お気に入りだったカーキ色のサロペットが、とうとう太ももの部分が解れてきてしまった。

裾もこの間、破ってしまったばかりで、寿命かなぁ？とおもっているのだが、お気に入りだし、そんなに高い物でもなかったはずなので、同じ物を買いなおそうかと思っていた。

いつ買ったっけ？と、ショッピングサイトの購入履歴をさかのぼると、なんと2年前。

同じ商品が、まだ販売されていたので、お気に入りマークを付けた。

それと同時に、2年前以降の買い物の履歴をさかのぼってみた。

そう、私が買い物依存症だったころに買った物の数々だ。

オーダーメイドの時計から、スマホケース、靴、バッグ、ピアス、…etc×∞

いくら使ったんだ⁉と怖くなるほどの買い物の数。

「こんなものも買ってる！」「これも買ってる！」とさかのぼると同時に驚いてばかりである。

同じような商品を何個も何個も…今では考えられない買い物の仕方だった。

しみじみと、「あの頃は金銭感覚麻痺してたなぁ。」と思う。

そして、いくら買っても買っても満たされない心があった。

実家にいた頃を思い出すと、背筋が凍る気がする。

物に溢れた部屋と、大量の請求書の山。

リボ払いにしていたので、毎月の支払いは金額が変わらないことも、麻痺していく原因でもあった。

破滅衝動と似ている気がする。このまま、どうにでもなれ。という気持ちもどこかにあって、それは家族や置かれている状況に対する反抗だった。

今になってみると、当時買った物は、どこへやら。

一人暮らしをはじめると同時に、実家に置いてきたのである。

結局は、買った物は本当に必要な物ではなかったということだ。

買うことで、満たされていると思っていたがそれは間違いだった。

今は、本当に必要な物、大切に出来る物を買っている。
だから、サロペットもボロボロになるまで着ていたし、財布もなくなるまで大事につかっていた。

この方が、有意義な買い物をしている気がする。
今になって初めてのお買い物をしているような、不思議な感じだ。
これが普通なんだろう。と私はしみじみと思えた。