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2023年の仕事ベスト5を考えてみた

新年、明けましておめでとうございます!

2024年が始まり、今年も新しい挑戦を始める年が始まろうとしています。そこで恒例の自分の仕事振り返り企画として、「仕事ベスト5」を考えてみました。フリーランスとなって5年目、「楽しい。意味がある。」をテーマに仕事をしてきましたが反省ばかりの1年でした。目標達成率50%、まだまだやりきれなかったことがたくさんありました。

正月休むと特にやることもなくなるということで、NOTEを書いているのですが、振り返ることで自分のダメなところや、これからやらないといけないことが見えてきて楽しいものです。それでは行ってみましょう!


第5位 デジタル庁にDXはできない 文藝春秋&文藝春秋電子版

前年から続けてきたデジタル庁取材を、文藝春秋「目覚めよ日本 101の提言」という特集で改めて執筆した記事を5位としたいと思います。

デジタル庁に足場がないところから情報源を開拓しながら取材をし、「このままではデジタル庁は問題が噴出する」という内部証言を得てことで、後のマイナンバー騒動を予見する記事となりました。

記事を読んだ親戚から「文藝春秋の101人にお前が選ばれるって、どういうことなんだ?」と詰問の電話をもらったように、ご歴々と並びで署名原稿を書かせて頂きました。その格には相応しくないのですが、文春時代の旧知のデスクの計らいで記事を入れさせて頂いたという”コネ記事”でもありました。まあ予見が当たったということでご容赦ください!笑

 


第4位  世田谷区認可保育園で児童虐待 ポストセブン

22年末からの保育園問題もあり、なぜか僕が保育園問題に切り込むことになった記事が第4位です。ネタ元の巡り合わせで取材することになり、時間をかけてファクトを集め執筆しました。

僕自身はヤフトピを目指す記事は2019年~2020年で散々やったので、ヤフトピにそれほど価値(ライターとして自分の記事がヤフーに配信されても消費されるだけという虚しさがあるので)を感じていないのですが。編集部から「週刊誌系の記事で上から3本に入ることは少ない。快挙です」とお褒めの言葉をもらいました。上から3本は堅い系の記事しかピックされないということのようで、朝日新聞をはじめ各大手紙も後追いしていただいた記事となりました。

話題性という意味では2023年で一番だったかもしれません。


第3位 元文春記者チャンネル YouTube


第3位は元文春記者チャンネルです。週刊誌をもっと盛り上げたい、という気持ちで始めたYouTubeですが、ジャニーズ問題、木原事件、そして年末のダウンタウン松本氏のスキャンダルと時代を変えるようなスクープが続発したこともあり、「週刊誌ここにあり」ということを解説できたことは嬉しいことでした。何より7万人登録と多くの視聴者に支えられ一年を走り切ることができました。改めて視聴頂いたかたに御礼を申し上げたいと思います。

2006年に週刊文春に入ったときは綺羅星のような先輩スター記者がいて凄いな、とても適わないと思いました。それから数年が経過して、2010年代となり僕らの世代の記者が業界では「最強」と評されました。でも、いま文春を離れて思うのは、いまの編集部陣容こそが「最強だ」ということです。

つまり過去は過去でしかないといことです。現場の最前線に立ちスクープを追い求める記者が常に最強であるということが「真実」なのだと思います。最強の過程のなかに歴史があり、積み重ねがあり、取材スキルの進化がある。そういう意味では自分がその過程にいたことは誇らしいことではあります。しかしいまの時代にスクープを放つ記者こそが最強であり、個人としてもとても羨ましく思う。

ランキング3位としたのは、記者としての負けていられないなという戒めも込めてそうしました。登録者10万人を2024年は達成し、YouTubeからもオリジナルスクープを出せるメディアにするべく、動画や取材力を更に磨き上げていきたいと考えています。

https://youtu.be/o46wYL-GidM?si=dqmFW_p6ZrVow1cD


第2位 韓国・尹大統領に重大疑惑「捏造捜査を行った」 週刊ポスト

コロナもあり韓国に行くことが困難になり、僕が取材テーマの一つと考えていた「日韓関係」の取材は一時ストップしていました。3年ぶりに現地入りして取材を行ったのが、当記事となります。

正直、日本では日韓関係がホットニュースではないという状況もありそれほど話題になりませんでした。しかし、それ以上に収穫が多い記事だったということで2位といました。

収穫の1つ目として、日韓関係をまた取材したいという意欲に火をつけてくれたことです。僕は右翼でも左翼でもなく、事実ベースで日韓間関係を見ようというスタンスで取材に取り組んできました。韓国でいろんなかたに出会い交遊を深めることで、僕のスタンスでも「何かを変えられる」のではないかという淡い予感を感じることで、仕事のモチベーションにしてきました。そうした気持ちを改めて感じれたことが大きい。

刺激もありました。韓国の大手メディア報道はいい加減なものも多いのですが、若手ジャーナリストたちが奮起していろいろな挑戦をしていることを垣間見ることが出来ました。同記事で取材した「メディアウオッチ」というメディアも、定食屋2階の狭いオフィスで自分が信じる道へのチャレンジをしているベンチャー企業でした。その野心には感じるものがありました。

自己投資的な意味や、自分を見つめなおすという意味で収穫が多い記事でした。


第1位 社保倒産記事 ダイヤモンドオンライン


いろんなことをやっていますが、2023年いちばん思い入れが深いのはこの記事でした。

思い入れが深い理由は、一か月以上時間をかけて取材したというのが一点。そして、新しい問題を掘り起こすことができたというのが一点です。

また、ダイヤモンド編集部の山口編集長がすぐに企画を採用してくれたことも有難いことでした。山口氏とは十年来の付き合いですが、新しいことに対してトップ自ら面白がってくれるというのは記者としては嬉しいことです。チャレンジングな姿勢こそメディアのあるべき姿だと思うのですが、「何リスク回避してるん?」と思うメディア人も多くモヤモヤするのですが。ダイヤのイケイケぶりは楽しくなるんですよね。

取材のきっかけは、知人の社長が漏らした一言でした。

「このままでは社保に会社を潰される」、彼はある酒席で苦々しい顔でこう呟きました。どういうことなんだろう? という僕の興味から取材が始まりました。

証言を集め資料を精査すると、「社保倒産」という社会リスクの存在が浮かび上がってきました。専門家やアナリストからも「その視点は新しい。気が付かなかったけどリスク要因になる」と言われたことも嬉しいことでした。前述の社長や関係者も、「うちの社ではなく。多くの会社が泣かされていることを書いてもらえて嬉しいです」と有難い言葉も頂きました。

「社保倒産」という言葉は僕が名付けました。12月にはNHKでも「"社保倒産"が増加する懸念 政府一体で問題回避を」という報道がされるようになり、問題提起の波紋はジワジワと浸透していきました。

じつに渋いスクープではあるのですが、多くの人に感謝され応援をされたという意味でも思い入れが強い記事でした。




【まとめ】

こうして振り返ってみると2023年はスクープの破壊力には欠けた1年だったかもしれません。勿論、破壊力だけが仕事ではないということはわかっているのですが、破壊力で「祭りだワッショイ!」となる感覚は忘れがたいもの笑 より野心的に行かないといけない、と反省と希望を感じた1年だったと総括しておきます。

24年は今までの仕事をより伸ばし、新しいチャレンジも続けるという飛躍の1年にしたいと思います。

記事を読んで頂きありがとうございました。

(了)

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