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【リモートノウハウ】動画編集チームを完全リモートワークで1週間運用してみて分かったこと。

自粛中の皆様、こんにちは。5日間家から一歩も出ていない赤津です。普段は都内で動画編集チームの統括責任者として仕事をしています。

ここ1ヶ月で世界的に新型コロナウイルスが蔓延し、在宅勤務を企業としても推進する動きが出ていますが、当制作チームでも先週初めからチーム全体で、リモートワークでの業務に切り替えを行いました。

TwitterやnoteなどでリモートワークのTips投稿が増えていますが、あまり制作組織に特化した記事が見つからなかったので、動画編集チームのリモートワーク運用について、1週間リモートワークで運用してみて起きたことをnoteにまとめようと思います。

リモートワークを決断してから実行するまで

普段オフィスで勤務しているメンバーは大体7名程(殆どがディレクター)で、勤務体系はコアタイム有りのフレックスでチームを回しています。

チーム全体でリモートワークにする、と決めたのは3月28日前後。大容量データを普段取り扱っている仕事でもあるため、正直な所若干の不安はありましたが、事前に"発生するであろう問題"への対策をきちんと施して、ルールを適切に運用出来れば何とかなるだろう…!といった感覚はあったので、チームメンバーに各種ヒアリングを行い、実行へ移しました。

個人的にはリモートへ切り替わる前のメンバーへの事前ヒアリングも大事かなと思います(当たり前の事だとは思うのですが)

というのは、オフィスの通信環境と個人で使用している通信環境は大きく差が発生するため、まずリモートワークで業務を進めるにあたって作業環境の把握が必須です。

幸いにもチームメンバーの殆どがWi-Fi環境を持っていたので、通信環境的な部分では特に問題はありませんでした(中にはオフィスの10倍自宅回線が早い人もいました)

続いて、編集に用いるパソコンのスペック問題。チーム全員に編集に耐えうるスペックのMac Book Proを貸し出しているので、これに関しても特に問題はありませんでしたが、排熱が弱いので冷却ファンをオフィスに置いている人に関しては持ち帰って頂きました。

そして最後に動画データの取り扱い問題。YouTube動画以外に弊チームでは広告案件など色々な映像案件を取り扱っているため、HDDを常に差し込みながら制作している案件もあります。

また、YouTube動画に関しても近年長尺化が進んでおり、インターネット経由だとかなりダウンロードに時間が掛かる物もあるため、HDDに頼っている面もありました。

そこで今回は普段業務で使用しているHDDをそれぞれ持ち帰り、対応することにしました(基本はWeb経由がメインなので、情報管理の面から使用は一時保存的な役割と限定しました)

ここまででハード的な部分の懸念事項は解消することが出来ました。ソフト面に関してはルールをいくつかリモートワーク用に新設し、対応することにしました。

まずはルールをご紹介します。

①基本的にチーム全体で働く時間を統一する

今まで弊チームでは明確な「この時間に始まって、この時間までには終わらせる」という概念がありませんでした。

案件によって対応出来る時間が異なることが多かったためです。

しかしリモートワークで業務を進める場合、他のノウハウ記事にも書いてありますが、オフィスワークと異なり「チームの一体感」が生まれづらい背景があります。

そして、孤独感というのをひしひしと感じます。笑

※フリーランス動画ディレクター時代の経験に基づく

各々仕事を個人で進めるといった形の組織であれば、一体感という概念も必要無いとは思いますが、連携しながら制作を進める形で進めているため、重要度が非常に高いと考えています。

そのため、普段はコアタイム以外の業務開始・業務終了を統一していませんが、リモート期間中は必ず守るよう徹底、という風にしました。

②始業・終業時に15分〜30分のショートMTG開催

これは①と近いのですが、これも非常に大事なルールになります。

というのは、普段オフィスで仕事をしていると大体他の人が何の仕事をしているのか分かる、という方が多いと思うのですが、リモートワークになるとそういったオフラインならではの恩恵が得られなくなります。

・チーム全体のタスク状況の把握
・それぞれの1日の業務量を見える化
・終業時のショートMTGで上長がきちんとメンバーそれぞれの残業を把握する

という3点の目的で、ショートMTGを開催しています。

特に2番目の「それぞれの1日の業務量を見える化」はチームの透明性を高めることにも繋がりますし、結果的に1週間運用してみましたが、開催してメリットを実感出来ています。

