見出し画像

ベトナムでeSIMを使ってみました

2019年7月24日から26日にかけてベトナムのホーチミンシティを訪ねる機会がありました。十数年ぶりの海外のため、スマートフォンが普及してからは初めての海外です。普段自分が使っているスマホ(iPhone Xs Max)をそのまま使いたかったので、eSIMを調達してみました。その手順を紹介するとともに、ホーチミンでの初期化方法や使い勝手も報告します。

eSIMとは

データ通信や通話にSIMカードをスマホに装着することは、みなさん知ってますよね。では、eSIMはどうでしょうか? eって頭に付いているので、electronicなSIMかな、なんて私は思ったのですが、実際はembedded SIMの略なんだそうです。つまり、「内蔵されている」とか「組み込まれている」とかいうことですね。

通常のSIMはカード式で、トレイに脱着できるようになっています。でも、embeddedなSIMは取り外すことはできません。その代わり、新たにSIMカードを入手しなくても、通信サービス会社と契約するだけで使えるようになる、という便利なものなのです。スマホの機種によってeSIMが使えたり使えなかったりするので、eSIMの通信契約をする前に、自分の機種のスペックを確認するといいですね。

通信サービスの契約

まずはベトナムで通信サービスを提供してくれる会社を探さなくてはなりません。Appleのサイトにも一覧がありますが、私はたまたま検索して見つけた「3香港」というサービスを使ってみました。(設定方法もAppleのサイトに書いてあります

サイトにアクセスしたら、下のスクリーンショットで、Vietnamに対応している左側の"Buy Now"ボタンをクリックします。

通信サービスの概要が表示されます。$138は香港ドルです($1 = 約14円)。画面中に"4G LTE"とありますので迷うことなく購入しましたが、残念なことにホーチミンでは3Gの通信しかできませんでした(後述)。

スマホの(日本での)電話番号(日本の国番号+81を先頭に書き、通常の電話番号の先頭の0は書かない)とメールアドレス、そしてCaptcha文字列を入力します。メールアドレス宛にはOne Timeパスワードが届きますし、電話番号にはSMSが届きますので正しく入力する必要があります。

するとメールアドレス宛に"one-time password"が書かれたメールが届きます。私の場合、数秒で届きました。

再びwebブラウザ画面に戻り、メールに書かれているOne Timeパスワードを入力します。

最後に支払方法を指定します。

クレジットカード会社のweb画面に誘導されますので、内容を確認し、クレジットカードのパスワードを入力します。

注文が承認されるとwebサイトは次のような画面に変わります。

そして、メールアドレス宛に、Subjectが「確認電郵 Confirmation email - eSIM」のメールが届きます。中国語で書かれていますが、下の方には英語でも書かれています。"How to use travel data?"の行はよく読んでおくといいです。特に「現地に着いたら"Data Roaming" をONにすること」を覚えておくといいでしょう。そして、現地でONにします。でないと、高額な請求が来るかもしれませんので。

iPhoneの設定(契約時)

私はiPhoneを英語モードで使っていますので、以下の説明も英語となっております。
メール中のQRコードを、スマホのQRコードリーダで読み取ります。手順は、Settingsアプリを起動し、Cellularを選び、"Add Cellular Plan"をタップします(下図)。

スクリーンショットを取ってから日数が経ってしまい、どのタイミングでQRコードをスキャンするのだったか、今となってははっきりしないのですが、スキャンするときはカメラ状態になるので、すぐにわかると思います。QRコードのスキャン前か後に以下の画面になるはずです。

ここで、追加した方の回線に名前(画面では"LABEL")を付けることができます。好きな名前に変えたい場合は、"Secondary"をタップして変更するとよいです。私はデフォルトで用意されている、"Secondary"としておきました。

SMSが届く回線を"Default Line"として指定します。"Use Primary as your default line"の方を指定しておきます。

"Cellular"画面に戻ります。下図では試しに"Data Roaming"をONにしていますが、日本国内にいる間はOFFにしておき、ベトナムに着いてからONに変更します。
また、この画面の下の方に、普段使っている"Primary"がONになっているのとは別に、"Secondary"も表示されていることを確認しましょう。ここではまだ日本国内なので"Secondary"はOFFでも構いません。もし、動作を確認すしたい場合は、"Secondary"をタップしてONにできます。

"Secondary"もONの状態で、ホーム画面を表示すると、アンテナ表示が2つ表示されます。

ここでコントロールセンターを表示させてみると、2回線分のアンテナがはっきりと表示されます。

ここまで動作確認でしたが、日本国内にいる間は、"Secondary"はOFFに設定し、"Data Roaming"もOFFにしておくとよいでしょう。

iPhoneの設定(ベトナム到着時) → なんと3G接続!

