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質的調査の評価分析

Xデザイン学校4回目「質的調査の評価分析」に参加してきました。

授業の流れをまとめつつ、今回改めて感じたインサイトを得るという事の難しさと、私の中に少しだけ生み出された理解の芽のようなものについて描きたいと思います。

はじめに

普段の仕事でも何度かインタビューやマッピングでのワークショップに関わっていたので、今回の授業に関してはそれ程心配していませんでした。

情報を集めて、フレームワークに当てはめる。グルーピングして抽象度を上げて、関連性を浮き彫りにすれば、問題が浮かび上がってきて、アイデアが出る、、そう思っていた時期が僕にもありました。。

実際は、簡単に問題は浮かび上がってなんかこなくて、問題を発見する事がどれだけ難しい事か、、身をもって体感する一日でした。

Phase1: 価値抽出で早速つまづく**

エスノグラフィで得たいくつかの場面について、その行為と心情を言語化し、意味を抽出する

前回浅草でのフィールドワークで収集したいくつかの場面の写真を元に、カードに具体的な行動と、対象人物の心情を書き出します。そこから価値を言語化していきました。

写真の状況と対象人物の心情を描くのは特に引っかかる事もなくスムーズに進んだのですが、価値を言語化する部分で大変悩みました。
他人の行動について、その行動の裏側の動機を考えるというのは、インタビューをする際にも色々な本を読んで知ってはいたつもりでしたが、1つの行動について考えようとするとこれがなかなか難しい。

今回このフェーズは自習となったため、自社の東京オフィスにメンバーに集まって頂いて、ワークを行いました。

初めのころは、地方からの参加で少し物怖じしてしまう部分もあったのですが、このような機会があると、お互いについて理解を深める事ができて、良い時間を過ごす事ができました。

Phase2:価値でのグルーピング

それぞれのカードをグルーピングし、グループにラベルをつける。

類似している価値をグルーピング。
質的調査なのですから、ちゃんと価値について評価分析しなければいけないのですが、事象を分解して共通項でカテゴライズしてしまいがちです。
大切なのは共通している価値を発見するという事。

まあ言うが安し、図説するが安し、これが感覚的にとても難しい。気を抜くとカテゴライズしたくなってしまい、慣れるのが大変でした。

カテゴリについて、余談ですが

普段の仕事でWebのサイトマップを描くときはカテゴリー分けを基本にしていますが、最近巷のイケてるWebサイトの中に、カテゴリ分けでできていないWebサイトが増えてきていると感じていました。

まさにその話が前回の概論でも出てきて感動したのを思い出しました。

今回それがさらに実践の中で理解できた気がして、ユーザーが求める共通価値で考えるという事なのかもしれないと思いました。

コンテンツの構成を考える時、ユーザーの求める価値や文脈を設計に入れ込んでいくと、カテゴリに依存しないWebアーキテクチャを設計する事ができそうです。

Phase3:価値マップでいつもの癖が出る

それぞれのグループを大きな紙にマッピングして、関連性を見出す

グループの中の価値の共通性や距離感を意識しながら、それぞれのグループの位置関係も考えてマッピングしていきます。、今回私たちは先に軸を決めてからマッピングしていきましたが、なんとなく私はマッピングしながら軸を探していく事の方が良い気がしていました。

どちらが正解という事も無いかもしれないけど、どちらにしても短い時間のグループワークでは私の考え方では現実的では無かったと思います。

このマッピングについては、正しい方法は明示されませんでしたが、一番高評価を得ていたグループはもはやユーザーのプロセスのマッピングになっていて、自分とは違う視野にとても感心しました。

縦軸横軸に縛られて考えていた私に対し、そのチームは時間の概念が視野に入っていたわけで、思考のフレームが全然違うなと感じました。とても面白い発見だったと思います。

今回このマッピングで発表を行いました。

先生からは「几帳面な人の描く図」というフィードバックをもらい、どう考えても肯定的な意味では無かったですが、やはり自分なりのアウトプットになっていたのだなぁと認識する事ができて良かったです。