また、始業・終業という概念自体がしっかりと存在していなかったので、ショートMTGを開催することによって、自分を含めチーム全体でメリハリを持って仕事をするようになりました。

③大容量データDLが必要な場合は前日15時からDL開始

これは制作チームならではだと思うのですが、DLにどうしても時間が掛かるものがあるため、それに併せて部下へ仕事依頼→着手まで、も今までどうしても時間が掛かっていました。

リモートの弱点でもある通信環境の問題はかなり大きく、個人差があるため、それを埋めるためにもこのようなルールを設定しました。

副産物的ではありますが、このルール実行で前日に翌日の動きをデータDLという作業を通すことによって、メンバー本人が翌日のタスクを把握出来るようになり、結果として作業効率が上がりました。

個人的に1週間運用してみて重要だと思った点

1つ目は「仕事とプライベートの境界線をハッキリとルールで区切る」ということ。

制作は、個人の仕事の仕方によって作業時間や業務効率が変動しやすい職種なので、組織側で境界線をしっかりと敷いてあげる必要があるなと思いました。厳しくし過ぎるのも良くないと思うので、そこはマネジメント側の采配だと思います。

Web上に沢山投稿されているノウハウ記事を見る限り、身だしなみを整えるなど、個人の裁量レベルのTipsが多い印象です。これはあくまでもチームメンバーに提案では無いですが、「こういうのもあるよー」と促すのが重要かと思います。

2つ目は「相談しやすい空気感・チームで連携して動いてる空気感を作る」です。

動画編集者・ディレクターはフリーランスの形態で働いている人が殆どで、組織内で動画編集者・ディレクターとして働いている人間はチームで動くことに意義を感じている人だと個人的には思っています。

しっかりと交流の場・アイデア出しの場・ディスカッションなどをマネジメント側でセッティングする必要があると思います。

使用ツールについて

そして、上記のルールを補完する役割としていくつかのツールを弊チームでは利用していますので、そちらもご紹介します。

①Googleカレンダー

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まず始めにGoogleカレンダー。

弊チームではG Suite版のGoogleカレンダーを使用しています。このように1日表示にして、今並行でどういった案件がチームで進行しているのか一目で把握することが可能になっています。

②Asana

これは別で記事を1つ書きたいぐらいなのですが、タスク管理ツールとして今まで色々なものに触ってきましたが1番最強だと思います(特に開発・クリエイティブ職に関してはヤバい)

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こちらはAsana公式サイトから画像を引用させて頂いていますが、このようなタスク管理ツールになります。若干複雑でパッと見難しい感じがしていますが、Trelloと比べると圧倒的に機能性が高いです。

弊チームではここで、タスクの進行やり取り、受領・発注・進捗管理などを行っています。作業完了後の報告などもここで集約しています。

③TimeCrowd

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TimeCrowdは工数・原価管理に使用しています。工数の秒単位での実態把握は中々チームの風土的にも根付くのが難しいポイントではありますが、入力がとにかく簡単なので導入ハードルもそこまで高く無いです。これで案件ごとの収支把握は終わります(数字を集約するのはG Suite)

④Zoom

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紹介するまでも無いですが、ZoomでオンラインMTGを行っています。特に便利なのが遠隔操作機能。ビデオMTGを繋ぎながら相手の画面を操作することが出来ます。

これの活用方法として、弊チームでは相手の編集ソフトの画面を触りながら動画編集を教えています。

オンラインでもオフィス勤務と全く遜色なく編集を教えることができます。これすっごく便利です。ヤバイです。

まとめ

ここまでnoteをダラダラと書きましたが、1週間運用してみた所感としては、制作の仕事はリモートワークに移行しやすい部類だなと感じました。

成果物至上主義の業務ですし、他の職種と比べてもやるべきことがハッキリとしているので他人も把握しやすいという点もあるかと思います(ディレクターの各種調整業務は別かもしれませんが)

もし今後追加で何か施策を行った場合はここに書き足していこうと思います!長くなってしまいましたが、ここまで読んで頂いた方、ありがとうございます…!

追加で宣伝になりますが、先日動画編集者・YouTuber向けに230種類の効果音データを販売開始しました!是非そちらもよろしければ拝見頂けますと幸いです。


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