ブラックユーモアのすごいやつってダークユーモアっていうんだ:2024年4月18日

■おたよりフォーム

■OGR


・「オッペンハイマー」は、もしパロディAVが出たら、邦題メチャクチャ考えやすいけど、我々はちゃんと怒らなきゃあいけないな、と思った。

・邦題を考えるのはメチャクチャ楽しいですけどね。「オッペンハイマー」。「オッペンハイマー」ですよ。でもねえ……それとこれとは……。

「バーベンハイマー」まさかの映画化

・と思っていたところに。これだ。2023年11月の記事ですが。初めて知った……。

・一応説明すると「バーベンハイマー」とは、アメリカで映画「バービー」と「オッペンハイマー」の公開日が同日となったことを発端に、「バービー」のピンク色にまみれた世界観で「オッペンハイマー」の架空のポスターを作ってみたり、その逆があったり、という主にネット上で盛り上がった(そして一部の人々の顰蹙を買った)一連のジョークだ。

・「バーベンハイマー」に関しては、私は単に「しょうもない身内だけで消費されるべきだったジョークが、何やかんやで身の丈に合わないほど有名になってしまっただけの現象」だと考えているので、本質はメディアの暴力性とかそういう話なんだと……、思うんですけど……、いや、これはすごいっすよ。すごい。

・何しろ、見て、これ。

その「バーベンハイマー」というアイデアをそのまま映画にしてしまうことにしたのが、数々のB級映画を世に送り出してきたチャールズ・バンドだ。映画『バーベンハイマー(原題) / Barbenheimer』は社会現象を金儲けに利用しようとする恥知らずな試みなのでは? との The Hollywood Reporter の問いに、バンドは「それは100%正しい」とコメント。「だが、それはこれら二つの映画の奇妙な組み合わせで楽しく遊ぶ絶好の機会でもある。二つを混ぜ合わせれば、それは素晴らしいダークユーモアの機会になる」と続けている。

「バーベンハイマー」まさかの映画化

・本気じゃん。本物だよ、こいつァ。

・本質の話をするならば、「興行収入」と言うように、映画ってのは「興行」なのだ、と。私に映画の見方を教えてくれた人々はみな口を揃えている。

・リュミエール兄弟にまで遡らずとも(私はその名前を「ヒューゴの不思議な発明」で初めて知りました。「ヒューゴ」、面白いよ!)、映画というものは本来、「見世物」なのだという。

・話は逸れるが、私の大好きなヒップホップ・ユニット「ライムスター」は、ライブでの演奏スタイルの特異さを自慢のひとつとしている。

・「2枚使いブレイク・ビーツ」。その演奏法について詳細は割愛するが、ヒップホップが生まれた頃の、初期衝動のようなスタイルをそのまま引っ提げているという。今やそんなことをしているアーティストは、ライムスターを含めても世界に片手で数えるほどしかいないらしい。

・それが本当かどうかは詳しくないので知りませんが。

・で、それがまた、カッコイイんである。自分が背負うシーンの、初期衝動をたずね、新しい領域を切り開いていく。痛快だ。温故知新とはこのことか。

・それでいうとチャールズ・バンド氏の、映画の初期衝動をそのまま現代に蘇らせようという情熱は、まさにこれもひとつのキング・オブ・ステージ、いややっぱり駄目だろう。とっとと偉い人から怒られなさいよ。適度に。

ここから先は

631字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?