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九州夏旅 2019 ③

【博多福岡 Be The One】


雨で閉じ込められた異次元から電車で抜けだす。

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電車が大幅に遅れたので、宿の人が親切にも駅まで迎えに来てくれる。若いオーナーさんで、地元にUターンしてから宿を開業したという話を途中に聞いた。以前は東京で仕事をしていたそうで、その時のデザイナーさんと古民家を改造してお婆ちゃんの家のような懐かしテイストの宿を目指すそう。予約時の決めてとなったのもホームページの内装が素敵だったのが理由だった。

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着いてから案内後に関東から来たので話を合わせてくれたのか、話がしたいのか分からないが結構長く東京とデザイナーの話ばかりが続いたのは正直辛い。宿の話は良いが、デザイナーの知り合いの話は正直聞いてもな…。なにせ自分の日々のストレスの原因は《東京とデザイナー》なのだ。遠回しに話を終わらせても続くの助けて。これが仕事なら平気だが、休暇中は忘れてしまいたい。親切な人だが、朝起きてもその話が続いたので大人げなく態度に出してしまい覆水盆に返らず。オーナーは少し寂しい表情。ごめんね、話が会う人だったら良かったのにね。

万人に丁度いいは難しいなぁ。


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朝からしっくりこない気持ちを抱えて柳川の街を散策する。藩主のお屋敷など古くから歴史ある街で、Google Mapを見ると驚くほど水路の数が多い。だが昨日、島原の湧水を先に見てしまったので水の透明度が低いのを勝手に残念に思ってしまう。張り巡らされた水路のせいか街の湿度はとても高く、すぐに汗だくになった。

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ここは鰻が有名なようで看板も掲げられている。しかしそんな事よりポスターの『エイリアンラーメン』『ムツゴロウラーメン』『うなぎラーメン』謎のラーメン3兄弟の方が超気になるが、お店はお盆休みで味も分からず。

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ラーメンにもありつけず、船にも乗れず柳川の楽しみ享受できないまま通りの犬に見送られトボトボ博多に向う。じゃあね、またの機会に。

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駅に来たらカワイイ河童の法被を来た人がいた。何かイベントらしいが分からない。カッパハッピいいな〜欲しい。

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博多に向かう西鉄の車両は、水色ボディに赤ラインが一直線に入り、地方車両の良さ満点のグッドルッキング。しかし行先を博多博多といってはいるが、西鉄の終点は福岡(天神)駅で博多駅(JR)は通らない。馴染みの無い県外の人からは『博多』『福岡』が混雑すると行先が違うので間違わないように要注意。京都で云えば大阪方面から来る阪急電車が、京都駅を通らずに四条河原町に向かう位置関係に似ている。

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福岡(天神)駅ではホームドアがロープ式の転落防止柵だった。関西の鉄道もこの方式を最近よく見るが、関東も見習うべきだと思う。いつまでも人身事故を誘発する状況を野放しは良くないよ。酔っぱらいの転落防止用にホームベンチの向きを変えたのも西日本の鉄道の対応が早かった。鉄道に関しては北に行くほど創意工夫が低下する傾向がある。JRは九州が一番たのしい。


地上のバス移動は天神の『天神南』と『天神北』の間に『天神コア』が入るのも県外の人間には分かりにくい。コアって何?福岡と博多の名称が混在している中で、天神が差し込んでくると場所の理解が追いつかない。そんな中で『福岡市美術館』『福岡県立美術館』を間違えてしまう。ああ、一体ここはどこなのか。

しかたなくバスで来た『福岡県立美術館』からタクシーで『福岡市美術館』へ向かう。これ以上の都市部のバス路線が頭に入らない。地方のバス路線は分かりにくいが、地方都市だとより難解。南海ホークスは、福岡ソフトバンクホークスであるのはギリ分かる。取り急ぎ移動する。


『福岡市美術館』に向かうタクシーは道が混雑したが運転手さんにタクシーのお祓い(車)の話などを聞いて楽しく過ごせた。運転手さん曰く博多界隈では、みんな宗像大社でお願いするという。地方ではこういう話をたくさん聞きたい。

