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みんなもできる! 医療用サージカルマスクのフィルターを自作布マスクに再利用

クリニックでは、患者さんに医療用サージカルマスクを切って中の構造をお伝えしてきました。

写真は、半分に切ったところです。

向かって左側の緑色外側のシェルは、水や血液をはじく撥水加工の不織布。真ん中の厚めの白いものが、合成繊維フィルター。
向かって右側の肌に触れるところは、柔らかい不織布でできています。

三層構造です。

不織布は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸などの合成プラスティックペレットを加熱してごく細い繊維にして板の上に噴射して作られます。その後加熱すると、微細な繊維と繊維が圧着し布状になります。

不織布にもいろいろあるので、調べてみると面白いです。

織らないので、不織布。一般的なプラスティックペレットなので、安価に作れます。いろいろな不織布があるので、マスクもいろいろ。

ロール状の不織布からマスクを作るところは、経産省が子供向けYOUTUBE動画を作って公開しています。ものすごい勢いで作る流れ作業です。

不織布は、合成繊維なので熱で溶けます。
よく見るとゴムのところやプリーツを作る脇の部分、
ノーズワイヤーの部分は加熱して溶かして圧着していることがわかります。

真ん中のフィルターも合成繊維。洗っても紙のように溶けません。
アルコールにも強い。フィルターの静電気は、花粉やホコリ、ウイルスの付着した飛沫をトラップしたりします。

フィルターには、柔軟剤を使うと静電がなくなってしまい逆効果。

使い捨てマスクからフィルターを取り出して、自作布マスクの間にいれるのも良い工夫です。

僕は取り出したフィルターを検査用の1枚構造の紙マスク(1枚2円)でサンドイッチして布用接着剤で貼って試作品を試用実験していました。

今では鼻も上手に覆う綺麗な布マスクをオシャレに使う女性も増えました。

サージカルマスクと違う点は、外側のシェル(写真では緑色の部分)の撥水性だけです。通常の生活では、人から血液や体液が飛び散る近距離には居合わせないので撥水性は必要ありません。

布マスクで十分。

N95マスクは使われている不織布自体がフィルターになっています。そのため通気性が悪い。N95マスクは、マスク自体を再利用することになります。

N95は、真面目につけると短時間なら大丈夫ですが、弁がついているものでも長時間使うことは苦しくて通常不可能です。苦しくない時は、どこか漏れています。

足りないという小児科看護師さんには職業上N95マスクを無料で差し上げたりしましたが、一般の方にはサージカルマスクを差し上げていたのはそういった点も考慮してのこと。

布マスクも使い捨てマスクのフィルターを間に入れるだけで、完成度の高いマスクに変わります。息苦しさもかわりません。そのまま洗うこともできます。

古くなったら、新しい使い捨てマスクを1日だけ使ってフィルターだけ再利用すれば良いでしょう。

必要時には、どうぞお試しください。

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