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2/5 日記

何をするにもやる気が出ず、進捗のない一日だった。

ベッドの中で何度も伸びをして、目が覚めると、朝ごはんを作った。時間がなかったので、グラノーラにミニバナナ、苺、冷凍ラズベリーを乗せ、牛乳をかけた簡単なものを用意した。苺は瑞々しく、バナナは少しスイートスポットが増えていて、冷凍ラズベリーが宝石のようにきらきらとして美しかった。牛乳に溶けたピンクが可愛い。甘いものが好きな家の人がにこにこしながら食べた。
土日に行った温泉が良かったねという話をして、いつも通り家の人が玄関を出るのを見送った。

時計の針がてっぺんに来たあたりから下に来るまで、ご飯も食べず、ある程度集中して作業した。作業したとは言ったものの、日が傾き始めたあたりから、ぼーっとして、意識は薄ぼんやりしていたかもしれない。長時間座っていた割に進捗が悪かったので、早々にパソコンを閉じて夕飯について考えることにした。

昨日の夕飯で餃子を食べたせいで、身体が重く感じていたので、さっぱりしたものと考え、冷製パスタにすることにした。サーモンが食べたいという気分も少しあったので、カルパッチョとパスタでイタリアンかな、と考えた。

近くのスーパーに行くと、1個99円で比較的安かったトマトを2個、パスタに添えるための生ハムをかごに入れた。本当は柵が欲しかったが、時間が時間だけに刺身の盛り合わせが半額になっていたので、帆立と鰤とサーモンの盛り合わせを手に取った。オリーブオイルや天ぷら粉、後日鍋にするための白菜など重ためのものを買い込んだ。帰り道、行儀が悪いなと思いつつも買った野菜スムージーを飲みながら帰った。

帰ってきてからしばらくダラダラすると、家の人のSlackがオフラインになったので、バタバタしながら夕飯の支度を始めた。トマトを細かく切り、オリーブオイルとにんにくで和えた。にんにくをかなりの量刻んでしまったが、元気が出るかなと思いそのまま入れた。近頃家の人が忙しく、帰ってきてからも勉強をしているので、気分が明るくなるようなご飯を作りたかった。パスタソースのほかもすぐできた。

珍しくシンクに食器が溜まっている日だったので、皿を洗おうとすると、いつも使っているカップが欠けていることに気づいた。可愛らしい魔法使いの柄が入った白とアイボリーのそれは、家の人が実家から持ってきたものだ。ずっと長く使ってきたものだろう、小学生の家の人と義母や義父の顔が思い起こされて、家の人の歴史を失ったようで、心が痛んだ。

カップを見てショックを受けていると、家の人が帰ってきたので、現物を見せて謝罪した。ハリーポッターの最初の作品が上映されたときに映画館で買ったものだというので、20年選手であろうことが予想できた。大事なものだよね?というと思い出深いものだけど…というので、とてもとても悲しくなった。

欠けた部分が見つかったので、瞬間接着剤で張り付けて、ペン立てにでも使うことにした。パスタを茹でている間、カップの破片をくっつけている家の人を見ていた。

トマトと生ハムの冷製パスタ、お刺身のカルパッチョ、アボカドを切ったものを食卓に並べて、お酒を注いで乾杯して、義兄の誕生日プレゼントについてなど話した。トマトパスタが美味しい、と家の人が言った。

今週、少し忙しい家の人はどこか上の空だった。今日もこれから少し勉強をすると言う。ふざけて「だんなさま〜」と呼ぶと気持ちうっとりした。応援したい気持ちがあり、夜食用にチョコレートケーキを仕込んだ。おしまい。

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