牌効率についての備忘録②(基本)

牌効率について現時点での到達点として残す。


・基本

⑧牌姿による期待値 重要度★★★☆☆


ちょっと苦しい

南場6巡目でこの程度の牌姿だと442点しか期待値がない。

ギリギリ間に合うかどうかといった手牌

南場6巡目でこの牌姿だと719点という評価。

十分戦えそう

南場6巡目でこの牌姿だと1491点という評価。


チャンス手

南場6巡目でこの牌姿だと2530点という評価。このくらいからがチャンス手という意識だろうか。


良形3900テンパイの期待値

南場6巡目でテンパイ形だと期待値4462点という評価になっている。細かい期待値について覚えておく必要は全くないが牌姿によって大幅に期待値が変わるというのが分かってもらえたと思う。
また巡目の影響もある程度大きい。この手で2巡目なら5000点程度だが10巡目なら3700点程度、13巡目だと3000点を切るくらいの期待値になっている。同じ牌姿でも巡目が深くなるごとにどんどん期待値が落ちていくことは意識しておこう。

コラム4 データを知る意味


色んなデータを知る意味はなんだろうか?

ある程度打てる人はほとんどの人が基準を作る。基準とは
・ピンフのみはリーチ
・役牌は1鳴き
・2シャンテンからはオリ
簡単なものでいうとこういったものだ。(もちろんもっと細かく基準はあるだろうがここでは本題と避けるので言及は避ける)

ただ、すべての状況でピンフのみをリーチするわけではない。例えばアガリトップの状況ならほぼダマだろうし、南4局のダントツのラス目なら3シャンテンからでもゼンツするだろう。
ちょっと極端な例だったが、このように場況から判断を変えることは往々してある。

ここまで極端でなく、例えば
・「8巡目、鳴けば2000のテンパイ、スルーしたら満貫のイーシャンテン」
・「6巡目、ドラ2の良形+良形の完全イーシャンテンだが先制リーチを受けた」
みたいな難しい場面だったらどうだろうか?
ここで基準が役に立つ。平場で押すのが得か損かを知っていれば、場況に応じてどっちに修正を加えるか役に立つのだ。
「8巡目、鳴けば2000のテンパイ、スルーしたら満貫のイーシャンテン」は「スルーしたほうがちょっと得だったと思う」が、「3着目で点棒が欲しいのでスルーして満貫を目指そう」とか「他家が相当早そうなので対応して鳴こう」みたいな対応が出来る。
「6巡目、ドラ2の良形+良形の完全イーシャンテンだが先制リーチを受けた」は「押したほうがちょっと得だったと思う」が「自分が1着目なので押すのはやめとこう」とか「自分が4着目なので是非押そう」みたいな対応が出来る。

その基準作りにデータは欠かせない、ということだ。基準が間違っていてはずっと損をすることになる。場況によって修正を加えるどころの話ではない。

ある程度正しいデータを参考に自分なりの基準を作り、その基準を元に場況に合わせて修正を行うのが一番楽で勝ちやすい打牌選択になると思う。

⑨頻出形 重要度★★★☆☆


A.ヘッドレス全般

⑨A-1 暗刻有りヘッドレスⅠ 重要度★★★☆☆

2s

こういった頭が無い牌姿を「ヘッドレス」という。
⑨-1のような暗刻有りヘッドレスのときは比較的簡単で2sを切って、2569pを引けば9s切ってリーチ、3478pを重ねた場合は重ねた牌をヘッドにしてリーチをすればいいだけとなる。

1m

ちなみに暗刻有りヘッドレスのイーシャンテンから暗刻の牌(この場合だと8p)を切ることはほぼない。8pを切ると2m4m3pの3種12枚しか受けが無いが1mを切ると6種20枚の受けが出来る。345m234pの全てでテンパイするようになるからだ。この形はよく出るので間違わないようにしたい。

⑨A-2 良形+良形ヘッドレス 重要度★★★☆☆

3s

さて暗刻が無い場合のヘッドレスはどうだろうか?
残りのターツが「両面+両面のイーシャンテン」のときに限りヘッド固定が正着となる。よってこの牌姿の場合は3sとなる。

