一番苦手で、一番大事な歌で(まゆ)
歌のことを少し書いてみようと思う。
ここのところ、いくつか曲を作っている。
去年の今頃、遅れに遅れてギリギリでセンテンスのレコーディングが終わり、今年の2月に1stアルバムをリリースした。
もう遠い昔のように感じる。
レコ発ワンマン、ツーマンが終わって、東京や名古屋にツアーに行って。
馴染みのライブハウスにもコンスタントに出演させてもらって。
表面的にはずっと動いていたけれど、センテンスとしてはやっぱり停滞していたのだろうと思う。
ずっと見てくれている人にはそれが伝わってしまっているのもよくわかっていたし、新しい曲も全然作れていなかった。
もちろん、いろいろ考えてはいたし、動かしたいという思いはあった。
でも、わたしにとっては努力してできるようなものでもなくて。
わたしは曲を頭で作ることができない。
理論的なこともわからないし、いまだに自分がどうやって曲を作っているのかよくわからない。
時間があればできるとか、そういうことでもなくて。
まして気楽にできるものでもないから、偶然、思いつきでできるなんてこともない。
ひとつ、自分を表現に向かわせるなにかが必要なのだと思う。
それがなんだかわからないから、解決法とかスイッチの入れ方もわからない。できる時はこれまたよくわからないまま、さほど考えずにできてしまうことが多い。
まぁ、頭で考えてカオスに陥りがちなわたしの性分としては、そんなんだから続けてこられたのだと思う。考える頭があったなら、曲を作ることはもっともっと難しいことだったに違いない。
この停滞していた期間に思っていたことは、自分には本当はもう歌は必要ないんじゃないかということだった。
いや、畑もカレーも歌も生活もすべてつながったひとつの表現なんだと思っているのだけれど、あまりに歌だけがハードルが高い。
畑、カレー、歌。
どれも同じように重ねた時間は短いし、いつも難しさを感じている。
ただ、歌だけが自己否定や劣等感といった自分のダークサイドにどうしても結びつきやすい。
だから、とても恐いのだ。
実際にここ2ヶ月くらいライブをやっていないのだけれど、ある部分は楽だった。
そしてこの2ヶ月、とても大事なフェーズにあって、それがあったから今また曲を作ることに向かえているのだと思う。
人が集まる場に行くのがずっと苦手だった。
昔から、いわゆる飲み会みたいな場から帰ると再起不能になるくらい疲れ果ててしまう。
人となじめない。
みんながなぜ楽しそうにしているのかわからない。
自分の話したいことを話すと、場が白けてみんなが逃げて行く気がする。
本当はもっと話したい。一緒に笑いたい。
だから、その場のノリに一生懸命合わせようとするのだけれど、空回りしてばかりで。
人と接すること自体への苦手意識とか恐怖心がものすごく強くなって、その苦手であることとか、自分が人と違っているという事実そのものを認めるのが本当につらかった。
それで最近気づいたことなのだけれど、歌を歌い始めてから、(めったに参加することはないのだけれど)人が集まる場でどんどんノリに合わせられなくなっている気がする。
出会いたい、かかわりたいとすごく思っているのに、どこにいっても居場所が見つけられなくて。
でも、がんばることもできなくて。
そんなのもすべて自分次第だと思っていたのだけれど。
「あ、歌い始めてからこの3年やってきたことは、わたしが今この瞬間わたしであることだったんだ」
と、わかってしまった。
全部そのチャレンジだった。
それでも、ことごとくわたしは周りの目とか自分の内在化した自己否定の声に支配されてばかりで。
舞台ではそんなふがいない自分が本当によくみえるのだった。
そして、自分をそのまま出せている時、お客さんがよくみえていながら、気にならない。
お客さんがどのように振舞っていたって、わたしは自分のことができているし、お客さんがそれぞれでいることをそのままみることができる。
自意識にやられている時、お客さんはとても恐い存在に感じて、針のむしろのように感じる。
とてもさみしくて、自分も世界も全部否定したくなる。
自分であることは、目の前にいる人が(自分とも他の誰かとも違う)その人であることを肯定するということなんだと思う。
それがわたしにとっての「対話」だし、人とつながることだ。
子どもの頃から人と話せている感じがしなかったのは、わたしがわたしであることを放棄していたからなんだろう。
誰もみてくれないのではなく、わたしが、みていなかった。
だから、わたしが舞台で表現することを必要としているのは、自分であるため、そして人と出会うため。
ここが居場所であり、生きていくためなんだと、やっとはっきりとわかった気がする。
自分の歌を歌うことは、本当に出会いたい人と出会うことにつながっている。そう、信じている。
もしかしたら歌じゃなくてもいいのかもしれない。
でも、大勢の前でありったけの勇気をふりしぼって「歌いたい」と言ったけれど、33歳になるまで叶えられなかった7歳の少女との約束なので。
(このへんの話はSTAGE2号に寄稿しています。久しぶりに読んだら泣けた。。。)
一番苦手で、一番大事だった歌で、この世界とつながってみたいと今は思っている。
新曲の歌詞が書きあがって、夜勤明けの正敏の前で歌った。
2人で泣いた。
この歌を2人で思いっきり歌うのがとても楽しみ。
きいてもらえたらうれしいな。
人と違うことを、今はあまり恐れていないと思う。
違うからこそ、つながれる。
そんなところから表現が生まれるのだ。
<ライブ告知>
☆年内最後のライブは自分のもたせてもらっている場「畑とカリー」でやることになりました。
タイミングが合う方と一緒に過ごせれば嬉しいです。
「センテンスワンマンアコースティックライブ@畑とカリー」
2018年12月19日(水) 18:30〜20:00
charge:1000円と1オーダーお願いします
場所:なやカフェ(京都市左京区北白川堂ノ前町一番地デュ北白川102)
畑とカリーはセンテンスの赤阪まゆと赤阪正敏が2人で毎週水曜日になやカフェで開いているお店です。
畑で育てた野菜を用いてカレー、おやつ、のみものをお出ししています。
12/19は12時オープン、18時で一度オーダーストップし、ライブ後21時までオーダーいただけます。この日は22時閉店となります。
この日限定のスペシャルメニューをご用意してお待ちしております!
席数が少ないため、可能でしたらご予約をお願いいたします。
sentence.info@gmail.com
FBページ(イベントページ)
https://www.facebook.com/events/620660531682929/
畑とカリー
https://peraichi.com/landing_pages/view/hatakeandcurry
☆2019年最初のライブはネガポジで!
2019年1月14日(月・祝)
DUST/The ジャンパー/ネコグルマ/センテンス
詳細は決まり次第告知させていただきます。
☆「畑とカリー」新年は1/2(水)から営業いたします!夕方17時頃からオープンの予定。ぜんざいやカリー雑煮などを予定しております。詳細はSNSで!
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