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iOSDCから学ぶ「期待値」を超えるサービス創り

※この記事はUI/UXゆるトークで登壇した内容を文字に起こしたものになります。登壇資料はこちらです。

概要

この記事は、他言語界隈の人からも「iOSDCってすごいカンファレンスらしいね!」と言われるくらい成功している(と思う)iOS Developers Conferenceを解剖しつつ、「期待値を超えるサービスって何だろう」と考えるきっかけを与えられたら、と思って書いたものになります。

「期待値」の定義

まずはこの記事で言う「期待値」の定義を最初にしようと思います。

「期待値」という言葉はそのまま解釈すれば「期待される程度」を指します。なのでここでは「これはお買い物アプリだから商品の閲覧、検索、購入etc…はできるだろう」という、ある種「当然のこととして想定される事象のこと」を指したいと思います。

そしてここで言う「期待値を超えるサービス」は「サービス本来の機能を満たしつつもさらなる付加価値を提供したり、一種のサプライズを与えてくれるサービス」としておこうと思います。

iOSDCとは

今回題材として扱うiOSDCはこんなイベントです。

・年に1回行われているiOSエンジニアのカンファレンス
・今年で3回目を迎える
・800人規模
・去年のテーマは「フェス」

このiOSDCを運営するコアスタッフは、iOSエンジニアのみならずインフラエンジニア、今は他の言語を扱うことが多いエンジニア、人事系など10数名から構成されています。やることとしては当日の運営の他に、月に1回のMTG、slackでのアイディア出しなどです。

iOSDCに対する「期待値」

ではそんなiOSDCに対する参加者の「期待」とは何でしょうか。ざっくり言うとこんなかんじではないでしょうか。

・iOSに関するトークが聞ける
・iOSエンジニアと話ができる
・Tシャツとかパーカーのノベルティがもらえる
・懇親会でなんとなく美味しいものが食べられる

「期待値」を超えたiOSDC

去年のiOSDCを振り返ってみると、以下の点で反響が大きく、期待値を超えていたのではないかと思います。

・ノベルティが豪華
・・エコバッグがデニム素材
・・ハンドタオルが今治
・🍺の種類が豊富
・ブーススポンサーに企業ロゴが入った缶バッチを用意し、参加者がブースに流れる仕組みに
・オープニングのスポンサー企業読み上げを三石琴乃さんにしてもらう etc...

なぜ「期待値」を超えられたのか

iOSDCがうまくいっている理由について自分なりに考えてみましたが、一番の理由は「アイディアを出しやすい雰囲気になっているから」かなと思いました。

iOSDCのコアスタッフMTGでは本当に様々なアイディアが飛び交います。「真っ当」なものも出れば「それはwww」というものも出ます。いずれにしても、1つアイディアが出たらそこを起点としてどんどん新しいアイディアが出てきます。しかも基本的に否定的な声は出ません。「それはwww」というものであっても一応議事録には残り、それを実現させるかどうかは一度冷静になった時の判断ということが多い気がします。

この雰囲気はslack上でも同様です。私が過去ログを見返していて笑ってしまったのがこれです。

それに対するコメントにはこんなものがありました。

否定しないところ、発想の柔軟さがわかっていただけると思います。この他にもこのようなことが期待値を超える要因になっていると思います。

・スタッフのみんな自身、iOSDCが大好き
・運営以前に自分がまず楽しもうという姿勢を持っている
・「今度はどうやって驚かそうか」と考えるのが好きな人ばかり
・やりたいことがあればそれをやれる雰囲気がある

サービス、製品開発における「期待値」超え

今までiOSDCを例にしてきましたが、サービス開発においてはどうでしょう。あなたのサービスの「期待値」は何ですか?どうすれば「期待値」を超えられるでしょうか?

このへんの話は機会があれば別の記事で書こうかと思うので、ここでは実例を載せるだけにしようかと思います。まず1つめの例として『鋼の錬金術師』があります。

https://yoicomic.blog.fc2.com/blog-entry-83.html より引用

マンガの場合、物語と、ちょっとしたコラム程度が期待される範囲だと思います。まさかカバー下にもマンガが載っているとは思わず、見つけた時は期待を裏切られた嬉しさを感じると思います。

次に、オイシックスの例です。

この商品を使っている時に起こりうる場面を想定し、その時の体験をより良くしたのがこの例で、「食品を注文したら届けてくれる」という「期待」以上の価値を提供することに成功してます。ちなみにオイシックスの行動規範には「お客様を裏切れ」というものがあり、上記の例はそれを体現した例と言えます。

実装という観点からすると「期待値」以外の挙動はあってはなりませんが、サービスという観点からすると「期待値」と異なる挙動は必ずしもNGではないとわかっていただけたかと思います。

この記事はここで終わりますが、ぜひこれを機に「期待値」を超えるサービス創りについて考えてみてほしいなと思います。

P.S.

今回話題にしたiOSDC、スポンサー企業を絶賛募集中です。 ぜひご検討いただければと思います。


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