6p

ただし残りのターツが「両面+両面のイーシャンテン」のときでも複合形が残っている場合はヘッドレスにしたほうがいい場合がある。この場合は6pを切るのが正着。ヘッドができやすい複合形にはよく注意をしよう。

⑨A-3 リャンシャンテンヘッドレス 重要度★★☆☆☆

2s

残りのターツが「両面+両面+リャンカンのリャンシャンテン」である。この場合はヘッド固定はせずに2sを切る。

⑨A-4 良形+愚形ヘッドレス 重要度★★★☆☆

2s

さて残りのターツが「両面+愚形のイーシャンテン」のときはどうだろうか?この牌姿の場合もヘッド固定はせずに2sとなる。

⑨A-5 愚形+愚形ヘッドレス 重要度★★★☆☆

2s

残りのターツが「愚形+愚形のイーシャンテン」のときはどうだろうか?この牌姿の場合もヘッド固定はせずに2sとなる。

⑨A-6 ノベタン+良形+良形ヘッドレス 重要度★★☆☆☆

34p

「残りの4枚形がノベタン+両面+両面」の場合は両面のどちらかを外すといいだろう。8mが一番テンパイ枚数が多いのは確かなのだが2569pを引いても単騎テンパイにしかならず結局嬉しくないためだ。

⑨A-7 亜両面+良形+愚形ヘッドレス 重要度★★☆☆☆

24p

5567mのように67の両面に55のようなトイツがくっついた形を「亜両面」と呼ぶ。「亜両面」と「ノベタン」は待ちが6枚であり「良形」と「愚形」の間なので「準良形」と見なす。

さて「残りの4枚形がノベタン+両面+両面」のときは両面切りがよいと⑨A-6で述べた。ということは「残りの4枚形が亜両面+両面+愚形」のときは愚形を切ればいいというのは推測がつくだろう。愚形の24pを切る。

さっきと似たような形、12pを切る

⑨A-8 亜両面+愚形+愚形ヘッドレス 重要度★★☆☆☆

微妙

「残りの4枚形が亜両面+愚形+愚形」や「残りの4枚形がノベタン+愚形+愚形」のときはどうすればいいだろうか?これはかなり微妙でテンパイ枚数的には5mを切るのがいいが、期待値的には恐らく愚形のどちらかを落としたほうがいいようだ。微差なので場況に合わせて切ろう。

これも似たような形で微妙、場況に合わせて

⑨A-9 ヘッドレス愚形テンパイⅠ 重要度★★★☆☆

3s

運悪くヘッドレスのまま愚形テンパイしたときはどうすればいいだろうか?その場合3つの選択肢がある。
①単騎待ちでリーチ
②いったん単騎テンパイを取り(これを「仮テン」という)、よりよい待ちになったらリーチ
③面子をどこか外す

基本的には②をオススメする。今回の場合も②がいいだろう、3sをいったん切っておき、よい待ちになったらリーチがよいだろう。(こういった動きを「手替わりを待つ」と呼ぶ)

①については終盤になって、もう手替わりを待つ巡目が残ってないときにしぶしぶリーチをするときに使う手法となる。⑨A-9も13巡目くらいを過ぎたら1s単騎待ちリーチをかけたほうがいいだろう。
③については後述。

⑨A-10 ヘッドレス愚形テンパイⅡ 重要度★★☆☆☆

1mが有力(場況次第では67pもあり)

この牌姿では6pや7pを切って単騎待ちにしても寂しい上に、ノベタンになっても打点が無い。こういう牌姿の場合に1mを外すという手が有力だ。
ただしどれが最善かというとかなり微妙な話ではある。個人的にはドラが無いこの牌姿では1m、ドラ1であれば場況次第、ドラ2以上では67pを切りたい。

1mが有力

22334の形はヘッドができやすい形。こういったヘッドができやすい形が残っている場合などでも1mを切るのが有力になる。

B.リャンメンカンチャン

⑨B-1 リャンメンカンチャンⅠ 重要度★★☆☆☆

2m

455679mの形をよく見てほしい。この形は「45の両面と567の出来面子」と見ることも出来るが、「456の出来面子と579のリャンカン」と見ることも出来る。つまるところ455679mの形は368mが受け入れになっている。
こういった形を「リャンメンカンチャン」と呼ぶ。(ちなみに筆者はこの形がそこまでよい形とは思っていない。所詮は良形のフォロー牌程度でしかなくそこまで働きがある牌だと思っていないからだ。)
よってこの牌姿からは2mを切るのがよい。9mを切ってはいけない。(8mの受け入れがなくなってしまう)

