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しがらみのない世界で生きてゆく

 昨日から「58歳を目前に派遣切りに遭いました」シリーズを書き始めた。

 このシリーズ、本当は、6月5日から始めるつもりだったのだ。私が58歳になった、その瞬間からスタートしようかと。

 だけど昨日、いつものように「おついたちまいり」をして、おみくじをひかせていただいたら「先手必勝」と出て。

 何に勝つのかはよくわからないけど(笑)神様からのアドバイスである。帰宅後即、パソコンを起動して文字を打ち込み始めるしかなかった。

 思えば昔から、目に見える「人間」のアドバイスよりも、目に見えない何かを信じる少女だった。ええ、私にも少女時代があったのだ。生まれ落ちた瞬間から、五十路だったわけではないのよ!(あたりまえだ。笑)

 中学から高校時代にかけて、さらに就職し成人してからもずっと「My Birthday」という雑誌の熱心な読者だった。愛と占いの情報誌、というキャッチコピーに惹かれたというよりは、表紙のまつざきあけみ先生のイラストが美しすぎて、昭和54年の創刊当初から、ずっと買い続けていたのである。

 この雑誌がなかったら、今、私はここに存在していなかったと思う。

 家庭という場が決して安心できる場ではなかったこと。というかむしろ、私に苦痛を与えるためだけに家族は存在しているのでは、と思えるような状況であったこと。そんな環境で育った私は、きっとなんだかすごく変な子どもで、だから学校に行けば、イジメの格好の的となった。

 My Birthdayに載っていたおまじないでもするしか、生きる術がなかったのである。

 効果があったかどうかは、今となってはもうよくわからない。だけど、あの頃は確かに、

「おまじないしてるから、大丈夫!」

 って、それだけで、なんとか生きていけたのだ。小学生にして「将来の夢は、安楽死です!」と作文に書いて、担任の先生の度肝を抜いた私だけど(ヤベェな。苦笑)なんとか自殺を思いとどまったのは、My Birthdayのおかげだったと、心から感謝している。

 今では、空を見上げては「キレイやなー」と思い、海岸散歩に出かけても「波の音って癒されるよねー」と感じ、道端に咲く雑草たちも本当に生き生きとしていて、たまに、その中のお花を摘ませてもらったりして、自然ってなんて豊かなんだろう! と感じ入ったりしている。

 まだ未成年の私よ、父親にどんだけ殴られようが、なじられようが、タンスの中の自分の下着を物色されようが、使用済みの生理ナプキンを漁られひらかれようが、必ず幸せな時代はやってくるから!

 タイムマシンがあるのなら、私は昔の私に、こう伝えてやりたい。

 ・・・すいません、ウソつきました。

 もし本当にタイムマシンがあったら・・・有無を言わさず、父親殺しに行くだろうなw

 だけど、さらに、思うのだ。仮に、昔苦しんでた私のために父親を殺したとして、今、ここにいる私より幸せになれる補償ってあるんだろうか?

 父親死んだ、ヒャッハー! ・・・で、身を持ち崩して、はしゃぎすぎて早死にしてる可能性もあるわけで。

 とか思うと、本当にしみじみと、今の私は幸せだなぁと思う。

 仕事は定年退職したことだし(笑)あとは、のんびりと自然や、あたたかなご縁のある友人たちを大切にして、ゆったりと過ごせばいいのではないか。

 もう、過去の恨みとかどうでもいいよね。

 ということは逆に、過去にあった、本当に辛かったあれやこれやは、その先で「どうでもいいよね浄化」を喰らうために噴出した、なんというか、ある種のエネルギーの流れだったのかもしれない。

 ただ流れてきて、それを浄化した。

 そう思えると、シンプルに、私を肉体としてこの世に送り出してくださって、ありがとうございました、とお礼を言うしかない。父母がいなかったら、私もここにいなかったんだから。

 ありがとう。

 ありがとう。

 私はもう、しがらみのない世界で生きてゆきますね。

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