世代交代の話

新年号も決まり、新年度も始まり、人によっては新生活も始まり……。

新たに何か始まるということは、以前あったものとバトンタッチする、ということもあり。私もそれに習おうかと思いまして。

「こんな遅くによー手伝いに来てくれたな。お礼と言ってはなんやけど、これ持って行き。欲しがってたやろ」

「良いんですか師匠!こんな高価な…。これに見合う仕事などできていませんよ」

「ええねん別に。自分が使ってるチャリの方がこのパーツ活かせるやろし。ついでや、このハンドルも持って行き」

「すんません……ありがとうございます。また何かあれば呼んでくだせい。駆けつけます」

みたいなやりとりがあったのも、思えば3年前。師匠の作業を手伝った報酬として、TRPのディスクブレーキキャリパー×2を受け取りつつ、おまけで授かったハンドルはこの折りたたみに取り付け使用しておりましたが。

今回の改造をきっかけに、いっぺん取り替えることに。

取り付けられ方はシンプルで、蝶番のようになっている部分にハンドルを挟み、クイックリリースと同じ原理でワンタッチで固定できるようになっています。

そして取り付けるのはこいつ。日東が生んだ奇抜ながらも親しみやすい、気づいたら馴染んでしまっているドロップハンドル。「To Smile Bar」ハンドル幅520mmのものです。

速く走ると言うよりは、より長く走るため。ハンドリングを軽く扱うと言うよりは、しっかりと押さえ込んで扱う。一般的なドロップハンドルのイメージとは少し違っている、私の大好きなハンドルの一つです。

STIレバーを使って組み上げるのもアリなのですが、なんとなくこのハンドルにはSTIレバーは似合わない気がしまして。今回はバーエンドコントローラーで組もうかと思っています。

時代はどんどん進んでいるのに、行なっている作業内容はどんどんレトロな方へ……。

私がひねくれているだけかもしれませんが、どうも人は進んだならば進んだ分だけ、もしくはそれ以上、昔を振り返り求める習性があるようです。

もしかすると、古きと新しきは進歩していっているのではなく、互いに入れ代わっているだけなのかもしれません。古い時間が休む時は新しい時間が。新しい時間が疲れた時は古い時間が動いていたり……するのでしょうか。

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