⑨B-2 リャンメンカンチャンⅡ 重要度★☆☆☆☆

4s

9mを切っても4sを切っても受け入れ枚数は同じなので、ピンフの付きやすさから4sを切るのがよい。
ただしこのくらいの違いになるとそこまで大きな差は無いので場況次第では9mを先に切ることもあるかもしれない。

⑨B-3 リャンメンカンチャン? 重要度★★☆☆☆

9m

「リャンメンカンチャン」だからといって2mを切るのはあまりよろしくない。この形はよく見たらヘッドレスである。実際に関連牌を引いた時を想定してみよう。

各種想定図

左が2mを残して「3m・8m・2m」を引いた図、右が9mを残して「3m・8m・9m」を引いた図。どちらが嬉しいだろうか?
断然左だと分かる。

なぜこうなるかというと
①2mを残すと3mを引いた時に2345567という強い連続形になるから
②この形がヘッドレスで8mを引いた場合9mが無くてもシャンテンが進むから(最低限②だけは理解しておきたい、「ヘッドがあるかないか」「6ブロックあるかどうか」この2つは常に意識をすること!)
③タンヤオがつきそうな手牌で9mの縦引きより2mの縦引きのほうが嬉しいから(自分の手牌と同じ牌をツモってくることを「縦引き」という)
という3つの理由がある。まあ実際のところこんな細かい理由はどうでもよくて、周りの関連牌を引いた時にどちらを残したほうが嬉しいか?、で考えればよいだけの話である。
「9mを残したほうが2mを残したときより周りの牌を引いた時に嬉しい!」から9mを切る、それだけわかれば十分である。

コラム5 どっちを切る?


どっちを切るか迷う牌姿に出くわすことはよくある。
比較して理由をいろいろあげてもいいがどっちを残したらよくわからないときは、どんなときでもどちらが周りの牌を引いたら嬉しいかの比較をすればよいだけだと思う。それを考えればもし間違えたとしても、次善くらいは選べるはずだ。
物事は出来るだけ単純に考えよう。複雑に考えられるほど人間の頭は精巧には出来ていない、複雑に見えてもそれは単純なことの積み重ねでしかない。

C.エントツ型複合形(名称不明、知っている方がいれば教えてください><)

⑨C-1 エントツ型複合形Ⅰ 重要度★★☆☆☆

8p

455567mのところを見てほしい。この形は3568mの受けがある形で4mも5mも切りづらい形になっている。よって出来るだけ触らずに残したほうが良い。(複合系は出来るだけ残したほうが幸せになれることが多い。気持ち悪いからといってさっさと切らないこと)
孤立牌の8pを切る。

⑨C-2 エントツ型複合形Ⅱ 重要度★★☆☆☆

6p

6pを切って無くなる受けは6pだけ。5sや6sを切ると受けがかなり減る。よって6pを切る。

⑨C-3 エントツ型複合形Ⅲ 重要度★☆☆☆☆

微差で5m

では「愚形のフォロー牌vs345556」だとどうか?受け入れ枚数では4p切りだが個人的なオススメは5m切りとなる。
(一般に「良形の受け入れ1枚=愚形の受け入れ2枚分」といわれるので覚えておこう)

D.チートイシャンテン

⑨D-1 チートイシャンテンⅠ 重要度★★☆☆☆

5p

1面子も出来てない5トイツはチートイ決め打ちでよい。5pを切る。

⑨D-2 チートイシャンテンvsトイトイ 重要度★★☆☆☆

ポンせずチートイ

こういった手でポンしたらトイトイの2シャンテン、スルーしたらチートイの1シャンテンの手の場合、どちらのほうがいいだろうか?
どうやら期待値的にはスルーしてチートイ狙いのほうがいいようだ。ということでこのくらいポン材が強そうな手でもポンはしない。

⑨D-3 チートイシャンテンと面子手Ⅰ 重要度★☆☆☆☆

6s

チートイと面子手の両天秤はあまりしないほうがいい。ドラ無し、良形無しのこのくらいの手なら6sを切ってチートイ決め打ちしてよい。(面子手の期待値が上、チートイの期待値が下)