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遠回りして市美術館の『富野由悠季の世界展』。計2時間滞在したが全く時間が足りない。物量が多すぎてニュータイプでないと理解が追いつかない。オールドタイプは来ても刻の涙を見てしまう始末。ガンダムでおなじみのノーマルスーツ(宇宙服)の原型が富野さんの父親が戦時中に制作に関わった「与圧服」の写真というのは意外なルーツ。ネタは未来でなく過去にもある。全てを見切れないが、絵コンテには富野アニメ独特の情報量の多さを纏めるテンポやスピード感があって情熱が情報を凌駕して世界を織り込んでいる。それを映像以前の資料として展示で見れるとは感激、ありがとう学芸員さん。大変だったね。グッズのTシャツはちょっと外では着れないセンス。シンプルにイデのゲージにしてくれれば良かったのに。しかし演出家のアクリルスタンドというのは見た事がない商品。どうなの?展示内容は撮影禁止なのは残念。撮れるのはダイターンまで!

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次いで『福岡市博物館』に立ち寄る。ここには国宝の『金印』が所蔵されている。以前と違い特別な部屋が出来ていて、いつの間にか撮影可能にもなっていた。金印は小さいながらも迫力がある。

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古代の展示が強い九州でも『最古の水田に残された足形』なんてどうやって発見したのであろうか。見つける眼が凄いよ。古代の集落と墳墓のジオラマは面白い。素焼きの大きな壷に入れて埋葬するやり方は壺を作る手間が大変。縦穴住居に住んでいる時代としては葬送の仕方が随分丁寧で感心する。生まれた記録は残って無いが、死んだ記録は残っているのが人の生きた証である。

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この博物館に来たのは10年ぶりで、常設の展示は大きく様変わりしていた。前に展示されていた藍染めの地区ごとの法被が、今一度見たかったのですが展示が無く残念。どこに仕舞われているのやら。民俗展示の結納品などを見るにつけ豪華さの質が山奥とは全然違い、しきたりより映えを目指すというか客に対してのショーアップ感がある。福岡はやっぱりこういう所が昔から大都会。

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博物館から博多駅を目指す。地下鉄だって行けるけど都市高速を抜けるバスが港湾地域を高架から見下ろす都市ジオラマ感が強いので断然オススメ。都市には都市の楽しみ方がある。いいルートなので意味もなく乗って欲しい。

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今夜のフェリーの窓口である。北九州に向かう。その前に忘れず『牧のうどん』は食べておく。麺は【やわ・中・かた】で追加ツユは薬缶でやってくる。ゴボ天追加、うどんと相性はバッチリよ。

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博多〜小倉間は各駅でも1時間チョイとくらい。昔、正月にこの路線に乗った時に、愛媛の松山から福袋を買いに博多まで来た若い女の子2人組が、博多が楽しくて遊んでしまい夜行のフェリーに乗り遅れそうになり慌てて、電車の中からフェリーターミナル事務所に電話で待ってくれるように交渉しているのを後ろの席で一部始終筒抜けで聞こえてきて、とても面白かった。強烈に服が欲しいという気持ちを止められずに夜行で瀬戸内海を渡る。そして再び夜行船で帰る0泊の旅。あんな情熱はもうないなあ。若いって無限のパワーがある。


小倉の駅から新門司港までの送迎バスまで2時間弱は空いている。ご飯は【牧のうどん】を食べてしまったので腹一杯。歩いて行ける『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』のロケ地を巡る。

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案外と駅近に何カ所かあるので、ラストシーンの鴎外橋や、ビルドが囲まれた交差点を回って満足。小倉は博多と違い街の雰囲気がヤンチャムーヴが溢れている。駅1分でストリップがある街なんて中々無いが『手榴弾110番』なんてポスターがある街なんてのも中々無い。街に手榴弾が落ちているなんて考えた事も無いよ西部警察の管轄か。想像通りの修羅の国。

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スマホの充電も頼りないまま、新門司港に行くと新門司フェリーターミナルのビル『平城京』を模しているのを知らなくて着いてビックリした。九州から関西を繋げる窓口という意図らしい。ずいぶんと立派な万葉テイスト。

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行先は奈良じゃ無く神戸だけど、万葉の夢を乗せて乗った阪九フェリーはどこの船よりご飯が美味しいのであった。


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