猫の娘はマタタビが苦手
グミというお菓子が苦手だ。噛んだときの食感が、輪ゴムに似ていると思うから。
輪ゴムと言っても、お惣菜を買ったときにパチンとはめられるような細いものではなく、まるできしめんのような、もしくはフェットチーネのような、幅広の輪ゴムのことである。
子どもの頃、家にあったこの輪ゴムを噛んだら、母親にひどく怒られた。
私の歯形と唾液のついた輪ゴムだから、速攻捨てられると思っていたのに、なぜか丁寧に洗われて、ふきんかけに干されてしまった。
なんでも、めったに手に入らない、高級な輪ゴムである、ということだ。
高級なくせに、不味かったという記憶しか、私には残っていないのだが。
しかしそういえば、我が家にいた愛猫の殿さんは、まるでマタタビを与えられたようなラリラリっぷりで、狂ったようにこの高級(?)輪ゴムを噛んでいた。
あんなゲロマズな輪ゴムを、なぜ? とも思うが、逆に私がマタタビをもらったとしても、きっとゲロマズとしか思えないだろう。味覚の相違。
ハッ! まさか!?
母親は、猫だったのかもしれない。30年以上前に亡くなっているので、確認のしようもないのではあるが。
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