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【インタビュー】かきあつめメンバー:香山由奈さん 高校生芸人から編集者へ、発信手段を変えたエンターテイナー

 日刊かきあつめメンバー間でのインタビュー3回目。今回は普段編集者として活躍している、香山由奈さんにスポットをあててみる。

 元高校生芸人とだけあって、普段から気さくな香山さん。彼女と話してて楽しいのは、そのエンターテイナー性から生じるものだと感じている。しかし考えてみると、お笑い”好き”の女子高生はいても、お笑いを”演じる”女子高生はだいぶ希少であり、全くステージが違うはずだ。香山さん自身も、高校生芸人時代は葛藤ばかりであったと記事にしている。

 今回のインタビューでは、そんな香山さんの高校生芸人時代の葛藤と現在の仕事について聞いてみた。酒豪の彼女のことを考え、インタビューは新宿の居酒屋で行い、お目付け役としてMihoさん(写真右)も同伴した。

女子高生漫才師として活躍していた中高生時代

-お疲れ様です〜。それじゃインタビューを開始します。かきあつめメンバーのニッコニコ部隊の香山さんといえば、元高校生芸人って特殊な経歴ですよね。早速ですが、いつ頃からお笑いに興味を持たれたんですか?

お疲れ様です。お笑いに興味を持ち出したのは中学生くらいからですかね。小学生の頃はテレビをあまり見せてもらってなかったんですが、中学に入って「はねるのトびら」を見たときに「こんなに面白いものがあるんだ!」って思ったのが最初ですね。

-おおー、やっぱりその世代なんですね。けど芸人を目指すとなると結構度胸が必要だと僕なんかは思っちゃうんですが、なんで芸人を目指そうと思ったんですか?

なんでって、お笑いが楽しかったし、人を笑顔にしたかったからですかね。これイイ感じに言ってますが、お笑い演る人はみんなそう考えてると思いますよ!

-おおぉー、やっぱり純粋に人を楽しませるのが好きなんですね。カッコいいなぁ。当時はどれくらい熱心に活動されていたんですか?

当時は生活のすべてがお笑いでしたね。授業なんか聞かずに、ただM-1甲子園で決勝に行って”なんばグランド花月”で漫才ができる日を目指してネタを書いていました。(M-1甲子園:2003年から2008年まで行われていた「高校生お笑いNo.1」を決めるイベント)

-うわー、マジだ。当時の写真とかありますか?

ありますよ。M-1甲子園では千葉地区の予選大会で優勝をしたんですよ~。

M-1甲子園のHPより拝借

テレビオファーで両親と大喧嘩

-そんな香山さんですが、以前の記事で「芸人活動していたことを親に打ち明けれなかった」とありましたよね。なんで内緒にしていたんですか? 僕この記事すごく好きなんですよ。

ああー。実はあの記事では書いていないのですが、私の姉は重度の自閉症なんですよね。日常会話もままならないレベルで、特別支援学校や福祉園に通っていました。

-おおおおぉ。

そのためか、次女の私には、「由奈だけは安定した仕事に就いて欲しい」と期待しているように思えたんです。中学受験までさせてもらった中、お笑いをやっていることを伝えるのが、裏切り行為に思えてしまって言えなかったんですよね。

記事でも書きましたが、はじめてお笑い活動をしていることを打ち明けた時、母からは「嘘つき」と言われました。当時は勉強してくると言って、ネタの練習を遅くまでしていたので。

-わー。それを知ると、あの記事がさらに重く感じるなぁ。それでも最終的には親の承諾を得たんですよね。どうやったんですか?

