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親子喧嘩の話

私が弄る自転車。濃いめのメタリックグリーンが眩しくかっこよい、

「DAHON Qix」。

アメリカのメーカーDAHONが作る、メイドインU.S.A!な私の相棒その二。DAHONの中では珍しい、縦折のフレームで…みたいな事は前にも書いたので略っ。

DAHONの大きな特徴は、折りたたみ部分がワンタッチで操作できるところ。折りたたみ自転車に乗ったことがある方、興味を持ったことがある方はご存知かもしれませんが、そんじょそこらの折りたたみ自転車は、折りたたむのがわりかし面倒なのです。

一度レバーを起こして、折りたたみ部分を仮ロック状態にしたのち、レバーを少しスライドさせて仮ロックも解除して、ようやく畳める、と。このスライドってところが意外と厄介で、ほっといたらすぐ錆びるし、モノによっては決まった角度でスライドせんとどっかで引っかかって、結局動かんようになる、と。実は割と無茶なことをしている分、折りたたみ部分は厄介な造りしてることが多いんです。

その厄介な部分をクリアしてきた、数少ないメーカーの一つが、DAHONなのです。値段を見るとうっ、となりますが、実際折りたたむ機会が多い方にとっては、折りたたみ部分へのストレスや不安は少ないに越した事はありません。そんな理由から、私は折りたたみ自転車を買う際DAHONを選択しました。

しかし!

私が折りたたみ自転車を買う際、悩んだメーカーは他にもあります。その度に、自身の実力不足(主に財力)を痛感していました…。

そんな中、最後まで私を悩ませたメーカー。それが、同アメリカのメーカー「tern」。 

それもそのはず、DAHONとternはまんま親子会社だったので、作りも似ており、特に私が求める折りたたみ部分もほぼ同型だったため、ほぼ値段と性能、デザインでどちらかなぁ…と悩んでいた時期がありました(こういう時間がいっちゃん楽しい…っ。結局DAHONとあいなったわけですが)。

話を戻しましょう。親子関係としては、DAHONが父親の会社で、息子が創設した会社がternとなります。なぜ親子がわざわざ会社を分け、にて日なる分野の挑戦を続けているのか…。調べが足りんのかもしれませんが、諸説ありまして。

一つ、同じ折り畳み自転車のブランドであっても、日常普段使いの折りたたみか、割とがっつりスポーツタイプの折りたたみか。片方では鉄板とも言えるグレードの商品を維持し、片方ではより革新的な挑戦を続けていたりだとか。住み分けを行うことで、メーカーとしてより成長するために袂を分かった、と聞きました。ただ個人的には、この理由は表向きなものなのでは、なんて思うのでして。

もう一つの話。単純な、親子喧嘩であったと。

シンプルでいいと思うんですよね。こっちの方が。親子喧嘩しながらも、何だかんだ似た道を進んで。互いに成長して。悪くないストーリーだと思うんです。「あなた方実はそんなに仲悪くないでしょ?」とでも言ってしまいそうになるような…なんて、勝手に考えてたわけですが。さて。

よっしゃじゃー証明してやんぞ!仲悪い(勝手な解釈)メーカー同士が、実はめっちゃ仲良し(?)だったってなぁ!!

なっがい前置きになりました。はい。今回のカスタムは、DAHONの自転車にternの部品はつくのか?と言ったところ。ずっと試したかったんですよぉ。

DAHONを代表する(個人的にね、個人的にっ)Qixに、ternの人気アイテムであるキャリア、

「TrolleyRack」

が付くのかどうか!!

画像わかりにくくてすいません。このキャリア、右側にコロと畳んだ自転車を覆うカバーが備わっておりまして。カバーで包んだ自転車をコロを使ってキャリーケースのように運べるという優れものなのです。気になる方は調べてみてくだせい。ちょっとおお!てなりますよー。

さってさて。何だかんだあんま心配してないんですよね〜。あれだけ言っといてなんですがキャリアはキャリア。Qixにも元々キャリアがついてたわけですし、つかない理由がない!

…と思いきや。

早速第一関門キャリア用のダボ穴まで降りる前になんか出っ張ってるところが17mmのナットに当たってる…これでは付けるどころか車輪も外せん。

何のこれしき!とばかりにヤスリでゴシゴシ。強度には大きく関わらない部分なので思い切りよく削ります。よしよし…。ん?

改めてつけようと思えば、今度はディレーラーハンガー(リアディレーラーを取り付ける台座部分。画像のナットとフレームの間にある、銀色の部品がその一部。)がフレームからはみ出しており、締め込んでしまえばキャリアが傾いてしまうという状態。ふつうにワッシャーを挟んで調整しようにも、ダボ穴ギリギリのところをはみ出しているのでワッシャーも斜めになってしまう、と…。

拒むか。けどね!

それしきで親子の絆が破れると思うなよ!!(そんな話じゃなかった気もする。しかしこの作業を行なっていた時は本気でそんなふうに考えててん…)

とばかりにワッシャーも削り、この部分のためだけのワッシャー完成。大げさに言っていましたが、加工箇所はこれだけ。あとはふつーにネジ入れて、角度調整して…。

取り付けおっけい!

なんか斜めってない?と思われるでしょうし、実際斜めっているのですが。

キャリアのこの部分。反射板を取り付ける台座なのですが、この角度を見るに…。

なんかまっすぐに向いているようなんですね。恐らく、右にコロとカバーが付いている分曲げているのでしょう。すなわちこれが正常なのだろうと。

無事完了っ。

いや加工してるやん!ほぼ無理やりやん!そんなんなら大概付くわ!!

まぁその通りですね。けれどもね。

噂にしろ何にしろ、親子喧嘩をし、袂を分かった二人。その二人が生み出した作品が、苦難を越え今合わさったってところが、私の気持ち的には大満足なんです。

離れても、頭のどっかで相手のことを考えて。ついつい自分の行動に、相手につながる何かを織り交ぜてしまい。今それが繋がった、なんて。

どんだけ離れようと別れようと、捨てて手放さない限りは、親子ってのは通じ合えるもんなんですかね。

…ほんとのところは、わかりませんがっ。


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