるため間違いなくラダーは走れないので、次にデュエプレに取り組む際には環境が変わっていることかと思います。

 【4cメンチ】を使えるうちは現実的にレート1800を狙える絶好のチャンスなので、頑張ります✌︎‪('ω'✌︎)

 それでは。

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