おまえは一万円で”X”(見えないもの)を掴め-すあまのベイnote

よくきたな。おれは紅井寿甘だ。おれは毎日すごい量のベイブレードを回しているが、だれにも見せるつもりはない。

※筆者注:この文章は逆噴射聡一郎先生の文体をリスペクトして執筆されています。氏については各々ご検索ください。

おまえはベイブレードを知っているだろうか?
「子供のころにコロコロコミックに載ってたなぁ」
「あのドラグーン!!ってやつでしょ?」
25年前の認識をアップデートォーできていないこしぬけはメキシコの荒野においてはあっという間にその辺のサボテンにさされて死ぬ。
だがおまえは間抜けではない。
おまえは今すぐに己のベイブレードという名の銃を取り、直ちにこの荒野を生き残る方法を学び、サヴァイヴしろ。

ベイブレードは25年回り続け、今や四代目だ

ベイブレードの歴史はふるく、様々な時代で子供たちと共に荒野を転がり続けた。
今や最初の爆転世代と呼ばれた少年たちは、大人になり、家庭をこさえ、子宝に恵まれてすらいる。
ベイブレードを知る世代が一巡したのだ。あの頃与えられるままにベイブレードを回していた子供たちは、今や自らの子にベイブレードを託す真の男になった。
……しかし、それだけでは終わらなかった。
ベイブレードは新たな開拓地へとたどり着いたのだ。それが現行世代、"ベイブレードX"だ。
ベイブレードXはチョーカッコイイプロモーションビデオーを公開し、ギアスポーツを名乗り、意図をもってスポーツと遊びの境目をあいまいにしている。

つまりこれは、『大人も参入していい、クールなスポーツ』であり、『親子で一緒に楽しめる遊び』なのだ。
玩具店で開催されている大会も、小学生以下限定のレギュラーと、小学生以上のオープンの二部門が開催されている。
オープン部門は、下は5さいから上は五十路前までもが並び立てるバーリトゥード(なんでもあり)だ。
最も自由で過酷なメキシコは、近所の玩具店に広がっている。
そこに飛び込むか、しっぽをまいて逃げ出すこしぬけになるか……
それはおまえ次第だ。

現代のベイはメタリックでチョーカッコイイ

真の男たるおまえがとるべきGUN、ベイブレードについて話そう。
今のベイは、接触パーツが金属でできている。
なるべく小さいプラスチックのアタックリングを選び、なるべく大きくて重いウェイトディスクを外に張り出させて戦う……そんな小細工はもはやむようだ。
むき出しのいかつい金属刃を衝突させて戦う。それがベイブレードXだ。

https://takaratomymall.jp/shop/g/g4904810910381/

命を奪い合う形をしたベイにびびらなかったのなら、手に取るべきだ。
そしてベイブレードXは、3つのパーツからできている。
その3つを組み合わせ、カスタマイズすると……この記事の執筆時点(2024/4/4)で20×11×18=やく4000通りもの組み合わせ爆発がおき、すごいことになる。
公式の製品情報ページにもなんかいろいろ書いてあるし、カスタマイズを紹介するユーチューバー、ノートの記事……情報が大海のように広がっているだろう。
情報の取捨選択ができない間抜けはここで溺れて死ぬ。
だが、おまえが真にタフな男なら、己に合うカスタマイズを見つけ、サヴァイヴできるだろう。

ベイを始めるのにいくら要るのか?

おまえは今、ベイブレードXに触れ、その深淵を前に立ちすくんでいるだろう。
人には生活があり、余暇も予算も有限だ。
いったい自分は、どのくらいマジにこのホットなホビーと向き合うべきなのか?
ここではまず、"一万円"で区切る。
それ以上をつぎ込みたくなる価値に出会えたら、次は玩具屋や、ユーザーが己の意思で開く地域交流会、さらにその上の大会でおれと出会えるだろう。
だから、まずは一万円だ。

  1. BEYBLADE X UX-04 バトルエントリーセットU(6,050円)(4/27発売)

  2. BEYBLADE X BX-30 カスタムグリップ レッドVer.(1,100円)(発売中)

  3. BEYBLADE X BX-23 フェニックスウイング9-60GF(2,420円)(発売中)

しめて9,570円だ。あまった430円は真のベイブレーダーになった祝いとしてコロナで祝杯を上げろ。
また、ここに書いてあるのは公式通販の価格であり、実際には家電量販店などで見つけた場合、もう2割くらいやすく手に入るはずだ。
逆に、品薄状態が続いていたら……卑劣なプレーミアー価格などでより多くの金額を要求されるかもしれない。
その時はおまえの正義感で決断しろ。
商品の内訳についても解説しておく。

・BEYBLADE X UX-04 バトルエントリーセットU(6,050円)(4/27発売)
https://takaratomymall.jp/shop/g/g4904810914501/