⑨D-4 チートイシャンテンと面子手Ⅱ 重要度☆☆☆☆☆

ただし面子手もチートイもどっちもシャンテンならしょうがない。中を切る。

E.三色天秤

⑨E-1 三色天秤 重要度☆☆☆☆☆

7s

7sを切ると6pを引いても9pを引いても三色を見れる。これを「天秤」という。よって7sを切る。
ちなみにこの形は滅多に実戦で出ないのでかなりどうでもいいということは明記しておく(一応紹介はするが・・・)。実戦で出ない形をいくら覚えてもあまり意味はない。

⑨E-2 三色天秤? 重要度★★☆☆☆

6m

三色の天秤を見て7s、を切っている場合ではない。
ドラ3の超チャンス手であり3sのポンや7sのポンのテンパイを逃すのは痛すぎる。このように自分の手のドラの枚数や役の有無によって最適な打牌は変わるので注意しよう。
テンパイチャンス最大の6mを切る。

F.飛びトイツ

⑨F-1 飛びトイツは中を切れ 重要度★☆☆☆☆

6p

446688のようにトイツが一個飛ばしで3つある形を「飛びトイツ」という。「飛びトイツは中を切れ」という格言があり、この牌姿の場合は格言通り6pを切るのが正着となる。

⑨F-2 飛びトイツは中を切れ? 重要度☆☆☆☆☆

場況次第

78mが77mになったらどうか?今度は7m4p6p8p何を切ってもテンパイチャンスは変わらなくなる。一盃口を見るなら7mだが、何を切っても微差なので場況をよく見て決めたらいいだろう。

G.並びシャンポン

⑨G-1 並びシャンポンⅠ 重要度★★☆☆☆

1p

2233mのように並んだシャンポンを「並びシャンポン」という。愚形と並びシャンポンが残った場合どっちを切ったほうがいいだろうか?
基本的には「愚形<並びシャンポン」となるため1pを切る。

⑨G-2 並びシャンポンⅡ 重要度★☆☆☆☆

6m

並びシャンポンの一つ飛んだ形は価値が落ちる。トイツが他にある時は特に価値が落ちる。よって6mを切る。
6mの機能がほぼ無いことを確認しておいてほしい。

⑨G-3 並びシャンポンⅢ 重要度★☆☆☆☆

3p

ただし、この牌姿の場合は3pである。
33mがヘッド、446mの6mがフォロー牌になっているためである。
・ヘッドをどこに求めるのか?
・ブロックが何個あるか?
この二つは常に意識すること。

H.シャンテン戻し

⑨H-1 シャンテン戻し 重要度★★★☆☆

9s

基本的にこのゲームはシャンテンを進めるように打つことが正しいことが多い。一番早くにアガった人しか点数が貰えないというゲームの性質上、アガりにいち早く向かう手順が期待値的に得なことが多いからだ。
しかしシャンテンをわざわざ戻す手順が正解なことがある。(ちなみにシャンテンを戻すことを「シャンテン戻し」という。)アガり率を落としても、自分の打点が2倍や3倍になれば期待値が得になるためだ。
⑨H-1の手牌は4pを切って4sや7sをツモってもリーチのみ愚形になってしまう。こういった打点が無い手のときに98sを切って打点の種(今回はタンヤオと赤5m)を残す手順はかなり有力になる。
こういった手については⑫でも詳しく述べるが結構頻出するので覚えておくといい。

I.くっつきシャンテン

⑨I-1 くっつきシャンテン 重要度★★☆☆☆

2m

この牌姿をよく見てほしいが、この牌姿は「4ブロック+孤立牌」しかなくブロック数が足りていない。こういった、「ヘッドはあるがブロック数が4ブロックしかないイーシャンテン」のことを「くっつきシャンテン」と呼ぶ。
くっつきシャンテンのときは難しく考えずに普通に一番弱い孤立牌を切ればよい(複合形が絡んだり打点との兼ね合いで難しくなることは往々にしてあるが・・・)。
今回の場合は難しくない、最も弱い孤立牌の2mを切るだけ。

