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もっと自由に、もっとつながる。福井で開いた「新しい働き方の扉」(後編)

大学卒業後、入社した株式会社ALL CONNECTでは最年少で人事を務め、28歳で株式会社リンクメーカーを立ち上げた大連達揮さん。県内企業の採用コンサルティングを手がけるなか、自分たちの働く姿を通して後世に「地方での働き方」伝えていくために、2019年5月株式会社akeruとして新たなスタートを切りました。後編ではakeruの働き方から見える新しい可能性を探っていきます。

バックグラウンドが異なるメンバーたち

ーまずは今いるメンバーについて教えてください。どんな経緯でakeruに入ったのですか?

基本的には社員を募集したのではなく、全員僕が声をかけたメンバーです。akeruが目指す「地方の新しい働き方」を探るためにも、メンバー集めは2つの軸を持っていました。

一つは「自分とタイプが違う人」。akeruのメンバーは元地域おこし協力隊のライター、元教育関係NPOや理系の学科出身の新卒など、それぞれバックグラウンドが異なります。一人ひとり得意なことはまったく違うけど、一緒に仕事に関わることで新しい側面を見出せたり、コミュニティにとって新しい化学反応が起きたりできればと思っています。

もう一つは「働くことでakeruを活用できそうな人」。akeruは新卒から何ヶ月も研修して仕事に合わせたビジネススキルを学んでいくのではなく、自分のやりたいことに合わせて仕事を選んでいく会社。akeruのコミュニティが持つ人のつながりやスキル、ノウハウなどのリソースを使い倒せそうな人に声をかけました。

ーたしかに、akeruのメンバーは個性的ですね。それが仕事の幅にもつながっているような気がします。

そうですね。明確なミッションを与えられる案件もありますが、「何をお願いすればいいかわからないけど、一度akeruに相談しよう」とお声がけいただくことも多いです。教育とドローン、まちづくりとライティングなど、一つの案件からメンバーのスキルを掛け合わせて別のプロジェクトにつながることもよくありますね。

ーそれはakeruならではの強みですね。

そうですね。さらに「地元の温度感」がわかることも大きな強みかもしれません。県外にはコンサルティングや採用、まちづくりに特化したさまざまな企業があります。akeruより規模の大きな企業も星の数ほどありますが、歴史が複雑に絡んだ地域性や地場産業の特性などは言語化しにくく、ネット上のリサーチでは理解が難しいもの。私たちはリンクメーカー(akeruの前身)の頃から福井に根ざしてきたこともあり、時間をかけることなく地域のクライアントとコミュニケーションが取れるので、「話が早い」んです。

ーakeruのメンバーは普段は大連さんとどんな関わり方をしているんですか?

基本的にはメンバーそれぞれが自分の裁量で仕事を進めています。もちろん、だいたいのプロジェクトは僕でも把握しているので、アドバイスを求められたり判断が必要だったりする時はリアルでもオンラインでもその都度相談に乗っています。月1回は1on1の時間をとっているので、「今後やりたいこと」や「逆にやりたくないこと」などもざっくばらんに話してもらうようにしていますね。

心からエネルギーを注げる仕事に絞っていく

ーリンクメーカーからakeruになって3年目。大連さんが思っているようなチームになりつつありますか?

仕組みとしては整いつつあると思いますが、文化づくりがこれからの課題です。一人ひとりが心から仕事を楽しみ、仕事を通して成長する循環を促していくためにも、akeruとして手がける仕事をもっと厳選していきたいと思っています。

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ーというと?

「心からエネルギーを注ぎたい!」と思えない仕事には、人も自分もついてこないということです。例えば、僕は人と人をつなぐことに関しては好きだしやりがいを感じるものの、仕組みを整えたり運用したりするのは得意でもなければ心からやりたいことでもありません。

普通の会社であれば、自分のやりたいことよりも「組織」の意向が重視されがちです。でも組織を重視しているままで、akeruが目指す一人ひとりが仕事を楽しむ働き方を実現できるとは思えないんですよね。実はそう思うようになったのはここ最近のこと。akeruを立ち上げてから丸2年かけて、僕自身の考え方も変化してきました。

「働く」を通して自分のために探求したい・成長したいという思いを叶えるために、この仕事をやる意味があるのか、本当に自分にとって腹落ちできる仕事なのか。一人ひとりがしっかり見極めていく必要があると思っています。

ー「一人ひとりが心からやりたい仕事をすればいい」と経営者の立場で言えるのはすごいと思います。

企業であれば単年度の売上げなどを考えるのが当然です。でも僕はもっと長期的な視点で人の成長と向き合いたい。だからこそ、今後はakeruの「カルチャーコード」が必要だと思っています。

ーカルチャーコード?

企業として「こうありたい」と考える文化の姿を言語化して日々の行動指針するものです。 一つひとつの仕事に対して「自分でちゃんと選べるか」「つながりをつくれるか」「長期的に見て自分にプラスとなるか」など、流れのまま受けるのではなく、ちゃんと腹落ちしながら仕事と向き合える状態をつくりたいと思っていて。今は時間をかけてakeruの軸となる言葉を紡いでいるところです。

ーこれからのakeruに期待することは?

人生って後に続く人たちのためにあると思っています。今akeruが目指している働き方や仕事のあり方は、僕たちの次の世代になってはじめて結果として現れるものもあるはず。今は正解かどうかわからないけど、まだまだ試行錯誤しながら次世代に誇れる生き方と働き方を僕自身も探求していきたいですね。メンバーたちと同じ価値観を共有しながら、自分たちが心地よいと思える仕事がakeruからどんどん生まれるといいなと思っています。

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