見出し画像

サマンサタバサの苦い記憶

ネットニュースを見ていたら、こんな記事を発見した。

「サマンサタバサ、私も持っていたなあ」と思いながらこの記事を読んでいた。

と、同時に思い出したくもない記憶が掘り起こされてきて、思わず顔をしかめた。

サマンサタバサと私の出会い

短大に行くことになった18歳の私は、サマンサタバサのお店にドキドキしながら入った。

私は訳があり、とてもダサい女の子だったので、サマンサタバサというキラキラした空間のお店に入ることがとてつもなく緊張した。

ジーパンに、Tシャツという格好で入った。

眩しいと思うくらい綺麗な洋服を着た、綺麗な同じ年くらいの女の子が接客してくれた。

同じ年には思えないくらい、店員さんはおしゃれだった。

内心、私を見下しているんだろうな、どうせダサいって思われているんだろう、って、とにかくドキドキしていた。

結局、私が買ったのはピンクと白のバックだった。

実は私は、もう少し可愛いバックが良かった。

サマンサタバサが悪いわけではなくて、サマンサタバサの中でも別のバックが欲しかった。

しかし、店員さんにおされて、限定かなんかのそのピンクと白のバックを買ったのだった。

今よりうんと気が小さく、自分に自信がなかった私は、断れなかった。

店員さんは「これさえ持っていれば、いい」みたいなことをしきりに言ってくれた。

そのことも大きかったと思う。

これさえ持っていれば、普通になれるかな?なんて考えた。

サマンサタバサのバックとの別れ

短大に行ってみると、サマンサタバサを持っている人はあまりいなかった。

私の中でサマンサタバサ🟰可愛い女の子が持っているイメージだった。

これさえ持っていれば、可愛くなれると思っていたから、ちょっとびっくりした。

それに加えて、みんなが持っていたのは、バーキン、マイケルコース、シャネルなどのブランドのバックだった。

私は、あまり気に入っていないピンクと白のバックが途端に恥ずかしくなった。
隠すように短大生活を送った。

代わりになるようなバックは家になかったからだ。

結局、私とそのサマンサタバサのバックは別れることになった。

私の着ていた黄色いTシャツの色が移って、バックの白い部分が黄ばんだのだった。

高いお金を出したのに...とすごくショックだった。

洗っても黄ばみは取れず、たったの1ヶ月で、バックはゴミ箱行きになった。

サマンサタバサに思うこと

私はサマンサタバサが好きでも嫌いでもないけれど、とにかく前述したような苦い記憶があって、あまりいい思い出がなくて、サマンサタバサの店の前を通るだけで心が痛くなる。

サマンサタバサへの非難の記事ではないことはわかって欲しいけれど、とにかく、冒頭で挙げた記事を読んで、またあの苦い記憶が湧いてきた。

短大は結局やめた。

おしゃれ競争についていけず、自分がダサくて惨めで気持ち悪い存在だと思い込むようになっていたからだ。

サマンサタバサでいいバックに出会えていたら、もしかしたら、何か違ったのかな?やめずに済んだのかな。

とかありもしないことを考える。

でも、女にとってバックって、それくらい重要なものなのだと思う。

サポートしてくださるととても嬉しいですし、喜びます!!