コラム6 アガリから遠い手牌

アガリから遠い手牌の牌効率については結構難しい。人によって意見が割れやすい上に分岐がたくさんあるからだ。
ただ、身も蓋も無いことを言うとアガリから遠い手牌の牌効率についてはそれほど気にしなくていい。どうせアガれる確率が低いんだからアガり率が3%から4%になったところで期待値に大差はない。そういった手牌の場合は放銃率を下げる手組みや場況対応に重きを置いたほうがいい。

牌効率は「アガリから近いシャンテン時の選択」や「テンパイ時の待ち取りの選択」でミスをしないよう心がけよう。

⑩代表的な複合形 重要度★☆☆☆☆

よく出てくる複合形を列挙していこうと思う。ただしこういった形はずらずらっと見せられても覚えられるものでは無く、実戦で慣れて覚えたほうがいいと思うので参考程度にしてもらって構わない。めんどくさいならこの項はスルーでおk。

⑩-1 重要度★★☆☆☆

「22234m」のような形をエントツ型という。
この形は「2m5mと發」の3種7枚が待ちになる。また2mと5mは出アガリでも三暗刻が付く点には注意。

⑩-2 重要度★★☆☆☆

「2444m」のように暗刻に一個離れた牌がある場合待ちは「単騎2m+カン3m」の23mで2種7枚となる。(ちなみにこの牌姿だと2mツモでテンパネする。複合形の場合は待ちの見方によって2符ついたり暗刻として見たりできるので見落とさないように注意が必要)

「3444m」のように暗刻に一個離れた牌がある場合待ちは「両面25m+単騎3m」の235mで3種11枚となる。


⑩-3 重要度★☆☆☆☆

この形の場合は「69mのノベタン+カン5m」で569mの3種10枚となる。

この形の場合は「9m単騎+カン8m」で89mの2種7枚となる。8mを忘れやすいので注意。


この形の場合は「両面69m+カン5m」で569mの3種10枚となる。5mを忘れやすいので注意。

この形の場合は「58mのノベタン+三面張369m」で35689mの5種17枚となる。この形は待ちをすべて覚えたほうがてっとり早いと思う。

この形の場合は「両面36m+両面58m」で3568mの4種13枚となる。この形もおそらく覚えたほうが早い。

この形の場合は「両面58m+単騎6m」で568mの3種9枚となる。6mを忘れやすいので注意。

この形の場合は「三面張258m+単騎3m」で2358mの4種14枚となる。

⑩-4 重要度★☆☆☆☆

この形の場合は「両面47m+シャンポン56m」で4567mの4種9枚となる。


この形の場合は「シャンポン46m+カン5m」で456mの3種5枚となる。

⑩-5 重要度★★☆☆☆

ただの3面張で「147m」の3種11枚となる。両面より強い。この場合はピンフもつく。

「両面58m+単騎2m」の3種9枚となる。2mを忘れやすいので注意、58mの場合はピンフもつく。

3面張のノベタン、「258m」の3種9枚となる。この場合はピンフは付かない。

いくつか複合形の例を挙げたが、実際にはもっとたくさんある。ただそれらを列挙してもあまり意味は無いと思うのでここまでにしておく。
こういった複合形に関しては実戦で慣れていくほうが大切。

⑪そこそこ重要な話  重要度★★★☆☆

ここからは牌効率に関するそこそこ重要な話をしたいと思う。

⑪-1 2ヘッド形は優秀  重要度★★★☆☆

8p

ここでは4pか8p、どちらを切るべきだろうか?
基本的にこのゲームは2ヘッド進行が強い時が多い。今回の場合も正解は8p切りだ。4pを残しておくと、22345mの部分を4連形と見ることが出来るので1346mを引くと良形化する。もし4pを切ってしまうと1ヘッド進行となり、萬子の伸びを期待することが出来なくなってしまうことを確認しておいてほしい。

9p

「2mのカンチャンや4mのカンチャン」が残るより「發と8pのシャボ」が残るほうが嬉しい。9pを切る。

微差ながら6m

「5mのカンチャンや3mのカンチャン」より「4mと西のシャボ」が残ってくれた方が嬉しいので6m。また先制攻撃を受けた時にも2ヘッドのほうが西落としで受けに回りやすいという利点もある。