母は最後まで反対していましたが、父が「やりたいことをやればいいよ」と言ってくれたんです。反抗期を拗らせて父とは3年近くまともに話をしていなかったんですが、「テレビ局からオファーがあったなら、じゃあやってこい」って言ってくれたんです。今考えると、距離が遠すぎて、「もう勝手にしろ」って意味だったのかもしれないのですが。

-お母さんの反対は寂しいですが、お父さんはそこを認めてくれたのはせめてもの救いですね。あぁ良かったです。

まぁこの話はテレビ収録の直前に相方と大喧嘩をしてポシャったんですけどね。大した理由じゃないから相方にすがってでもテレビに出ておけばよかったんでしょうけど、当時はプライドが邪魔してましたねー。(笑)

-わー。

発信の場はお笑いから編集者へ

-大学生になっても芸人活動は続けてたんですか?

いえ、結局大学生になってからすぐ、辞めてしまいました(笑)

-え~~、そんな熱量があるのにモッタイないー。なんかあったんですか?

うーん。それまで〝女子高生漫才師″として、それを売りにして制服で漫才していたんですけど、制服から私服に衣装替えして、淡々と漫才したら全然ウケなくなったんですよね。じゃあ女芸人っぽく「彼氏できないんだよねー」っていうネタもやりたくないし、相方は女優になるとか言うし、見学に行った大学のお笑いサークルは下ネタばっかりだったし。段々とお笑い熱は下がってしまいましたね。

-そっか~、なるほどなぁ。けど、お笑いをやられてた当時の経験があるからこそ、今の香山さんがいるんですね。そういえば現在はどんな仕事をしているんでしたっけ?

今は中学受験をする小学生をターゲットとした教育雑誌の編集者をしています。

−そうでしたね。笑 これまた以前の記事ですが、『”コドモ”の生態を解説します』で自身の仕事の話をされてて楽しそうでしたね~。やたら正義感が強い小学生とか、あった!あった!と笑いました。あれは香山さんの観察眼の賜物だと思いますね~。

ありがとうございます。小学生と触れ合うのは、自分が小学生だった時以来なので、毎回新鮮ですね。しっかりしているようで、どこか足りないところがかわいくて仕方がないです。

−思い返すと、香山さんは編集者になってまだ短いですよね。どれくらい経ちましたか?

編集者になって半年以上経ちました。それまでは広告代理店をに勤めていました。

-そうだ。香山さんは未経験から編集者になった方でしたね。転職をした理由って何なんですか?

「発信する仕事がしたい」と思ったのが理由ですね。当時気になっていた職業がライターで、ちょうど宣伝会議の「編集・ライター養成講座」というものを見つけたので受講してみたんです。(編集・ライター養成講座:㈱宣伝会議が主催するライター・編集者になるための講座)

-おおー、やっぱり発信がしたかったんですね。(笑) 僕らの出会いである宣伝会議の講座ですが、あれ受講してどうでした? 転職目的としてはアリですかね。

結果、私も編集者になれたんでアリなんじゃないですか?色々な出版社やWEBメディアの人からそもそも”編集やライターとは?”という話を聞けたことは良かったと思います。未経験でも編集プロダクションに転がり込めたし、仕事は楽しいので充実していますよ。

-なるほどなぁ。楽しめてるってことは、香山さんに合った仕事なんだと思います。お笑いから編集へと、活躍の場を変えて頑張られているのはステキですね。じゃあ最後に、香山さんの今後の目標を教えてください。

今、編集者としてようやく慣れて来たところなので、これからはもっと多くの人に読まれる記事を作りたいと思っています。Webとか紙媒体とかはあまり気にしていないですね。ブログでもいいかもしれません。自分が作ったもの、書いたものの影響力が強くしていこうと考えています。

−おおおー!やっぱり芸人を目指していただけあって鼻息が荒くてイイですね。インタビューありがとうございました!!

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 高校生芸人から編集者へ発信の場が変わった香山さんだったが、「人を楽しませたい」という根本精神は変わらず、生粋のエンターテイナーであることを感じた。

 彼女は決してそんな素振りは見せないが、未経験から編集者になるのは大変な道のりだっただろう。流石は中高生のころに親に隠してでも「人を楽しませる」ことを突き詰めた彼女である。今後も編集者として多くの人を楽しませる活躍を見てみたい。

インタビュー・文:アカ ヨシロウ
編集:円(えん)

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