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#2 素人でも書ける美文術

連載「俺の文章術」、第2回目に登場してもらうのは、書籍編集者の佐藤佑一郎氏です。佐藤氏は雑誌編集、書籍編集と編集者としてキャリアを積んでいます。編集業務に携わる一方で、自らも多くの文章を執筆・発表しておりそのクオリティも抜群です。

文章術には様々なスタイルがあり、書き方の手法も人それぞれです。これまで紹介してきた、「構成を決めて文法を考えて書く」というスタイルに息苦しさを感じる、という人もいるかもしれません。

佐藤氏は「素人こそノープランで書いたほうが文章は美しくなる」と語ります。一味違うライティングスタイルを持つ佐藤氏のメソッドとは何か聞きました。

構成はいらない

――佐藤さんは独特な執筆スタイルをお持ちだとお聞きしました。

「赤石さんから構成を考えて書くというお話を聞いて、僕はあまり考えてないなと思いましたね。私は大学で文学を学んだわけでもないし、名作・名著の類を読んだこともありません。なので会社に入ってから自分で試行錯誤して文章の書き方を工夫してきました」

――構成を考えずに書くんですか?

「デスクから指示を受けて原稿を書くときは、デスクに構成をお任せして、それに従っている感じですが……(笑)。

とはいえ自分で書く時も、物語はほとんど意識しません。パズルのように要素を組み合わせるというイメージで文章を書いています」

――具体的に言うと?

「取材メモなどがあれば赤線を引いてまず大事な個所を確認しておきます。そのうえで書くべき要素をピックアップします。いつも10個くらいになりますね。10個は読んでいてパンチのある話をピックアップしていくイメージです。

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