世田谷区千歳船橋:かるがもクリニック

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最近の記事

妊娠前からの準備--次のお子さんのために

妊娠した!って来た時、後悔するのは 1.風疹ワクチンを打ってなかった 2.大きな子宮筋腫が見つかった 3.子宮頸ガンが見つかった 4.卵巣嚢腫が見つかった 5.葉酸を飲んでなかった なんてとこかな。 何の症状がなくても、妊娠する前にやっておいた方が良いことあるよ 産婦人科医さんがつぶやく「妊娠してから後悔すること」5つより よろしかったらご覧ください。  逆に言えば、妊娠する前に幾つか気をつけていれば、後悔は少なくなるかもしれません。  風疹を初め、妊娠に関係のあるV

    • お尻の洗い方

       最近オムツかぶれや肛門周囲膿瘍で来院する赤ちゃんが多くなりました。ここでおしりの洗い方について書いてみようと思います。 傷をこすると痛い まず基本的なことは「傷をこすると痛い」のは赤ちゃんも同じです。荒れているお尻をお尻拭きでこすると痛いのは当然です。まずはシャワーやタライなどで洗いましょう。こする必要はありません。  その後はタオルなどを押し当てるようにして水気を取ります。ここでも、こすってはいけません。 ワセリンはテンコ盛り ある程度乾いたら、白色ワセリンを塗りま

      • 赤ちゃんが泣きやまない~泣きへの対処と理解のために~

         人は自らがコントロール出来ない問題があると、イライラするものです。ましてや子育てで疲れている時に、むやみに無く赤ちゃんがいればなおさらなことです。  「赤ちゃんは泣くのが仕事」なので、泣くのは誰のせいでも有りません。そして、その仕事はしばらくするとお休みになります。  思わずカッとなって赤ちゃんを激しく揺さぶってしまうと「乳幼児揺さぶられ症候群」になることもあります。  カッとなってしまうそうになる前に、こちらの動画を観てください。厚生労働省もいい仕事をしています。

        • 日本でも乳児用液体ミルクの実現を

           4月14日から平成28年熊本地震が続いています。熊本は去年病児保育の勉強会のため訪れた場所でもあります。数ヶ月の差ではありますが自然から見れば誤差の範囲でしか無く、私が地震に巻き込まれていたかもしれません。地震の速やかな収束と一日でも早い復興を願ってやみません。  被災者の人たちの中には自宅から離れることを余儀なくされ、避難所暮らしをしている方々もいます。赤ちゃんのいる家庭で問題になってくるのは授乳です。避難所暮らしではプライバシーも制限され、思うように授乳できない人もい

        妊娠前からの準備--次のお子さんのために

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        • 妊婦さん(妊活中含む)への小児科医からのメッセージ
          18本

        記事

          赤ちゃんが食べてはいけない1:ナッツ類

           赤ちゃんの離乳食を始めるのはいつごろがいいでしょう?最近は早すぎもせず遅すぎもせず5-6ヶ月と言われています。  何を食べさせていいのか、悩むところはあります。食事についてはあまり制限したくないのですが、食べてはいけないものを挙げてみることにします。  まずはじめに書くのはナッツ類です。  ナッツなんて赤ちゃんに食べさせるわけはないと思いますが、赤ちゃんはついつい目の前にあるものを掴んで口に入れてしまいます。お父さんのおつまみである柿の種をつい食べてしまうこともありま

          赤ちゃんが食べてはいけない1:ナッツ類

          赤ちゃんの頭を揺さぶるのは禁止。ストレスを感じたら、一呼吸。

           ヒトの赤ちゃんは生まれたばかりはできないことが多すぎます。神経の周りに信号を伝えるのを補助する「鞘:さや」が発達することで、運動・感覚・思考力などが発達します。鞘ができることを「髄鞘化:ずいしょうか」といい、無髄神経と髄鞘化された神経とでは、5-100倍ほど伝達速度が違うと言われています。ヒトは産まれてから様々な機能が発達しますが、これは髄鞘化に寄るところが大きいのです。ヒトで全ての髄鞘化が完了するのは12才くらいです。  髄鞘化に伴い首がすわる「頸定:けいてい」のは生後

          赤ちゃんの頭を揺さぶるのは禁止。ストレスを感じたら、一呼吸。

          毎日成長する赤ちゃんは、毎日注意

           時々「赤ちゃんが転落した」と連絡があります。その時、私達医療者は色々な方法で虐待ではないか調べます(これは、保護者を責めるためではなく、親子が健やかに凄せるためです)。  多くの場合は、「赤ちゃんをソファーに置いていて、気がついたら赤ちゃんが落ちて泣いていた」というものです。寝返りをしないはずの月齢の赤ちゃんがどうして転落したのでしょう?だんだんと脚力が強くなり、ソファーの背もたれ側を蹴っているうちに、反動でソファーから落ちてしまったのですね。また手足をばたつかせることで

          毎日成長する赤ちゃんは、毎日注意

          偽母乳:「完母」の呪いをかけるのはやめよう

           赤ちゃんが生まれて自らの母乳で育てたいというのは、母親の根源的欲求なのかもしれません。  たしかに、母乳は素晴らしいものですが、(母乳を崇めるためか)ミルク栄養を貶める内容のネットや本が一部にはあります。結果として母親が追い詰められるとしたら、残念なことです。  日本から以前から「もらい乳」という習慣もありましたし、母乳バンクというものがあります。公的機関が感染症などをチェックした上で、必要な方に供給するのもあります。しかし、中には個人がネットで母乳を売っているのもあり

          偽母乳:「完母」の呪いをかけるのはやめよう

          男の子の包茎は、全部ムキムキする?