このゲームで2ヘッドを1ヘッドにすることはあまり無いことは覚えておいてほしい。例外は下の牌姿くらい。

ドラ5pが出ていかないように3p

⑪-2 出来るだけ余剰牌を出さないように  重要度★★★☆☆

3s

出来るだけ余剰牌を出さないようにしよう。ここから247mを切ると浮き牌が出てきて受け入れが減ってしまうことを確認しておいてほしい。

2s

2sを切ると余剰牌が出にくい形になる。3mを切ると5mが余剰牌になる。

35m

ちなみにこの形は35mを切る、6ブロックだからだ(6ブロック時は手牌で一番要らないターツを落とす)。上の形との違いをよく見ておいてほしい。

微差ながら7s

3トイツ&愚形&愚形&良形の場合は微差ながら良形固定で7sを切る。余剰牌が出ないように打つのが基本だがこのような例外も時たまある。

⑪-3 端寄りの待ちの強さ  重要度★★☆☆☆


孤立牌ランクを備忘録①で書いたと思うが、基本的に使いにくい牌はその逆だ。実はランク下位の使いにくい牌で待つことが出来ればアガリ率が上がることになる。

56p

この牌姿、どの両面を落とすべきだろうか?答えは56pである。待ち牌が端にかかればかかるほどアガリ率が上がる。よって一番上がりにくい47pになってしまう56pを外すのが正解。

内側の牌→「面子を作る能力は高い」が「待ちは弱く、後半危険牌になりやすい
外側の牌や字牌→「面子を作る能力は低い」が「待ちは強く、後半安全牌になりやすい
と覚えておこう。ただし、基本的にはこのゲームは「アガリが偉い」ゲームなので内に寄せて打つのが基本なのは忘れないでほしい。攻撃は最大の防御

またアガリが近いときは直接の強さを、アガリが遠い場合は変化を見やすいことも覚えておこう。例えば、3シャンテンから待ちの強さをわざわざ考えて打ったりは普通はしない。

8s

13mと68sの比較。「2待ち>7待ち」なので68sを切る。ちなみに8sに良形変化はないので、13と24の比較は基本的に13優位。

1m

ただし、タンヤオがつくなら当然13mを切る。

⑪-4 シャンポンvsカンチャン  重要度★★☆☆☆

5m切りリーチ

シャンポン待ちとカンチャン待ちが選べるとき、どっちを選んだらいいだろうか?
これは基本的にはシャンポン待ちを選んだほうが良い。同じくらいの待ちの強さだと4%程度シャンポン待ちのほうが強いという統計結果が出ているらしい。

一般的にこのゲームは待ちの種類が多ければ多いほどアガリ率が高くなりやすい。1種類の牌を止めるのは簡単でも何種類もの牌を全て止めるのは難しくなるからだと言われている。
また端にかかるほどアガリ率が上がり(カンチャンの場合、巡目等にもよるが端になればなるほど3~5%くらい上がるようだ)、字牌の場合は特にアガリ率が上がることも覚えておこう(10%以上高い)。

3m切りリーチがよさそうだが微差

上の牌姿はどうだろうか?「カン2m vs 3m7pシャンポン」はカン2mのほうがちょっと勝りそうだがここまで来ると微差だろう。場況によって変えたほうがよさそうだ。

⑪-5 一枚切れ 重要度★★☆☆☆

2mが1枚切れだと・・・?

⑪-3で取り上げた手牌。2mが一枚切れ、7sは全生きという仮定だとどうなるだろうか?
「2待ち>7待ち」なので68sを切る。わけはない。
3枚残りが4枚残りかの違いはかなり大きい。よって13mを切る。

ちなみにこういった微差の牌姿の場合は場に見える枚数以外にも、「他家の染め手の有無」や「周りの牌の切れ具合」等の場の状況に応じて柔軟に対応する必要が出てくることには注意しよう。
「場には0枚見えだが実質的に1.5枚切れの弱いターツ」vs「場には1枚見えだが誰も持ってなさそうなターツ」なら後者のほうが強い。(詳しくは捨て牌編で述べる)


⑪-6 フリテンの扱い  重要度★★☆☆☆


フリテンはどう扱えばいいだろうか?
結論から言うと、先制リーチ及び1シャンテン以下なら「良形>フリテン良形≧愚形>>フリテン愚形」だ。
追っかけリーチ及び鳴き手テンパイなら「良形>>愚形≧フリテン良形>>>フリテン愚形」だ。
(フリテン愚形は相当悪い形だが実戦でほぼ出現しないので説明は省く。)

