見出し画像

願わくば

 ある作品が爆発的にヒットすると、そこに便乗して類似した作品を連発し、擦り切れるまで模倣を繰り返す。

 私は長いこと、こういった風潮に違和感を抱いてきました。

 たとえば、とある人気のあるモチーフを描こうとする場合、作家は独自の視点で、それぞれ違ったアプローチしようと試みます。

流行っているものはできるかぎりチェックし、どこがいいのか、魅力はなんなのかを探りますし、そこに自分の色をつけて、自分なりの作品に仕上げようと努めます。

 しかしながらこういった独自性や多様性も、あまり求められていないように感じます(もちろん、分野ごとに異なるとは思いますが)。

 お約束通りの展開を期待し、そこから少しでも外れると拒絶するのです。  たとえそれが『新作』だとしても。

 なぜ?

 人気がある。多くの人に支持されている。つまりそれは、いいものにちがいない。みんなと同じ流れに乗って共有することが楽しく、それで満足する。

 ――その様子は「守り」に入っているようにしか見えません。

 新しいものを開拓すること。冒険すること。挑戦すること。

 そういった「攻め」の姿勢を打ち出した作品は、少なくなってきた気がして……(私が見落としているだけならいいのですが)。

 私は最近、新しい物語を紡ぐ時には、なにものにもとらわれることなく、自由に創作したいと、強く思うようになりました。

とはいえ、なかなかそういった機会は巡ってこないので、自分から活動してみることにしました。インターネットというこの空間をお借りして。

 願わくば、この場所が、私のみならずクリエイターの皆様に、新たな可能性、多様性、そして独自性をもたらしてくれますように。


                    2014年9月26日 堀井明子 拝


ご支援を活力に変換して、今後の創作活動に生かしてまいります。各種沼への軍資金、猫たちへのおやつとなる可能性も捨てきれませんが……なにとぞ……!