"Cellular Data"を"Secondary"に設定します。手順は、Settingsアプリを起動し、"Cellular" → "Cellular Data"とタップすると下図の画面になりますので、"Secondary"をタップします。

すると、下の画面のように"Cellular Data"が"Secondary"に変わります。"Data Roaming"も下図のようにON状態にします。

残念ながら、操作した記憶がないのですが、下図によると"Default Voice Line"も"Secondary"に設定する/されている状態でベトナムで使っていました。画面下の方にある、"CELLULAR PLANS"では "Primary", "Secondary"ともにOnで使いました。"Primary"はOffでもよいのかもしれませんが、SMSの受信が必要かもしれないということでOnにしておきました。検証が不十分でしたが、これをご覧になっている方はその場で試してみるとよいでしょう。

それではホーム画面を確認してみましょう。空港では少し電波が弱かったようですが、下図のように・・・そして驚きましたが 3G での接続になっていました。契約時には4G LTEと書いてあったのに、残念感が漂いました。空港周辺だけが3Gで、ホーチミン市内なら4Gに変わるだろうと期待していましたけれども、ホーチミン滞在中はどこにいても 3G のままでした。

設定が終わって間もなく、SMSが届きました。最初に届いたメッセージは次のようにWelcomeメッセージでした。中国語版のメッセージも届きました。メッセージのおかげで設定が正しいことがわかり、安心できました。これらとは別に8通もメッセージが順次届きましたが、特に読む必要もなさそうでしたので、私は無視していました。

3日目に速度制限にひっかかる

ホーチミン滞在3日目の朝7:34(*)に気になるメッセージが届きました。使用容量の70%に達していると書いてあるようです。英語のメッセージは無く、中国語のものでしたが、漢字のおかげでなんとなく意味がわかります。契約時には使用容量の制限は見かけませんでしたので、朝の時点では「ちょっと変だな」くらいの気持ちでした。
(*)ベトナムと日本は時差が2時間あります。

しかし、16:33になってもう1通メッセージが届き、そこには「128kbpsに制限する」と書いてあるようでした。500MBが使用容量の上限で、それに達してしまったようです。一体いつから計測して500MBなのかはわかりません。でも、一日あたりではなく、ホーチミンに到着した3日前から積算されているような様子です。だって朝ですからね、70%に達していたのが。夜は何も使っていませんし。

後日談ですが、帰国後、ホーチミン到着時に届いた8通のメッセージを確認していると下図のようなものがあり、「1日あたり500MB」の上限があるようです(赤線部)。1日あたりということは、3日目の深夜から朝7:34にかけて350MBを使ったということになります。。。しかし、寝ていた時間ですし、心当たりがない・・・ふと、思い出しました。寝る間際にAppStoreアプリでUpdateの要求が5件あったため、Update操作をして寝てしまったことを! きっとそれで朝に350MBもの消費になってしまったんでしょう。アプリやOSのアップデートは海外滞在中にしてはいけませんね。

iPhoneの設定(帰国後)

羽田空港に到着し、iPhoneの設定を国内仕様に戻しました。"Cellular Data"を"Primary"に、"Data Roaming"をOFF、"Default Voice Line"は"Primary"、"CELLULAR PLANS"で"Primary"はOnで、"Secondary"はOffに。

ホーム画面を見ると、懐かしの4G接続に戻っています。アンテナも"Primary"のものだけとなっています。"Secondary"の契約は削除することもでき、上の画面からタップしていけばすぐにわかります。すぐに削除する必要もないので私は残してあります。

ホーチミンの電源プラグとSIM販売店

余談になりますが、スマホの充電は日本で使っているACアダプタがそのまま使えました。ベトナムの電圧は220Vと日本より倍以上高いですが、Apple社のACアダプタは、本体に薄く小さい字ですが「100-240V」と対応電圧が書いてあり、ベトナムでも使えます。

電源プラグの形状は、ベトナムはC型で日本はA型のため、名前からすると変換アダプタが必要そうです。しかし、ホーチミンのホテルはC型もA型も差せる形状となっており、AppleのACアダプタを差すことができました。写真はホテルでのその様子です(左のコンセントの方です。右側のコンセントには形状的に差し込めません)。ホテル以外でもA型も使えるコンセントが普及してるとネットの記事には書いてありましたが、場所にもよるとは思います。

ホーチミンの市内を歩いていると、時々「3G」「4G」「SIM」という看板を見かけました。最悪、現地についてからでも通信手段は確保できそうですね。

次回、ベトナムを訪れる機会があれば、グローバルに展開しているGigSkyTruphoneのeSIMを試してみたいですね。ベトナムのViettelでもよいのかもしれませんが、サイトのあちこちがリンク切れしており、これでは安心して契約できません。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?