1mを切ると・・・
直後に3mツモ・・・

1mを切ると直後に3mをツモってしまった。どうすればいいだろうか?
ここは「フリテン良形≧愚形」より68pを切ろう。
ちなみにアガリから遠いほどフリテンについてはそれほど注意しなくていい(アガるまでにフリテンの部分が埋まる可能性が高くなるため)。
逆に言うとアガリから近いほどフリテンについて注意が必要。

6mを切っていると仮定

この形は「フリテン良形≧愚形」より5m切りリーチ推奨。
追っかけの場合は「愚形≧フリテン良形」より4m推奨。

6mを切っていると仮定

鳴き手テンパイの場合は「愚形≧フリテン良形」より4m推奨。

⑭-7 「愚形のフォロー牌やリャンカン」と「4連形・中膨れ」、どっちが優先? 重要度★★☆☆☆

8p

「愚形のフォロー牌やリャンカン」と「4連形・中膨れ」が残った場合、どちらを優先するべきだろうか?
基本的には「愚形のフォロー牌やリャンカン>強い孤立牌」となる場合が大半で上の牌姿も素直に8pでいい。

微差ながら7pがおすすめ

「ドラ無し、タンヤオも消えるような2m受け」vs「タンヤオが付く4連形」でも7p切りがちょっと勝るようだ。

微差ながら1mがおすすめ

愚形が残る場合はかなり微差ながら1m切りが有力か。

微差ながら7pがおすすめ

ドラ1の場合は微差ながら7pがおすすめ。

ここまでリャンカン側に不利な想定をしても微差なので、実戦的には「愚形のフォロー牌やリャンカン>強い孤立牌」の場合が大半となることは覚えておこう。

⑭-8 「良形のフォロー牌」と「4連形・中膨れ」、どっちが優先? 重要度★☆☆☆☆

微差、場況次第

「良形のフォロー牌」と「4連形・中膨れ」が残った場合はどうだろうか?
個人的にはこれはマジで場況次第だと思う。平面的にはどの選択もそれほど大差無く、「ドラの枚数、鳴けるかどうか、点棒状況や巡目、捨て牌等」の場況で大きく変わるので立体で対応したほうがいい。

⑭-9 鳴いた後は全部鳴く? 重要度★★☆☆☆

何を鳴く?

發を鳴いたこの手はここから何を鳴くだろうか?(そもそも發を鳴くべきかどうかはここではいったん置いておこう)
この手は3sだけ鳴いたほうがいいだろう。面子候補がまだ足りておらずここから鳴いても守備力も早さも打点も何もない。689mだけでなく69sもスルーしたほうがちょっと勝ると思う。

こうなってからでも遅くはない

ここから鳴くなら全然アリだろう。
ちなみにここからでもスルーは全然アリだ。もちろん場況次第だが、8mが全員に安全候補なら「689mはスルー」みたいな戦術も十分アリ。

鳴いたからといってシャンテンが進む牌を全て鳴かないといけないわけではないことは覚えておこう。

得なら鳴く、損なら鳴かない、瞬間瞬間で得なほうを選べばいいだけ

⑭-10 スルーした牌は次もスルー? 重要度★★★☆☆

上家から7m

上家から7mが出た。この手は是非ともリーチを掛けたいと思いスルーした。(スルーしたほうがいいか、鳴いたほうがいいかはこの際置いておこう)

上家から7m

7mがまた出たが前にスルーしたので今回もスルーした。
さてこの判断はどうだろうか?

結論から言うと
・「前の7mをスルー」したから「今回もスルー」
は間違いだし、
・「前の7mをスルー」したから「次は鳴く」
も間違いだ。

「前の7mをスルー」したことが今回の判断に影響を及ぼすことは無い

「7mが一枚減ったこと」が今回の判断に影響を及ぼす可能性は十分あるが、「前回スルーした」ということを今回の判断材料にするのは絶対にやめたほうがいい。

人間は連続的に物事を判断する生き物だ。確かにそれは+の面もあるが、-の面もかなり大きい。

正解は、
・「8巡目で枚数が減ったので期待値的に鳴いたほうが得になったので鳴く」
or
・「8巡目で枚数が減ったがそれでも期待値的にスルーしたほうが得なので鳴かない」
だ。前にスルーしたかどうかはどうでもいい。(どっちが正解かはここでは置いておく)

前切った牌をまた引いてきたときに利用価値があるのに切ったり、クズ手から有効牌を引きまくっていい手になったからといって1シャンテンで押しすぎたり、ずっと手が進まないからといって謎に守備的進行を選んだり、連続的に物事を考えることが邪魔になることは多い。

ダマにしてしまった・・・

例えば3900のこの手。タンヤオが付いていると勘違いしてダマにしてしまったとしよう。

どうする?

