幼稚園のアルバムを見て号泣した話

必要性に迫られたため、実家から幼少期のアルバムを送ってもらいました。
送られてきたのは七五三の写真と幼稚園の卒業アルバム、あとは5歳までと見られる写真が数枚だけでした。

私は幼少期から激しく家庭で暴力を受け、児童相談所に保護された経歴があります。
そのせいか、今回送られてきた写真も5歳までしかなく、特に暴力を振るってきた兄と写っている写真は1枚もありませんでした。(恐らく、5歳以上になると兄と写っている写真が多いので、出すに出せなかったのかもしれません)

私の覚えている幼稚園の記憶は、般若のような母の顔や兄、空気のような父の存在、あとは一人遊びや習い事の記憶しかありません。

そのため、アルバムが届いた瞬間に段ボールを何回も何回も踏みつけて、しばらく置いてから開けました。

卒業アルバムの中にいたのは、髪の毛にリボンをつけて可愛い服を着せてもらえていた女の子でした。

衝撃を受けました。
幼少期から母にスカートを履くことを嫌がられ、母は私に女の子らしいことを禁止させていました。特に、思春期に入ってからはその傾向は顕著でした。

私の幼少期の写真を見て、普通の子供時代もあったんだなあと感じ、幸せそうでとても安心し、心が楽になりました。

また、家庭の中で空気であった父と写っている写真があり、図らずも涙が溢れました。たとえ僅かな時間であろうとも、家族として関わった時間があったことに心底安心しました。家庭内暴力が激しくなり、児相に保護されてからめっきり家族と疎遠にしている(これは意図的に絶縁を図っており、今後交流を続けたいという意思はありません)ため、貴重な1枚の写真となりました。

その卒業アルバムは、クラス全体のものではなく園児ひとりひとりにある卒業アルバムで、渡す園児に向けられて当時一緒にいた友達や家族の写真をメインに作られていました。

全く名前も存在も覚えてない当時の幼稚園の先生、また卒業アルバム係のPTAの人が、一人一人の園児のために作られたものだと思うと、20年以上の時間を越えて、当時の子供であった私に向けられた愛を感じました。

昨今、児童教育問題や保育園問題など、様々な議論が行われていると思います。
保育士、幼稚園教諭、児童福祉司、あらゆる職に言えることですが、子供の教育に携わるということは才能に感じます。誰にでもできる職ではありません。

職場環境や給与問題の改善を深く願うと共に、当時関わってくださった幼稚園の先生や関係者の方々に感謝したいと思います。

おわり。

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