これは所謂オールインワンのセットで、スタジアムが1台と、ドランバスター1-60Aというベイブレードが1つ、ウィザードロッド5-70DBというベイブレードが1つ、そしてそれらをシュートするためのワインダーランチャーが2つ入っている。
もしも共に遊んでくれる友達が既にいるのならば、これだけで完結してしまう……そんなセットだ。
同梱のベイブレード2種も最新機種であり、性能も折り紙付きだ。
ややクセはあるが、そのクセが強いタイプだ。
だが、もしも大会に飛び込みたいのならば……上位4人からは、試合をするのにベイブレードが3つ必要になるのだ。しかもパーツの被りは許されない。
そして、おまえは優勝を目指さない腰抜けではないはずなので、ベイブレードは3ついる。ここに2つあるが、あともうひとつが必要になる。

・BEYBLADE X BX-30 カスタムグリップ レッドVer.(1,100円)(発売中)
https://takaratomymall.jp/shop/g/g4904810926702/

だがここで逸ってすぐに新しいベイブレードを求めるやつはシュートを撃ちそこなって指を切ってしぬ。
真の男はベイブレードを撃ち出すためのランチャーにグリップを着ける。
実際大人の掌にはランチャーはやや小さく、こういった補助があるとないとではシュートの打ちやすさは全く異なる。
1,100円は必要な経費だ。おれはそうした。
また、BX-29 カスタムグリップ ホワイトVer.は純粋な色違いで性能差はないので、在庫や気分で選ぶといい。

・BEYBLADE X BX-23 フェニックスウイング9-60GF(2,420円)(発売中)
https://takaratomymall.jp/shop/g/g4904810913092/

最後に紹介するこれは、記事執筆時点の4か月前に出たベイブレードだ。
先に紹介した2つは、1週間前に出たばかりの最新機種。なら、なぜこいつを買わせるのか?
なんか他にもあたらしいのは出てるんじゃないか?
そう疑ってかかるのは当然だ。全てを鵜呑みにして死ぬ間抜けよりもいい目をしている。
だが、それに答えるのはかんたんだ。こいつは『一番重い』ベイブレードなのだ。
重さはPowerを生み、Powerは勝利をもたらす。
発売されるなりあっというまに環境を席巻し、現在でも使われ続ける名機体……そういうものだ。
デフォルトカスタムではビット……軸先の形状がややつかいづらいが、おまえがベイブレードの楽しみに目覚めた時、交換してやればいいだろう。
さらにこれには、ストリングランチャーというランチャーが同梱されている。
さっき書いたエントリーセットに入っているワインダーランチャーと好みで使い分けるといいだろう。

ともかく、これが最低限だ。
よりオシャレに、より便利にを求めれば、様々なツールが用意されている。
だがミニマルな要素はこれだけだ。スタジアム。グリップつきランチャー。3つのベイ。
おまえは既に、真の男の端くれになったのだ。

絆をはぐくみ、バーリトゥードに挑め

実際にベイブレードを回して楽しむためには、対戦相手が要る。
もしもおまえと同じく一万円をそくざに投げ出し、ベイブレードという荒野に駆けだす真の友がいるのならば話は早いが……かならずしもそうとは限らないことを、おれは知っている。
てっとりばやいのは、大会に出ることだ。

公式サイトオーの「大会&イベント」ページから、「B4ストアイベント」を選択し、「スケジュール」を押したら、「都道府県」「G3大会(オープン/小学生以上)」をセッティングし、検索する。
するとどうだろう。おまえの向こうに広がるメキシコが可視化されたはずだ。
行く先にはライオンの群れ、無慈悲なサボテン、マリアッチ……あとはなんか大会の予約が大変だから、何週間か前には電話しておいたほうがいいとか、玩具店の駐車場がいっぱいにならないように近隣のコインパーキングを確認しておくべきだとか……様々な困難が立ちはだかるだろう。
それらをくぐり抜けて会場に辿り着けたとしても、おまえのベイは1回戦であっさり2回弾きだされ、なんだかよくわからないまま死ぬかもしれない。
何十分もかけて車や電車でやってきたのに、たったのシュート2回、時間にして30秒も経たずに敗北を突き付けられ、わなないているかもしれない。
だが、ここが最大のチャンスだ。
たとえ1回戦でボコボコに敗けようとも、おまえは確かに魂をぶつけ合い、一人とのコネクションを得た。
あるいは、周りで観戦していた人の中には、年代がおなじくらいだなぁとか、キメてきたファッションだとか……『おまえ』に興味を持った人がいるだろう。
そういう人と会話するのだ。そうすれば、「次の大会では戦いましょう」となったり、「今からフリーバトルいかがですか?」となったり、あるいは「別日で交流会を開いているんですが、参加しませんか?」となったりするかもしれない。
そんなに都合よくいかないかもしれない。
都合よくいったとして、何事も都合の良すぎることを鵜呑みにする間抜けは死ぬ。見極める必要がある。
だが、飛び込む勇気がないものは真の男には一生なれない。
ラッキーなことに地元で開催される交流会などがあるとしても、こういった大会の場でR.E.A.L.に一度顔を繋いでおくかどうかで、参入のしやすさは全く変わる。
100回ツイッターァーでリプライするより、1度大会で紳士的な態度を見せることのほうが雄弁だ。
ここまでこれれば、もう語ることはなにもないだろう。

#ゴーシューしようよ

こうしておまえはベイブレードXに触れ、またひとつタフな男の世界を知った。
それは未来を生きる上での希望や、新たな友との出会いの場になるだろう。
いずれベイブレードの高みでおまえと出会うことを楽しみにしている。


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