          5年ほど前に書いた記事を、一部編集して転載します。 男の子を持つお母さんの悩み・包茎と「むきむき体操」について  子どもの包茎の治し方で、「むきむき体操」というのがあるそうです。 http://baby.goo.ne.jp/member/ikuji/skincare/5/03.html  父親や医療従事者にとっては笑い話に思えるかもしれませんが、若いお母さんには深刻な問題です。包茎に関する知識もないし、ネットを開ければいろいろなことが書いているし・・・お母さんは不安でい

          男の子の包茎は、全部ムキムキする?

          突然の発熱・けいれん!!

           夜間の小児救急は大変混雑し医療資源もスタッフ(研修医)も疲弊します。とある小児救急の先生は、受診抑制は患者教育ではなく、待ち時間とお金です、と答えていました。病院の場合紹介状がない初診では、自己負担金が増えるのですね。  比較的スタッフの多い都心ではそれでもやっていけるかもしれません。しかし、医療崩壊が叫ばれて久しい地方(都心でも医療崩壊はありますが)では、とてもそんな余裕はないでしょう。病院は疲弊し、そもそも小児科自体が無くなってしまうという自体もあり得ます。  兵庫

          産後の抜け毛はどこに行く?

           出産後抜け毛が多くなった女性は決して少なくはないと思います。これは分娩後脱毛症といい、決して珍しくはありません。多くの場合、数ヶ月で元通りになります。  さて、その抜け毛はどこに行くのでしょう?  もし赤ちゃんが突然泣き出して、何もしても静まらない時は、手・足の ゆび を覗いてみてください。  抜けた髪の毛が、赤ちゃんの ゆび に巻き付いて、痛みを訴えることもあるのです。  これを、ヘアー・ターニケット(Hair tourniquet)といいます。髪の毛(ヘアー)が

          39mmより小さいものは口に入ります

            母子手帳にも誤飲(ごいん)・誤嚥(ごえん)についての注意書きはあります。しかし、39mmより小さいものは3歳未満のお子さんのお口に入り誤飲・誤嚥・窒息の可能性があることは、乳児健診などで確認してみると案外知られていないようです。  地域によって母子手帳の作りが異なるためかもしれません。母子手帳に39mmの穴を繰り抜いた厚紙を綴じ込み実感できたり、「誤飲チェッカー」の作り方を書いたのもありますが、その一方注意事項を書いたのみの母子手帳もあります。  生後五ヶ月になると、

          39mmより小さいものは口に入ります

          産後は 車にチャイルドシートを取り付けてから退院を

           赤ちゃんが退院するときに、どうやって家に帰りますか?歩きでしょうか?それとも自家用車でしょうか?  自家用車・タクシーなどを使用する場合、必ずチャイルドシートをつけましょう。当然のことながら、乳児用を選んでください。選定は、こちらも参考にしてください。 国土交通省:チャイルドシートコーナートップ  取り付けをした人にはわかると思いますが、乳児用のチャイルドシートはとにかく取り付けが大変です。産後のお母さんがすぐにやろうとしても無理でしょう。  チャイルドシートの取り

          産後は 車にチャイルドシートを取り付けてから退院を

          出産後自分自身にも早めに必要なワクチンを

           今度は出産後の女性のことを取り上げてみます。  妊娠中に採血したと思います。その時に感染症の検査もしています。風疹・B型肝炎・HTLV-1・HIVなど。その他麻疹・おたふく・水痘・トキソプラズマ・サイトメガロウイルス・梅毒など…  これらの感染症の中には、妊娠中に感染すると胎児に悪い影響が出たり、早産・流産の原因になるものもあります。妊娠中には罹らない対策が必要ですし、予防できるものは予防した方がいいでしょう。  風疹・麻疹・おたふく・水痘は子どもの病気と思われている

          出産後自分自身にも早めに必要なワクチンを

          ケイツーシロップは生後3ヶ月まで

           母乳は赤ちゃんにとって優れたものですが、粉ミルクの方が栄養的に優るものがあります。その一つがビタミンKです。  多くの人々にとってビタミンKが有名になった出来事は、山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故でしょう。助産師が赤ちゃんにビタミンKを投与せず、赤ちゃんは頭蓋内出血を来したために亡くなったのです(更に悲しいエピソードもあります)。  ドイツ語で「凝固(固まる)」ことをKoagulationといい、ビタミンKの語源でもあります。まだ自分でビタミンKを作ることのでき

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          股関節脱臼について2-予防と早期発見

           子供の股関節脱臼は、対応を誤れば生涯にわたって影響が出るかもしれません。重症度にもよりますが、最初はそれなりに歩けるものの股関節に痛みを生じてきます。最終的には変形性股関節症となり、手術が必要なこともあります。   子供たちが将来股関節脱臼の後遺症で苦しまないようにするためには、股関節脱臼の予防と早期発見が大切です。 予防のためには、股関節を含めた脚の動きを自由にし なおかつ 両膝と股関節を曲げてM字型に開脚した状態(開排位)にすることが必要です。また、抱っこするときは、

          股関節脱臼について2-予防と早期発見