そして、自分なりの「几帳面な図」では、質的調査を分析してインサイトを得る事は難しいだろうと思いました。

良きにしろ悪きにしろ、フィードバックは嬉しい物で、先生に褒められる事をワークの目的にするのは違う気がしますが、この学校の期間の中で目指す所としては、アウトプットではなく、考え方の成長で褒められる事だろうと思います。

色々考えてやっていきたいです。

Phase4:問題のモデル化

状況と問題と体験価値の書き出し、問題を概念化する。

状況の書き出しは特に問題ありませんでした。

問題の書き出しで、ここに大切なポイントがありました。
問題とは、対象者が求めている理想と、それを実現できていない現実とのギャップだという事です。
問題解決とは、なりたい姿を思い浮かべてそれに至らないギャップを明確にし、それを解決する方法を実行するという事。

体験価値の書き出しについては、少し苦労しましたが、KAカードで価値を考える事に少し慣れていたので大きくつまずく事はなかったです。

そして、今回のキモ、問題を概念化しパターン名として書き出します。
発見した問題を概念化するのですが、今回私たちのチームではここに一番苦戦しました。結果としては、チームが納得のできる概念化は行えなかったと思います。

どうしてもチョイスした1つの事象について考え込んでしまって、その事象が所属しているグループの他の事象も視野に入れて抽象化して考えられると良かったのかもしれません。。この辺は思考の迷路に入ってだめでした。

パターンランゲージの本はすぐにでも読みたいと思います。面白そう。

パターンの選定について個人的な疑問

マッピングしたカードの中から、問題解決を行うカードは、どのように選択するのかというのが疑問に感じました。

これはダブルダイヤモンドモデルの左から二番目の部分に当たるのだと考えました。
いつもこの図を見る時に、この収束はどのような意思決定で行われるのか疑問に思っていたのですが、ここに「インサイト」が必要なタイミングがあるのかもしれないと思いました。

先生に質問したところ、ここは経験や洞察力、センスが物を言うという事でした。
私は情報を整理したり論理的に考えたりする先に、インサイトを得るという事があるのだと考えていたので驚きでした。

実際には状況を整理する事と別の次元に、意味のような質的な「省察」が行われないと、新しい考えを生み出す事ができないのだと感じました。

そして省察や評価というのは、フレームワークや論理的思考だけでない「経験を元にした直感」のようなものでのジャンプを必要としている。。
そして私はそれが苦手だ。
しかしそれこそが、これからのデザインに必要とされている核心じゃないか。。これはまいりました。

Phase5:意外とスッといかなかったアイディエーション

概念化した問題に対してサービスを考える

「問題を発見すればアイデアを考える事は難しくない」というのは本当だと思いました。

2回目で行ったビジネスインタビューの時のアイデアに比べて、具体的なサービスを短い時間で考える事ができたと思います。

それでも、モデル化にギリギリまで悩んでしまった私たちは、アイディエーションも苦しい作業になりました。それでもサービスを考え切れたのは、メンバーが様々な意見を屈託無く戦わせたからだと思います。

議論が袋小路に陥ってしまった時に、「手を動かさず話しているだけでは思考が止まっている」という指摘がありました。

自分が元々ものづくりのデザイナーという事を忘れ、手を止めてひたすら議論に没頭していた事に気付かされました。その後、手を動かして紙に書いていく事で話の流れが収束し、メンバーから感謝の言葉をもらえた事は今回特に嬉しい瞬間でした。

最近は様々な業種の方とのワークショップに参加する機会が多く、今回のように絵や図にして良い反応をもらえる事が多いのですが、図式化する事でのある意味強引な牽引力が、チームの考え方を自分の解釈に誤訳する事が無いように気をつけたいですし、自信を持って貢献できるように精進したいと思いました。

次回はユーザーインタビュー。あまり個人に迫るのは得意な方ではないと思っていましたが、知りたい事や分かっていない事の輪郭が少しづつ明確になってきた気がしているので、次も楽しめると思います。

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Akema Takashi

サービスデザイナー / 新潟
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