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THE 戦闘員 第7話

【元妻 女戦闘員登場 サタン首領へ電話】

「お久しぶりね。あなた変わってないわね」

小野剛の元妻、女戦闘員の奈緒子だ。やはり家だというのに、タイツを履いている。そして覆面をしている。

剛「お前も変わってないな。ところで悪いな、正利がお邪魔しちゃって」

奈緒子「別にいいわよ。私の息子でもあるんだから」

「小野さん」

奥から声が聞こえてきた。何か聞き覚えがある声だった。

「こんばんわ」

それは戦闘員の後輩、斎藤だった。

剛「え?斎藤君?何で君が?」

小野剛は斎藤と奈緒子を交互に見た。奈緒子は照れた表情をしている。正確に言うと奈緒子は覆面をしているので顔はわからないのだが、雰囲気では、完全にこの二人はデキている。しかし、それと同時にひとつの疑問が思わず小野剛の口から出た。

「蜂男さんは?」

奈緒子は一瞬にして険しい表情になった。正確に言うと覆面をしているので顔はわからないのだが、雰囲気で。

奈緒子「あの人はどうしようもない男だったわ」

奈緒子の部屋にて。奈緒子は蜂男の肩に寄り添い、幸せな顔を浮かべていた。正確に言うと覆面を…。

蜂男「なあ、奈緒子」

奈緒子「何?蜂男」

蜂男「お前と付き合って結構な年月が経った。もうそろそろ、改造してみないか?」

奈緒子は蜂男から離れた。

奈緒子「イヤよ」

蜂男「何でだ?お前も怪人になればもっと強くなれるんだぞ」

奈緒子「だって、改造手術は失敗の恐れがあるのよ」

蜂男「奈緒子なら大丈夫だよ。きっと成功するよ」

奈緒子「なんの根拠もないでしょ?」

しかし、蜂男は奈緒子の手を引っ張った。

蜂男「研究室に来るんだ」

奈緒子「イヤよ、離してよ」

蜂男「いいから来るんだ、このアマ」

蜂男は奈緒子を殴った。奈緒子は吹っ飛んだ。

奈緒子「やっぱり私の体が目的だったのね」

剛「その話、もういいからさ」

小野剛は奈緒子を現在に戻した。

奈緒子「え?いいの?」

剛「その話はまた今度。今日は蜂男さんの話を聞きに来たわけじゃないからさ」

奈緒子「あ、そうね。蜂男はもういいわね」

奈緒子は逃げている。後ろを振り返りながら、怯えた表情で。正確に言うと覆面を…。奈緒子は転ぶ。

蜂男「奈緒子ー」

迫りくる蜂男。このままでは捕まる。奈緒子は諦めかけたその時。

「待てーーーーー!」

一筋の光が奈緒子の顔を照らした。奈緒子はその方向を向いた。そこには斎藤が立っていた。

剛「斎藤君の話もいいんだわ。君たちの馴れ初めは興味ないの。正利の話して」

奈緒子「あ、正利ね。正利はね、もう寝ちゃってるのよ」

剛「そうなのか」

奈緒子「うん。どうする?」

剛「そうだなー」

斎藤「今日のところはこっちで預かりますよ」

剛「お前に言われると腹立つな」

しかしそれが一番となり、正利を預けることにした。小野剛は紙に書いた。それを奈緒子に渡した。

剛「正利に渡してくれるかな?」

奈緒子「わかった」

斎藤「必ずや」

剛「お前には頼んでないからね」

帰ってきて、小野剛は電話をしている。

「夜分遅くにすいません。サタン首領さんでしょうか?私、戦闘員0025です。あのー申し訳ないんですけど、仮面バスターの住所を教えて頂きたいんですけど。ちょっと用事がありまして」

小野剛はメモを取る。

「杉並区、ヒー(はいみたいな感じ)、ヒー(はいみたいな感じ)、コーポ小山、ヒー(はいみたいな感じ)、ヒー(はいみたいな感じ)、わかりました。ありがとうございました。サタン万歳」

小野剛は電話を切る。そしてメモを握りしめ、家を出たのであった。いったいどこへ?


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