次の順、どうしようか迷ったがツモギリリーチが嫌で結局ダマにしてしまった。どうだろうか?

断固リーチである。

人間誰だって間違いはある、しかし次の順気づいたのなら鉄板でリーチだ。前の順の行動なんて関係ないし、ここでダマにしてしまうことのほうがよっぽど罪が重い。そもそも9巡目でこの手を貰ったら何も考えずにリーチするだろう。ちゃんと間違いを認めて、この瞬間得なほうを選べばよい。

全ての局面、全ての打牌において瞬間瞬間で得なほうを選べばいいだけである

⑭-11 ピンフ狙いのときの字牌の扱い 重要度★★☆☆☆

東→白

ピンフ狙いのときはオタ風>役牌になる。
ヘッドが無い牌姿なので、ここではヘッドが欲しい場面。役牌を重ねて鳴いても全く嬉しくないので東→白→北の順で切る。
役牌を重ねても嬉しくないならさっさと切ろう。

⑭-12 字牌vs19牌 重要度★★☆☆☆

字牌と19牌の価値の評価は難しい。
この手の場合は面子候補が足りておらず、1sにくっついてもらっても全然嬉しいので白を残している場合ではない。白切り。

微妙

ではこの手はどうか?
ドラが無いが面子候補も足りてない。1sにくっついてもらってもリーのみになりそうだがさりとて白を残すほどかと言われるとうーんという感じである。かなり微妙。(ちなみに自分は白を切る)

1s、(6mもあるかもしれない)

この手はどうだろうか?
ここまでクズ手になるとなんでもよくなるが、字牌はあまり切りたくないだろう、将来安全牌になる可能性も高いし1sに何かがくっついてもらってもそれほどうれしくないからだ。6m切りまでありそうだ。

このように役牌・オタ風・19牌は牌姿によって有効価値が変動しやすい。
アガリから遠い手も場合は何から切ってもどうでもいい場合が多いが、アガリから近いときはよく注意しよう。

⑭-13 リーチ者の現物待ち 重要度★☆☆☆☆

リーチ者の現物待ちになった場合はどうだろうか?
基本は
・「役有り愚形はダマ寄り」(あまりオリない)
・「役有り良形はリーチ寄り」(ほぼオリない)
・「役無し愚形はリーチorオリ」(オリも十分ありうる)
・「役無し良形は鉄リーチ」(ほぼオリない)
である。

「役有り愚形」は先制だったら大体リーチだったが、先制リーチ者がいて現物待ちになった場合は点数に関係なく大体ダマでいい。
逆に良形は現物待ちでも大体リーチでいい。

一番注意するところは「役無し愚形はリーチorオリ」の部分である。
「役無しで謎ダマ押し」している人を時たま見かけるがよっぽど自分が強い人でない限り真似しないほうがいい。
多くの場面で意味不明な行動になりがちなので、「押すなら押す」、「降りるなら降りる」、どちらかに決めたほうがいい。

⑭-14 赤5と他の牌の関連 重要度★☆☆☆☆

9s→9p→2m→2pの切り順

上の牌図で何から切ったほうがいいだろうか?

一般に赤5を持っているときはその色の筋牌の価値や19牌の価値が低下する。「1m3m赤5m」「2s3s赤5s」みたいな形になっても「1m」や「2s」はそれほど必要でないからだ。

ということで上の牌図からは(ドラの南を切らないとすると)、
「9s→9p→2m→2p」の切り順になる。そこまで役には立たないが覚えておこう。


ここまでが一応基本的な話になる。次の記事が発展という位置づけにはしてるが、発展までは是非読んでほしいと思う。「玉の間」「特上卓」で戦うにはここまででは足りない。

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