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息抜きのショート・ショート♪

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「母というひと」の重さから離れて こちらはサラリと読める短編の物語集♪ お口直しに、どうぞ^^
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記事一覧

猫はしなやか

猫はしなやか。 抱いてしなやか。 膝に乗せてしなやか。 シッポを立てて、ゆらゆらしなやか。 …

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或る、蜘蛛の子の母。

 みつるは、けたたましく掃除機をかけていた。  初夏のキラキラと眩しい日差しの中で。  …

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節分に 鬼、ぼやく

マガジン #息抜きのショート・ショート 「♪鬼さんこちら、手の鳴るほうへ」って、昔はさ、…

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辛口ジンジャーエール

 剛平と舞衣は波長が合うのか、もう5年ほどバランスの良い友人関係を保っている。  男女の関…

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さとがえり

 ガタタン  ゴトタタン  振動で窓が軋むほど古びた汽車が、田んぼの中を突っ切っている。…

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彼女が電話に出ない

 彼女から連絡がない。  付き合い始めてまだ2ヶ月。いつもの振られサイクルよりずっと短くて…

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こたつみかん

 コタツとミカンは、切っても切れない関係。  コタツに乗ったミカンを、手を伸ばして取る。  皮をむいて食べる。  よく熟れて甘いものに当たる事も  早すぎて酸っぱいものに当たる事もあって、ちょっとロシアンルーレットっぽい。  たくさん買いすぎて飽きて放置して中身がスカスカになってる時もある。 「甘いミカンばかりなら良いのに」  八枝が呟くと、母親が「何勝手なこと言ってんの」と即座にクギを刺した。 「ミカンにだってミカンの都合があるんだから」 「何よそれ」  八枝は母親の言葉

彼女が欲しがる1個のコップ

「コップが欲しいの」彼女が言った。 彼はコップを買ってきた。 「こんな色のじゃなくて、ピ…

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ナミちゃんの迂闊

久しぶりにカッパの村に帰省して来た田郎が なにやらブツブツ文句を言いながら頭の皿を撫でて…

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ぼろぼろの人

その人は、ぼろぼろの身なりをしていた。 道端に座って、ぼんやりとしていた。 お風呂に入って…

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白球のむこうへ

最後の夏が終わった。 将吾の学校は、甲子園どころか 県大会で二勝を上げるのが精一杯だった。…

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